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トラストバンク、自治体の災害復旧力強化を包括支援。水・衣料など平時から備え

トラストバンクは、自治体の災害時における「レジリエンス(災害復旧力)」強化を包括的に支援するサービス「トラストバンク レジリエンス パッケージ」の提供を開始した。

資金、水資源、医療、エネルギーをパッケージ化して提供。自治体の災害復旧を支援する。また、災害時だけでなく平時から使えるインフラを提案することで、自治体の導入ハードルを下げる。

トラストバンク レジリエンス パッケージで提供するのは、「災害支援寄付」「緊急医療支援」「水資源支援」「エネルギー支援」の4つ。このうち、災害支援寄付と緊急医療支援はベーシックプランとして無償提供、水資源支援、エネルギー支援はオプションプランとして有償提供となる。

災害支援寄付は、同社が運営するWebサイト「ふるさとチョイス」をベースとし、2014年から提供している災害支援寄付サイト「ふるさとチョイス 災害支援」を活用。全国の1,788自治体に無償開放しており、過去30件の災害で累計66億円超の寄付金を集めている。

ふるさとチョイスと同様のCMSで運用可能なため、既に同Webサイトを利用している87%の自治体は、普段、ふるさと納税の「お礼の品」を登録するのと同じ手順で寄付金の募集を登録でき、災害時でもスムーズに運用できるのがメリット。

緊急医療支援は、ふるさとチョイスにおけるクラウドファンディング型の仕組み「ガバメントクラウドファンディング」による資金確保と、実働部隊となる空飛ぶ捜索医療団「ARROWS」と共に提供。ARROWSは、大規模災害時に救助・救命活動を行なうための医療を軸とした災害緊急支援プロジェクト。災害発生時に救助・救命活動を行なうほか、医療・物資配布・避難所運営まで被災地が必要とする現地の医療支援を実施する。

また、平時には有償サービスも実施。医師の高齢化や後継者不足で医療体制の維持が難しくなった地域への医師派遣や、離島過疎地の巡回診察なども実施する。有事には無償提供。

水資源支援は、水処理装置の製造・開発を行なうWOTAと連携。AIを使った水処理を行なう「WOTA BOX」を有償で提供する。1台498万円。WOTA BOXは、使用済みの水の98%を再利用可能にするポータブル水再生処理プラント。排水ができない場所でも温水シャワー、入浴、手洗いなどが可能になり、衛生環境の向上や、被災者の精神的なケアにもつなげることができる。平時でも、水道施設が難しい地域で利用できる。

エネルギー支援は、同社の地域エネルギー事業を軸とし、災害時に独立運転が可能な「防災拠点向けの電力インフラ」を提供。太陽光パネルや、テスラの蓄電池「Powerwall」を防災拠点に有償で設置し、防災拠点や、避難所で必要な電力を供給する。平時には設置した防災拠点で自家発電し、学校など公共施設で利用したり、余剰電力を地域へ売電できる仕組みも構築。平時でも利用できるインフラとすることで、予算確保が難しい自治体の導入ハードルを下げる。

また、今後は、地域のレジリエンス強化につながるマイクログリッド事業についても、地域の要望に合わせ検討から運用までの支援が可能な体制を構築する。

代表取締役の川村憲一氏は会見で、「災害大国日本において、災害対応は全国の自治体に喫緊の課題だが、財政確保が難しい」とし、特に緊急時に必要なインフラの予算確保は優先順位が低いという。

同社は、平時でも使えるインフラを提供し、それを災害時に活用するメリットを強調することで、全国の自治体への展開を目指し、これにより日本全体のレジリエンスを強化していく他、今後も新たな自社サービスを開発・強化していくとしている。