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「奥京都 MaaS」は1日乗車券ではなく24時間乗車券。JR東と京阪

京阪ホールディングスとJR東日本は、京都の奥座敷と呼ばれるという大原・八瀬、鞍馬・貴船などの洛北エリアにて、Web型MaaS「奥京都 MaaS」の実証実験を10月27日から2021年1月31日まで実施する。

主な目的は、京都市内中心部の混雑緩和、地域観光消費額の増大と分散化、朝観光・夜観光の促進による観光時間帯の分散化の3つ。このために大原・八瀬、鞍馬・貴船などの洛北エリア内を周遊するモデルコース提案や、鉄道・バスの特典付き企画乗車券及び飲食チケットの販売、デジタルスタンプラリーを実施。洛北エリアでの周遊を促進する。

モデルコース提案は、カスタマイズ可能な行程管理機能を活用。洛北周遊促進を図る。

企画乗車券は、日単位の1日乗車券とは異なり、利用開始時から24時間または36時間乗降可能。これにより、新幹線などでJR京都駅に昼過ぎに到着する観光客の利便性を高めている。

企画乗車券のラインアップは、叡電&京都バスの3種およびオプション券1種の計4種。券種詳細と大人料金は、奥京都MaaS交通パスの叡山電車&京都バス/洛北地区/36時間が2,200円、叡山電車&京都バス/洛北地区/24時間が1,600円、叡山電車24時間が900円、オプション券(叡山ケーブル&ロープウェイ往復乗車券)が1,440円。こども料金はすべて半額。オプション券は、いずれかの奥京都MaaS交通パス購入者が対象。

券面イメージ

企画乗車券・飲食チケットともデジタルによる発券で、キャッシュレス販売を行なう。飲食チケットのサービス開始は11月2日予定。また、施設等で企画乗車券の提示による特典を用意する。デジタルスタンプラリーはQRコードを活用し、非接触で参加できる仕様となっている。

また、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、ドコモ・インサイトマーケティングの「モバイル空間統計人口マップ」と連携した観光マップを採用。京都市内の500mメッシュ単位の人口推計を確認できる機能を搭載しており、1時間毎に、直近1時間の人口推計データを表示する。

観光客は、観光情報と京都市内各エリアの混雑状況を1つの地図でタイムリーに把握可能。加えて、奥京都へのゲートウェイである出町柳駅周辺については、人口動態(前年比・時間帯別、男女・年齢別、市内・府内・府外の居住地別)をグラフでリアルタイムに確認できる。

画面イメージ

そのほか、JR東日本アプリと連携。同アプリで京都の主要な駅名を検索した際に、奥京都 MaaSを告知し、サービスを訴求する。

叡山電車の全編成にはGPS端末を設置。観光マップ上で、各編成が今どこを走っているかという位置情報をリアルタイムで提供する。

大原エリアではドコモ・バイクシェアとの連携により、シェアサイクル展開の可能性を検証。ドコモ・バイクシェア会員は大原エリアで電動アシスト自転車を利用できるほか、非会員に対しては1日券500円・2日券1,000円のプリペイドカードの販売を行なう。シェアサイクル展開予定日は10月31日から11月3日、12月5日から6日、12月12日から13日。

奥京都 MaaSの幹事社は京阪ホールディングスで、今回の実証実験では検索・手配・決済の3つの機能をオールインワンで提供するJR東日本の「モビリティ・リンケージ・プラットフォーム」をベースにサービスを構築している。