JR西のMaaS「setowa」、瀬戸内の行きたい観光地を基準に行程作成

JR西日本は、瀬戸内エリアへの観光誘客拡大に向け、「観光型MaaS」の実証実験を10月1日より実施する。出発地から目的地までの新幹線をはじめとする鉄道、現地での船舶、バス、タクシー、レンタサイクル、カーシェアリングなどの交通機関や地域の観光素材を、スマホなどでシームレスに検索・予約・決済できる統合型サービスを展開する。

setowaアプリアイコン(左上)と実施エリア(到着エリア)

専用アプリ「setowa(セトワ)」を9月17日に提供開始。アプリには、行程作成(スケジューラー)機能、出発から目的地までの鉄道や、現地での二次アクセスの予約・決済機能、デジタルフリーパス、デジタルチケットなどを搭載する。

実施エリアは、出発エリアが日本国内全域、到着エリアが広島県呉市(大崎下島)、竹原市、三原市、尾道市、福山市、大崎上島町および愛媛県今治市(大三島)。実施期間は、せとうち広島デスティネーションキャンペーンに合わせ、10月1日から2020年3月31日まで。

参画団体は、ジョルダン、JapanTaxi、電脳交通、タイムズ24、JR西日本レンタカー＆リース、しまなみジャパン、ぐるなび、ジェイアール西日本フードサービスネット、日本旅行、瀬戸内海汽船など。広島県と、せとうち観光推進機構が協力する。

行程作成(スケジューラー)機能では、出発地と到着地、日時・時刻を選択し、現地の観光スポット等の立ち寄り地を登録すると、その間のすべてのルートを検索して表示。立ち寄り地は、現地の観光施設、イベント情報、クルーズ・観光列車、飲食店、宿泊施設情報が複数選択できる。

ルート表示された利用交通機関はタクシー、レンタカー、レンタサイクル、カーシェアリング等の任意の交通機関に変更可能で、立ち寄り地の順番も自由に組み替え可能。作成した行程は保存できるため、旅行前の旅行の組み立てに加えて、旅行中での変更も可能としている。

出発地から目的地までの鉄道は、JR西日本インターネット予約サービス「e5489」(いいごよやく)へのリンク連携により予約・決済できる(出発地がJR西日本、東海、四国、九州エリアの各駅に限る)。

現地の二次アクセスでは、JapanTaxiアプリや電脳交通の現地タクシー会社への誘導によるタクシー配車や、タイムズカーシェアWebサイトへの誘導で、福山駅、松永駅、尾道駅、新尾道駅、三原駅、本郷駅付近のタイムズ24のカーシェアリングの予約・決済が可能。JR西日本レンタカー＆リースとのリンク連携により、福山駅、新尾道駅、三原駅の駅レンタカー予約、レンタサイクル予約(しまなみジャパン)、JR駅レンタカー竹原営業所からの1人乗りEV等の予約もできる。

エリア内の宿泊施設には、日本旅行とのリンク連携で予約・決済が可能。ぐるなびとの連携で飲食店情報の検索や一部店舗の予約ができる。山陽新幹線沿線の駅弁も予約可能で、指定席までパーサーが届ける。

デジタルフリーパス(setowa デジタルフリーパス)は、自由周遊区間内のJR(普通列車普通車自由席)や指定の路線バス、船舶、ロープウェイなどの乗り放題に加え、現地の観光施設(2施設)入館券をセットで販売。価格は、おとなが3,000円(税込)、こどもが1,500円(同)。

setowaアプリ上で予約・決済でき、乗車・入館時は、setowaアプリの提示により利用できる。有効期間は2日間で、利用前に有効化が必要。発売期間は10月1日から2020年3月31日(利用は4月1日まで)。

デジタルチケットでは、クルーズ船や観光タクシー、竹細工体験やたけはら町並み周遊券など、地元と連携し整備した瀬戸内エリアの観光コンテンツをsetowaアプリ上で予約・決済できる。利用時は、setowaアプリの提示で利用できる。

また、エリア内の対象商業施設でsetowaアプリ画面を提示すると、特典が受けられるほか、、対象の引換場所でsetowaアプリ画面を提示すると、現地の参画施設で特典が受けられる「DISCOVER WEST パスポート」に引き換えられる。