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KKRと楽天、西友株式の85%を取得。日本で意思決定し、OMO推進

楽天と、投資ファンドのKKR、米ウォルマートは16日、ウォルマートが保有する西友の株式について、KKRが過半数株式を、楽天の新設子会社が少数株式を取得することで合意した。KKRが西友の株式65%を取得、楽天は新会社を通じて20%を取得し、ウォルマートは西友株式15%を継続保有する。

西友は、新たな株主が加わると共に日本で意思決定ができるようになり、株主3社の強みを投入することで、オンラインとオフラインの垣根を越えた購買体験(OMO)を提供。「日本を代表するOMOリテーラーを目指す」としている。

具体的な施策は以下の通り。

  • デジタル・チャネル投資の加速化による、アプリを利用した買い物、決済、配達の実現・新たなキャッシュレス決済の導入
  • オンラインとオフライン(実店舗)を融合させたサービス体験の向上
  • 消費者のニーズを先取りしたエブリデー・ロー・プライス(毎日低価格)商品群の拡充

楽天とウォルマートは、戦略的提携のもと、楽天と西友の合弁会社を通じてネットスーパー事業「楽天西友ネットスーパー」を協働運営してきた。また、米国においても電子書籍サービス「楽天Kobo」の展開において協業している。

楽天は新会社「楽天DXソリューション(仮)」を設立し、出資。楽天が保有する1億以上の会員基盤やテクノロジーを活用して、小売業のDX推進を支援する。また、西友は引き続きウォルマートのベストプラクティス、グローバル調達網、プライス(価格)・リーダーシップと価値提供を可能にするスケールメリットを活用していく。

楽天DXソリューションは、実店舗のデジタル化やOMO施策導入などのデジタルトランスフォーメーション推進を支援するため、2021年1月に設立。AIによる需要予測を活用した在庫管理や価格設定の最適化、スマートフォンなどによる実店舗の“レジ無し決済”導入などを行なう。また、OMO施策として、オンラインとオフラインの購買データを融合し、ユーザーごとにパーソナライズされた情報を提供する。西友のほか、様々な事業パートナーとの提携を視野に入れており、東急も提携を検討しているという。

西友のリオネル・デスクリーCEOは移行期間中、引き続き西友の事業統括にあたり、その後はウォルマートにおいて新たな役割を担う。西友の新たな取締役会は、KKR、楽天、ウォルマート各社が選出する取締役で構成し、日本で意思決定ができる体制を実現。案件完了時を目途に新たなCEOを指名する予定。