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三越伊勢丹のスマホ採寸オーダーを試す。全身正面と側面を撮るだけ

三越伊勢丹は、オンライン上で完結する紳士服のカスタムオーダーサービス「Hi TAILOR」を、10月に開始。スマホで全身の写真を撮るだけで採寸できるこのサービスを試すとともに、サービスの狙いについて話を聞いた。

Hi TAILORは、三越伊勢丹が新事業として開始した紳士服カスタムオーダーサービス。開始時点ではオーダーシャツのみの取り扱いだが、2020年春には上下セットアップのスーツの取り扱いを開始する。オーダーシャツの価格は8,900円、スーツは45,000円(中心価格帯)。

Hi TAILOR

特徴はオンラインのみでカスタムオーダーが可能な点で、通常来店等が必要な採寸には、スマホを使用する自動採寸を採用。計測技術はTOZI社(中国広東省深圳市)の「1 measure(ワン・メジャー)」を採用し、三越伊勢丹の過去のオーダーデータを仮説検証のチェックに活用したチューニングを行なっているという。

シャツのオーダーの流れは、柄も含めた生地の選択を行なった後、長袖/半袖や、衿、カフス、前立などを好みのデザインから選ぶ。カートに入れた後、身長・体重といった情報の入力から採寸へ進む。なお初めての利用の場合は会員登録が必要。

素材を選択。カラーや柄などもここで選ぶ
衿、カフスなどのデザインの選択可能

採寸は着衣のままで可能だが、首、手首、足首が出るような、なるべく体にフィットした服を着用。シャツをパンツにインして、パンツはしっかり腰まで上げる。また部屋は明るく、背景は凹凸のない壁とし、壁白い壁に白いTシャツなど壁と着ている服の色が似ないようにするという注意事項がある。

撮影には、「自分で撮影する」と「協力者に撮影してもらう」から選択可能。協力者による撮影の場合、採寸する人は画面に表示される指示に従いポーズを取り、協力者が通常のスマホでの撮り方で撮影する。

自分で撮影する場合は、初期設定ではインカメラになり、スマホを立てて、画面を見ながら撮影できる設定になる。撮影時は、10秒前から画面上でカウントダウンが開始され、その間に画面を見ながらポーズを整えて撮影する。

今回は協力者による撮影を試す。正面と側面を撮影するのだが、側面の際は手のひらがカメラに向くようにひねるというところがポイントのよう。

撮影終了後には、採寸結果の速報値を確認できる。採寸が済んだら注文の確定に進む。採寸後にフィット感や、首周り、裄丈、腕(手首)部分の調整も可能。採寸結果は、購入後2営業日以内に調整された数値の表示となる。オーダーしたシャツは、注文後約3週間で届くという。

速報値(左)と調整後の数値(右)
採寸後の調整画面

三越伊勢丹ブランドの品質を保ちながら最大限コスト削減

Hi TAILORのコンセプトは「良質な1着を、手軽に」。オンライン完結のオーダーサービスの採用によって、良質な服をシンプルな方法で届けることを狙う。

デザインは、シャツブランドのディレクターであるファビオ・ボレッリ氏が監修。衿型や芯地・ボタン、仕立てなど細部にこだわるとともに、縫製はオーダーシャツ専門工場のフレックスジャパン長野本社工場で実施しているという。

ファストファッションブランドが数多くある中では、8,900円という価格は決して安くはないが、三越伊勢丹ブランドとしての品質を保ちながら、オンラインで完結する無店舗型のサービスとすることによりコストを削減。品質も含めたコストパフォーマンスは高いと強調する。

メインターゲットは20代後半から30代後半の男性ビジネスマン。その中でも、効率やコストパフォーマンスを重視し、時間の価値を大切にしている人に届けたいと説明した。

また、Hi TAILORでは、カスタマイズしたシャツについてプロのスタイリストに相談できる「STYLIST REVIEW」を用意。どんなシーンで着用するのが良いか、自分のイメージしている雰囲気に近いものになっているかなどを質問できる。なお相談に対する返答は、数日要する場合がある。

ちなみに今回は採寸を試すだけではなく、実際にシャツをオーダーしている。既製品のシャツしか買ったことがない筆者としては、どんな着心地のシャツが届くのか、3週間後が楽しみだ。と言いたい所だが、仕事ということもあり、会員登録で会社の住所を登録してしまった。3週間後は年末年始で休業中。2020年までお預けだ。