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透明ピラーや強化ガラスなど「真空断熱ガラス」強化。パナソニック
2019年12月12日 14:50
パナソニック ライフソリューションズ社は、強化ガラス仕様の真空断熱ガラスと、業界初の透明ピラー仕様の真空断熱ガラスを開発した。真空断熱ガラスの新ブランド「Glavenir」として、2020年上期から順次発売する。
一般的な窓ガラスなどに用いられる「フロートガラス」仕様に加え、強化ガラス仕様の真空断熱ガラスを開発し、2020年度上期に発売。真空断熱ガラスは、2枚のガラスを高温で溶かした封着材で溶着するが、一般的に強化ガラスは高温で加熱すると強度が低下してしまう。新開発の「超低温封着材」により、強化ガラスの強度が低下しない温度帯での溶着を実現。強化ガラス仕様の真空断熱ガラスを実現する。
強化ガラス仕様の真空断熱ガラスは、自動ドアや冷蔵・冷凍ショーケース、公共施設、オフィスビルの窓などでの利用を想定している。
また、真空層を支える柱(ピラー)が透明な真空断熱ガラスの実用化に業界で初めて成功し、2020年度内に発売する。ピラーには強い圧力かかるため、通常金属などの高強度で不透明な材料が使われる。パナソニックは、「高強度断熱透明素材」を開発し、ピラーが透明な真空断熱ガラスを実現。高断熱でありながら、従来以上にピラーの存在感を抑えたノイズのない視界を得られるという。冷蔵・冷凍ショーケースやワインセラー、展示用ショーケース、水槽などでの利用を見込む。
これらの真空断熱ガラスの名称を「Glavenir(グラベニール)」とし、パナソニック真空断熱ガラスの認知拡大を進めていく。
パナソニックは、プラズマディスプレイパネルの開発・製造技術を応用し、2017年に真空断熱ガラス事業に参入。約6mmの薄さで業界最高クラスの断熱性能の真空断熱ガラスを製造し、子会社の冷凍・冷蔵ショーケースメーカー「ハスマン」のコンビニ・スーパー向け冷蔵用自動ドアなどに導入してきた。'19年4月には、AGCと共同で、欧州の住宅市場向けに生産を開始し、窓ガラスの改修などの用途で展開している。
2020年1月にラスベガスで開催される「CES 2020」のSANDS EXPO会場内ブースで、開発中の透明ディスプレイと組み合わせ、映像の表示が可能な真空断熱ガラスを参考展示する。