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三井不動産、「日比谷松本楼」に出資。食とエンタメ強化
2021年3月31日 20:06
三井不動産は、日比谷松本楼への資本出資を行なうとともに、今後の業務提携をより強固とするための協定を3月22日付で締結した。
両社は、1世紀以上に渡り日比谷の地に根差し、新たな文化の形成と発信に寄与してきた経験を活かし、魅力ある街づくりに不可欠である食文化の発信や映画・演劇を中心としたエンターテインメントなどの体験価値を提供。日比谷エリアの価値創出を図るため、今後連携を強化していく。なお、出資を実施した3月22日以降、日比谷松本楼は三井不動産の関連会社となっている。
連携施策の第1弾として、比谷・銀座エリアの観劇の祭典「Hibiya Festival 2021」を4月29日から5月16日まで開催。日比谷松本楼が「まちなか劇場」の会場となり、「東京二期会 緑のオペラステージ」を開催する。また、オンライン会場「Hibiya Fes Channel」で配信予定の映像コンテンツでは、松本楼のテラスを舞台に、日比谷公園を借景とした能楽・オペラのパフォーマンス映像を公開する。
日比谷松本楼は1903年、日比谷公園のコンセプトである「3つの洋(洋花、洋食、洋楽)」の1つとして開園に合わせて創業。小坂文乃現社長の曾祖父である梅屋庄吉は、現在の映画会社「日活」の前身となる「日本活動写真株式会社」の創業者の1人。草創期の日本映画界を牽引し、映画事業の成功によって築いた財産をもとに中国革命において孫文を支援した人物として知られる。孫文の日本滞在時における梅屋との交流の場になった他、2008年には福田康夫総理(当時)主催の「胡錦濤国家主席訪日歓迎夕食会」が開催されるなど、歴史的な舞台となっている。
三井不動産は、1894年に「有楽町三井集会所旧館(日本館)」、1898年には「有楽町三井集会所(西洋館)」を日比谷に構え、これらの施設は三井家の諸事業部の会議の場としてだけでなく、民間外交の場としても活用された。その後も1930年に「三信ビルディング」、1960年には「日比谷三井ビルディング」が竣工し、同社にとって重要なビジネス拠点となってきた。2018年3月には「東京ミッドタウン日比谷」を開業している。