JAXAとヤマト、空飛ぶ物流に向け大型貨物ユニットの空力形状を開発

JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)とヤマトホールディングス(YHD)は、「空」を活用した新たな物流サービスの導入に向け、物流電動垂直離着陸機(物流eVTOL)と地上輸送手段が両方への搭載が可能な大型貨物ユニット「PUPA8801」の空力形状を開発した。

PUPA(ピューパ)8801では、航空/陸上輸送に対応するため、航空輸送では物流eVTOLとしての高い空力特性を、陸上輸送では標準パレット等の既存の陸送ユニットと共存する直方体に近い形状を求められる。

YHDは、陸上輸送などの物流ノウハウと、自社の物流電動垂直離着陸システムに対する研究・開発の成果から導出した条件に基づき、貨物ユニットのコンセプトモデルを企画。JAXAはこのコンセプトモデルに対し、流体解析ツール「FaSTAR」などの数値シミュレーション技術を用いた解析を実施し、航空技術の知見に基づいた検証と形状改善提案を行なった。約4カ月という短期間で、空陸両用のニーズを同時に満たす貨物ユニットの空力形状を開発し、成立性を実証したという。

YHDでは、今回の成果を踏まえ、「新たな空の輸送モード」の構築に向けたシステム開発を続け、2020年代前半までのサービス導入を目指す。