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JR九州、自動運転開始。JR線・踏切がある路線では初

JR九州は、自動列車運転装置を用いた実証運転を、24日から開始した。ATS区間、踏切有、JR線における自動運転は国内初。使用車両は819系(DENCHA) 1編成(2両)。

実証運転は、香椎線 西戸崎駅~香椎駅間にて、運転士が乗務した状態の営業列車で実施。運転士以外の係員が前頭に乗務する自動運転の実現を目指す。

これまで実用化されてきた国内の鉄道の自動運転は、レールを介して情報を伝送する自動列車制御装置(ATC)を整備した路線のみ。しかし、JR在来線の98%、私鉄とあわせても91%の区間は、地上子からの伝送で情報を更新する自動列車停止装置(ATS)の整備のため、ATC化には莫大な設備投資が必要になるという。

今回のJR九州による実証運転はATS区間で実施。運転士が乗務する形態ながらATS区間での自動運転は国内初。踏切がある区間での自動運転も国内で初めてとなる。

香椎線

また、相互直通路線に自動列車運転装置(ATO)が整備されていることからATOを搭載した例はあるが、JR線にATOが整備されるのは初めてとなる。

実証運転は、運転士以外の係員が前頭に乗務する自動運転の実現まで継続して実施。自動列車運転装置による車両制御の安定性、運転取扱いの変更点における検証、および運転士の心理的影響の把握を行なう。

今後は2021年度末までに、JR九州で整備している自動列車停止装置(ATS-DK)をベースとした自動列車運転装置を用いた営業運転の区間拡大、および対象列車拡大を目指す。