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チューリッヒ生命、「日本の生命保険会社」になる。他業種コラボも

チューリッヒ生命は、4月に日本支店を日本法人化すると発表した。これまで日本国内ではスイスの保険会社の日本支店として活動してきたが、4月からは日本の生命保険会社「チューリッヒ生命保険株式会社」として業務を開始、「保障性商品に特化したニッチプレーヤー」として日本市場向けの商品を強化していく。

18日には発表会が開催された。日本における代表者兼最高経営責任者の太田健自氏は、「日本における戦略は2013年から変わっておらず、現役世代がターゲット」と、戦略や顧客へのコミットメントが変わらないことを示す。また、商品に対する評価やネットプロモータースコアは高く、契約数が6年で6倍に伸びたことなど、事業が好調に推移していることを紹介した。

日本における代表者兼最高経営責任者の太田健自氏

「大胆かつ、ちょっと無責任な予測」(太田氏)と断った上で、2030年までの市場の変化も予測した。それによれば、すでに起きているチャネルシフトはさらに加速し、乗合代理店やオンラインのダイレクト販売が伸長すると予測。保障性商品(貯蓄性のない保険商品)は、ウェルケアやヘルスケアサービスを組み込んだ商品などが登場すると予測している。

一方で、同氏の持論として、今後は定期保険が再認識されるとも指摘した。これは、終身雇用の概念が無くなり、転職が当たり前になって、フリーランスも増えるといったライフスタイルの変化が影響しているという。同氏は、こうした変化の波に乗り遅れることなく「サーフィンしたい」と意気込む。

さらに今年は、関連法の改正により、銀行、証券、保険をワンストップで仲介できる「金融サービス仲介業」が誕生する見込み。チューリッヒ生命は、この業態にも商品の提供者として参画していく。

今後は、どの保険会社も成功していないという、予防や再発防止にまで踏み込んだサービスも提供するべく、開発を進めているという。また、(掛け捨ての保障性商品は)安価な商品が人気になる時代であり、コスト削減にも積極的に取り組み、その一環として契約査定や保険金の給付で機械学習のプロセスを導入するといった具体策を示し、「品質をあげて、コストを下げていく」とした。

加えて、他社とのコラボレーションにも積極的に取り組んでいくという。「当社は保障性商品に特化した、ニッチプレーヤー。(他業種の)優れたプレーヤーと手を組んでいく。証券やオンライン銀行ともコラボレーションしていきたい」(太田氏)。

同氏は日本法人化により「より身近な存在になる」としたほか、「契約件数を増やすことはミッションではない。安心感を提供することがミッション。これは、明日も10年後も変わらない。日本法人化でこうした取り組みを強化していく」と意気込みを語っている。

なお同社は、終身がん保険の内容を強化し、自由診療の治療を手厚くして、将来提供される新しい治療方法にも一定の対応ができる新商品「終身ガン治療保険プレミアムZ」なども発表している。