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首都高を跨いで浜松町駅直結「東京ポートシティ竹芝」開業
2020年9月10日 08:15
東急不動産と鹿島建設は、国家戦略特別区域計画の特定事業として共同開発した「東京ポートシティ竹芝」の基幹となるオフィスタワーを9月14日に開業する。首都高の上を高さ16m、長さ約500mにわたる歩行者デッキでJR浜松町駅と直結。ソフトバンク本社が移転するほか、商業エリア「竹芝グルメリウム」が開業。ソフトバンクと協力しながら竹芝エリアを中心としたスマートシティ構想を推進する。
東京ポートシティ竹芝は、今回開業するオフィスタワーと、住宅棟となるレジデンスタワーで構成。国際ビジネス拠点の創出を目的とした複合再開発が進められてきた。今回はオフィスタワーの開業に伴い、報道関係者向けの内覧会が行なわれた。
オフィスタワーにイベントスペースや「竹芝新八景」
オフィスタワーは地上40階地下2階。高さは約208m。そのうち、1階はシアター形式で最大500人を収容可能なイベントスペース「PORT HALL」、1から3階は21店舗の飲食店が入居する「竹芝グルメリウム」、6階はオフィスロビー、8階は、会員制シェアオフィス「Business Airport Takeshiba」などが設置される「CREATION PORT」、9から39階がオフィスフロアとなる。
また、2階から6階のテラス部分には、緑に囲まれた憩いの空間として「スキップテラス」を整備。生物多様性保全の取り組み「竹芝新八景」と、水と緑を感じながら働く「Green Work Style」を掲げる。竹芝新八景は、「空・蜂・水田・香・菜園・水・島・雨」の8つの景から構成。水田やハーブガーデン、菜園、ミツバチの巣箱などを整備し、都市における生物多様性の取り組みを発信。体験型の環境教育プログラムなども提供する。
首都高を跨いでJR浜松町駅とデッキで直結したスマートビル
オフィスタワーは、JR浜松町駅及び、ゆりかもめの竹芝駅と歩行者用通路「ポートデッキ」により接続。これによりJR浜松町駅から竹芝埠頭まで直通可能となった。従来、浜松町駅から竹芝埠頭に向かうには、交通量の多い海岸通りなどを横断する必要があったが、ポートデッキにより、首都高の上空を歩いて渡れるようになった。竹芝埠頭には羽田空港と直結する船便も就航しており、浜松町駅間と直結することで利便性を向上させる。
オフィスタワーは、1,300以上のカメラ・センサー類が張り巡らせた「スマートビル」とし、ビル内の情報を「TAKESHIBA Platform」に集約。リアルタイムデータとテクノロジーの活用により、ビル内施設の情報を一括管理できる。
具体的には、オフィス勤務者がアプリでエレベーターやタワー内飲食店舗の混雑状況や、空いているお勧めの時間帯なども知ることができるほか、トイレの混雑状況なども知ることができる。
オフィスのゴミ箱もセンサーが組み込まれ、リアルタイムでゴミ箱の利用率を把握可能。ゴミが一杯になりそうなゴミ箱を一括して把握し、効率良く回収できるため、ゴミが一杯なのに回収にきてくれない、ということが無くなる。
警備システムとしても活用。利用者の滞留情報や警備員の位置など、施設状況を可視化する。混雑具合をヒートマップ化できるほか、不審者検知、立ち入り禁止区域の監視などを効率化できる。
また、ソフトバンク本社が入居するオフィス入口には、日本コンピュータビジョンのAI温度検知・顔認証システム「SenseThunder-E」を設置。三菱電機のエレベーター行先予報システム「エレ・ナビ」と連携し、ストレスフリーな入館やフロア移動、混雑を避ける効率的なエレベーター運用を実現する。
飲食店を利用する来館者にも情報を提供。デジタルサイネージを使い、店舗空席情報をリアルタイム配信するほか、ゲリラ豪雨や電車の運転見合わせなど、気象・交通情報も提供する。
施設内には各種ロボットも配置。ヒューマノイドロボットが働く次世代型コンビニ「ローソン Model T 東京ポートシティ竹柴店」や、ドリンクなどを運ぶ給仕ロボット、掃除ロボット、警備ロボットなどが日常的に活動をする。
所在地は、東京都港区海岸一丁目20番9他。敷地面積は約12,156m2。延床面積は約182,052m2。鉄骨造、鉄骨造、一部鉄骨鉄筋コンクリート造。
竹芝地区は、7月に東京都から、都市OS等を活用したサービス実装先行実施エリアとして選定されており、隣接する再開発エリア「ウォーターズ竹芝」とともに、竹芝エリアを活性化し、東京の国際競争力強化の一環としていく。