ニュース
凸版、生鮮品を紙トレイに真空パック。鮮度保全と脱プラを両立
2020年2月12日 13:38
凸版印刷は、食品を完全に密封・真空パックできる「スキンパック」の台紙を紙素材に置き換え、「脱プラスチック」に対応した新しいパッケージシステム「グリーンフラット」の販売を開始する。
スキンパックは、商品と台紙の間をすき間なく熱で圧着することで、完全に密封・真空パックにできる包装形態。完全密封のため、食品保存時に食品から出る水分である「ドリップ」が抑制され、食品の鮮度保持・賞味期限を延長する。
グリーンフラットでは、スキンパックで使用されている発泡スチロールトレイなどのプラスチックトレイを、凸版印刷が保有するGLフィルムを使用した「紙素材」に置き換えることで、食品の鮮度保持をしながら環境負荷を低減する。
凸版印刷が培ってきた紙製パッケージの技術を最大限に活用。スキンパックで主流だった発泡スチロールトレイの機能を損なうことなく、専用トレイを紙素材にすることで、プラスチックの使用量を削減。紙素材については、森林認証紙を使用可能。専用紙トレイはフラット形状を採用し、調理時はトレイをそのまま「まな板」として使えるため、調理作業を簡便化できる。
専用紙トレイは、内容物との接触面に、凸版印刷が独自開発した透明バリアフィルム「GL FILM」をラミネート。バリア機能を付与することで、内容物を圧着させるバリアフィルムとの組み合わせにより、外気の酸素・水分から内容物を保護できるため、従来の発砲スチロールトレイと比較して、内容物の鮮度を保てるという。
デザイン性を活かした新しい製品パッケージングやプロモーションも可能。ドリップを抑える特徴から、精肉・鮮魚などの生鮮品では難しかった、壁に立てたり、吊るしたりする「新しい店頭陳列」ができる。
トレイ両面に高品質な印刷ができるため、製品の魅力をビジュアルに訴求するなど、店頭でのプロモーション強化が可能としている。また、専用紙トレイにQRコードを印刷し、QRコード読み取りによる情報提供、Webプロモーションの展開など、店頭・Web連動型プロモーションを展開できる。
GL FILMを使用した「バリアタイプ」と、バリア機能を省いた「ノンバリアタイプ」の2つのタイプを用意し、バリア機能が必要ではない化粧品・トイレタリー関係などでも、製品特性に応じて対応する。
凸版印刷は、グリーンフラットシステムとして、グリーンフラット専用紙トレイ、スキンパック充填システム、スキンパックフィルム、システム導入コンサルティングサービスを提供。2月よりサンプル提供を実施し、12月より本格販売を目指す。