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無人ストアをマンションに。外出せずに飲食・日用品・オモチャが買える「Store600」

日鉄興和不動産は、600株式会社とともに、マンション専用 無人ストア「Store600」を開発。日鉄興和不動産が展開するマンションへの設置を開始した。

Store600は、筐体の中に商品が入れられており、購入者はアプリで解錠して商品を取り出し、決済を行なえる設備。オフィス向けに展開していた「無人コンビニ600」をベースに、マンション専用に開発した。

利用方法は、Store600にあるQRコードをアプリで読み取り解錠。中から購入する物を取り出して扉を閉めるとアプリの画面が商品スキャンの画面に切り替わり、商品のQRコードを読み取ると決済が完了する。

無人コンビニ600は冷蔵機能を有していたが、Store600は常温のみ。そのほかデザインや決済方法に違いがある。

常温とした理由は、マンションの場合は共用部に設置する関係もあり、環境によっては結露してしまうため。また、冷蔵商品は輸送コストも課題となるという。常温保存が可能な食材や調味料、バッグ型ドリップコーヒー、生活雑貨やオモチャなどの販売を想定している。

日用品やオモチャ等の販売も

デザインはこだわった部分であるとして、600 代表取締役 久保渓氏は強調。無機質な印象であった無人コンビニ600に対し、Store600では「マンションで溶け込むようなデザイン性」を狙いとしている。

決済方法については、無人コンビニ600はクレジットカード、Store600ではアプリという違いがある。マンション内ではクレジットカードを持ち歩く人は少ないものの、スマートフォンは携帯しているであろうことから、アプリを利用した決済を採用した。

マンション内のキッズルーム、ラウンジ、ワークスペースなどに設置し、例えばキッズルームではオモチャを充実させるなど、それぞれの場所に合った商品を取りそろえるほか、ファミリーマンションと単身向けマンションでもラインアップを変えていく。

そのほか、商品の入れ替えが容易で、様々な商品サイズに対応可能であることから、流行や細かいニーズに迅速に応えられる点も特徴とする。

コンビニよりも10倍近く、スーパーよりも100倍近いお店

久保氏は、無人コンビニ600も含めて「コンビニよりも10倍近く、スーパーよりも100倍近い」と説明。50m商圏のなかで、商品を手に取って、すぐに買えるというウィンドウショッピングの喜びを暮らしに提供すると話した。

また、無人であることからニューノーマルにおける非接触ニーズにも対応。ニューノーマルに関連して日鉄興和不動産 常務執行役員 猪狩甲隆氏は、巣ごもり消費や在宅ワークの高まりにも対応でき、「ミニコンビニ付きマンション」という付加価値向上につながると説明した。

日鉄興和不動産では、2019年にマンション初となる無人コンビニ600導入を、「リビオレゾン板橋本町ステーションサイド」で実施しており、居住者から一定の評価を得られたことから600と協業。今後は毎年20台程度のStore600を、日鉄興和不動産が開発するすべてのマンションに設置していく予定で、現在は10棟ほどに設置している。

600では今後、弁当などの提供が可能な冷凍筐体の開発や、酒類の販売を可能にするための年齢認証機能の追加を計画。日鉄興和不動産は冷凍筐体の、学生マンションなどへの設置を計画している。

そのほか600は、パートナーと共に価値提供を行なうべく、共に事業開発を行なう枠組みとして「600コンソーシアム」を発足。デベロッパー・管理組合、メーカー・ブランド、Store600と併設できる製品を持つ事業者、シナジーのあるサービスを展開している事業者、相互連携可能なシステムを展開している事業者を募集する。

(左)600 久保渓氏、(右)日鉄興和不動産 猪狩甲隆氏