ニュース

傘レンタルの「アイカサ」、超撥水傘に進化。独自アプリや新傘立て

傘のシェアリングサービス「アイカサ」を運営するNature Innovation Groupは、アイカサ用の自社アプリを5月25日にリリース。レンタルスポットの傘立てと傘をリニューアルする。

アイカサは、設置されたレンタルスポットの傘を借りられ、借りた場所とは別のレンタルスポットで返却可能な、傘のシェアリングサービス。利用料金は1日(24時間)70円で、6日目以降から月末までは420円で使い放題となるほか、月額280円の使い放題プランも用意している。

アイカサの利用にはこれまで、LINEで「アイカサ」と友達になり決済情報を登録するなど、LINEを活用していたが、アプリリリース後は、アプリ内で登録ができるようになるほか、アイカサスポットを探すことができる。また、区ごとの天気予報を活用し、雨が降りそうなときに事前に通知する機能を予定する。

傘を借りる際のフローも変更。これまでは傘の柄の部分のQRコードをスマホで読み取ることで、傘に備えられたダイヤルの暗証番号が表示され、ダイヤル操作でロックを解除して利用を開始する仕組みだった。アプリリリース後は、傘立てにスマホをかざしてBluetooth連携をするか、あるいは傘立てのQRコードを読み取るだけで傘が借りられるようになる。

アプリリリース、利用方法変更に伴い、傘立てと傘をアップデート。傘立てにロック機能を搭載するとともに、傘に備えられたロックダイヤルがなくなる。ダイヤルがないことによる紛失や盗難に備え、警視庁との連携により「アイカサ」の表示のある傘はすべて同社へ連絡されるようになっている。

傘のアップデートについては、サエラと協業。環境に配慮した設計とするほか、超撥水加工とするなど利便性を向上している。

環境への配慮については、通常は骨が1本でも折れてしまうと廃棄の対象となってしまうが、新しいアイカサの傘では骨1本から修復できるため、廃棄を減らせるとする。なお、骨の素材は強い風などに強いというグラスファイバーを採用。

利便性については、濡れても一振りで乾くよう超撥水加工を採用。またカフェのテーブルなどに立てかけている際に倒れてしまわないよう、持ち手の先端部分にゴムのストッパーを備えている。

そのほか、傘の先端部分が人に当たることによる事故を防ぐため、平面加工が施されている。

Nature Innovation Group 代表取締役 丸川照司氏によれば、日本全国で毎年8,000万本の傘が廃棄されているという。プラスチック総量にすると6,784トンで、年間1.6億本消費されるストローの総量96トンの約70倍であると説明。設置パートナーとともに傘の消費を削減を図り、環境負荷に対して取り組むとしている。

また、新しいアイカサを体験してもらうため、Makuakeにてクラウドファンディングを実施。支援者に対しては、家からもアイカサを使えるよう傘を届ける。

アイカサは、渋谷や上野など都内全域と福岡市など、スポット数約850カ所、登録ユーザー数は9万人超で展開している。

現在アイカサは、アプリリリースや新しい傘、傘立てへの切り替えのため、サービスを休止中。サービスの再開は、外出自粛要請が解かれる日に合わせたいとしており、現在のところ6月1日を予定。アプリのリリース日も変更される場合がある。