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富士山登山鉄道構想、ふもとから五合目をLRTで結ぶ

富士山のふもとから五合目へアクセスできる「富士山登山鉄道構想」(案)が、山梨県の検討会で可決された。富士スバルライン上へのLRT(次世代型路面電車)敷設が優位とし、今後検討が進められる。

登山鉄道導入の基本コンセプトは、自動車から登山鉄道への転換や、富士山の付加価値の向上、ライフラインの整備など。二酸化炭素や窒素酸化物など富士山における交通由来の環境負荷を削減するとともに、鉄道ならではの上質なサービスにより富士山の付加価値を向上させるとしている。

既存の道路の活用により新たな景観や環境影響を抑制することも掲げており、軌道(線路)は富士スバルライン上に敷設し、拡幅などの道路の線形改良は原則行なわないものとしている。また、軌道整備後はバス・タクシーを含む一般車両の通行は規制する。区間は山麓を起点とし、五合目までの約25kmから28kmを想定。

往復運賃10,000円で、年間利用者数は約300万人の試算。概算整備費は総費用約1,400億円。収支試算の段階では事業成立の見込みとしつつ、維持管理費や架線レス方式の導入に関する費用など、現時点では試算が困難な経費が多く想定されることから、様々な要素を加味した精査が必要としている。

構想実現に向けては、鉄道事業、事業運営、法律、地元対策などに分けて検討する必要があるとし、地元と正式に相談していくほか、静岡県とも十分連携して取り組むべきとしている。