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Chromebook、AirDrop的ファイル共有「Nearby Share」対応

Googleは9日(米国時間)、Chromebookの大型ソフトウェアアップデート「Chrome OS M89」を発表した。新たにファイル転送機能の「Neaby Share」に対応するほか、AndroidとChromebookの連携を強化するPhone Hubなどの新機能などを搭載した。

Nearby Share(ニアバイシェア)は、Androidスマートフォンで撮影した写真や動画などのファイルを、ワイヤレスで近くの相手に直接送れる機能。GoogleのPixelシリーズを始め、Androidで対応機種が広がってきているが、新たにChromebook(Chrome OS)が対応。対応のAndroidからChromebookに写真やテキストなどをワイヤレスで送信できるほか、ChromebookからAndroidへの転送も行なえる。

Nearby Share

Nearby Shareは、BluetoothやWi-Fiなどから最適な転送方法を選択してファイルを送信。受信側が許可すれば、ファイルの転送が開始される。iPhone/iPadやMacにおける「AirDrop」のAndroid版とも呼べる機能だが、Chromebook対応により活用できるデバイスが拡大する。なお、WindowsやMacでのNeaby Share対応予定は、現時点では「ない」とのこと。

Phone Hubは、Chromebook上でAndroid端末の一部機能をコントロールできるウィジェット。マナーモードやテザリングのON/OFF操作や、バッテリ残量や通信強度の確認、開いているタブの表示などに対応する。外出先でChromebookを使う際、Androidスマホを操作せずに、Chromebookからスマホのテザリング設定をONにして、通信するといった使い方が可能になる。

Phone Hub

クリップボードも強化。テキストのほか、写真、ファイルを最新の5つまでをクリップボードにコピーできる。アプリをまたいだ、コピー/ペーストにも対応する。

Clipboard

パスワードなどを複数のデバイスで同期できる「Wi-Fi Sync」も強化し、Chromebookだけでなく、Androidデバイスとの同期に対応。スクリーンキャプチャの高機能化のほか、キャプチャしたファイルやダウンロードファイルにすぐにアクセスできる「Tote」などの機能を追加する。

Wi-Fi Sync
Tote

Chromebookは、2021年で登場から10周年を迎える(日本での発売は2014年)。フルキーボードを備え、WebブラウザーのChromeの上のウェブアプリを活用を基本としたコンピューターとして、仕事や学習、趣味など様々なシーンで活用の幅を広げている。

現在、世界で発売されるコンピューターの10台に1台はChromebookとなっており、アメリカでは5台に1台、日本においても、GIGAスクール構想などの後押しで普及を見せている。Chrome OS M89では、外出先での利用やマルチデバイス連携などを強化。「2台目ではなくメインのコンピューター」としての使い勝手を向上した。