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スイーツや駅弁も売れる「ウルトラ自販機」。優しい搬出で型崩れナシ

ウルトラ自販機。手前がスイーツ、奥が駅弁

JR東日本スタートアップは、4社のベンチャー企業が参加する「STARTUP_STATION」を、JR大宮駅西口イベントスペースにて12月4日から9日まで実施。実用化に向けた実証実験を行なう新しい事業を、一般利用客でも無料で体験できるイベントとなっている。ここでは、V-SYNC(ブイシンク)の「ウルトラ自販機」を紹介する。

ウルトラ自販機は、賞味期限の管理と、商品に衝撃を与えない仕組みにより、スイーツや駅弁などの販売を可能とした自動販売機。STARTUP_STATIONで展開しているウルトラ自販機のうち、スイーツを販売しているものが新型で、賞味期限の管理機能を搭載している。

新型のウルトラ自販機は遠隔で賞味期限の管理ができ、賞味期限になると通知されて、その時点で売り切れにできる点が特徴。

温度管理に関しては、通常のドリンクの自動販売機の場合は収められている一部の商品を冷やす、あるいは温めているが、ウルトラ自販機の場合は旧型を含め、販売機内全体を温度管理し、鮮度を保っているという。

商品搬出時に、商品に衝撃を与えないような設計になっていることも特徴。商品を選ぶと取り出し口部分のトレーが該当商品の高さへ移動し、商品がトレーの上に載せられる。その後、トレーが取り出し口に戻り、購入者が商品を取り出せるようになる。

スイーツを販売するウルトラ自販機の内部。下部にある銀色の箱状のものが商品を運ぶトレー
商品がトレーに載せられ取り出し口に

壊れやすいものを取り扱い、商品を“取りに行く”タイプの自動販売機として、ビン牛乳の販売機がある。これとの違いを聞いてみると、最後のガタンという衝撃すらない点と、取り扱う商品のサイズや形の融通が利く点を挙げた。

新型は、商品の詳細説明の表示も可能。また新旧ともに、英語、中国語、韓国語での表示も可能となっている。

商品の詳細説明表示
表示言語の変更も可能

新型と旧型の違いとしてはそのほか、新型は商品を収める棚の高さを、段ごとに変えられる点がある。これにより、より幅広い商品に対応する。

旧型の内部

ウルトラ自販機導入のメリットは、販売員を必要としないことによる営業時間の拡大や省スペースでの営業展開が可能であること。新型はSTARTUP_STATIONが初お披露目、旧型は2018年6月より展開しており、おもちゃや雑貨などを取り扱う自動販売機としても活用されているという。

新型の展開は2020年春以降を予定しており、まずはJR東日本駅構内から拡大し、その他の場所への展開も目指す。

なお、JR東日本スタートアップはベンチャー企業などから駅や鉄道、グループ事業の経営資源や情報資産を活用したビジネス・サービスの提案をオープンに募り、ブラッシュアップを経て提案を実現していく「JR東日本スタートアッププログラム」を実施。今年は3回目で、262件の提案から21件を採択し、STARTUP_STATIONでは、4件の協業内容が体験できる。

体験できるのは、ウルトラ自販機のほか、無人ロボットパスタカフェ、瞬間凍結新技術を活用した地域鮮魚の販売、AI味覚判定を活用した日本酒レコメンドサービス。時間は11時から18時。