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楽天、完全キャッシュレスや顔認証でペイ。横浜で「Rakuten Optimism」
2019年8月1日 08:00
楽天が自社のサービスを紹介するイベント「Rakuten Optimism 2019」を、パシフィコ横浜で7月31日から8月3日まで開催する。楽天の代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏をはじめとするビジネスカンファレンスやライブパフォーマンスに加え、同社のサービスを集めた体験型イベントも同時開催し、遊びに行くだけでも楽しめる催しとなっている。
楽天が目指す「完全キャッシュレス」。自社技術の顔認証も
体験型イベントには、次世代通信の5Gを紹介する「近未来体験エリア」に加え、楽天市場で人気のグルメやスイーツの屋台が登場する「うまいもの&いいもの祭り」などが用意されている。普段はお取り寄せとなるグルメを、その場で購入して楽しめるのが嬉しいところ。
キャッシュレスを推進する同社らしく、「完全キャッシュレス」を実現しているのも特徴。決済には現金が使えず、支払い方法は楽天EdyやSuicaなどの電子マネー、クレジットカード、コード決済の楽天ペイ(アプリ決済)など。QRコード決済を除けば、一般的なキャッシュレス決済手段はおおむね使用できる。
その場で楽天Edyカードの購入やチャージもできるほか、キャッシュレスサポートデスクも設けられているため、迷うことはないだろう。子供連れも見かけたが、例えば一定金額を入れたEdyカードを子供に渡して、キャッシュレス決済を体験してもらう、といったこともできそうだ。
こうした屋台では現金の扱いが難しい面もある。特に昼食時は行列も長くなるが、完全キャッシュレスにしたため、支払い列の解消は意外に早い。決済手数料などの課題はあるが、屋台でのキャッシュレス決済の可能性を感じさせる。
なお、会場内の対象店舗では、楽天ペイを使用して支払うと55%の楽天ポイントが還元(1人1,000ポイントまで)されるキャンペーンも実施されている。
それに加えて、楽天ペイが開発する新たな決済手段のデモも実施されていた。一つが顔認証による決済。スマートフォンの自撮りで顔を登録し、レジとなるタブレットの前に立って支払いボタンをタッチすると、登録した顔と認証を行ない決済する、というもの。
顔認証技術は、先端技術を開発する楽天技術研究所が開発しているもので、99.6%の認識率を実現しているという。デモでは、スマートフォンとタブレットをBluetoothで接続することで外部からのアクセスを防いでいた。顔登録時にPINの設定も行なわれ、仮に顔が似た人と区別できなかった場合にPIN入力を求めて識別する、といった工夫も盛り込まれていた。
顔の登録は、特徴点のみをアップロードする形で、顔写真自体は登録しない。そうしたプライバシーや個人情報の保護にも注意して設計しているそうだ。
現時点では、「何社かと話し合いをしている」(ブース説明員)という状況で、今後の話し合い次第では早期の実装とサービス展開という可能性もありえるようだ。
楽天ペイも「モバイルオーダー」へ
同様に、「モバイルオーダー」もデモ展示。アプリでブース内のQRコードを読み込み、表示されたドリンクメニューから飲み物を選択。支払いを行なうと「引取りキーワード」が表示され、しばらくすると注文したドリンクが用意される、というもの。実際の利用では、店舗内であればレジを通さずに注文から支払い、受け取りまでできる。
デモのようにテーブルのQRコードを読み取る方式だと、テーブル番号も把握できるので、そのまま配膳まで行なわれる。現在、牛丼チェーンのすき家が同様のサービスを提供している。
もう一つの使い方としては、店に行く前にメニューを見て注文を選び、訪問する時間を指定すれば、その時間に合わせて店側が注文されたものを用意して、レジを通らずにそのまま受け取ることができる。コーヒーチェーンのスターバックスコーヒーが提供しているものと同じような仕組みだ。
レジや注文の待ち時間を最小限にできる仕組みとして、特に回転率の高い飲食店で有効な仕組みだろう。
楽天では、決済時のUIは楽天ペイアプリのUIで統一する戦略を示しており、例えばコーヒーチェーンが採用した場合も、自社アプリからこのモバイルオーダーアプリを呼び出して注文する、といった使い方を想定しているようだ。
こちらもすでに数社と話し合いをしているそうで、話し合いによっては早期にサービスが提供される可能性もあるという。
楽天はクレジットカードの楽天カード、電子マネーの楽天Edy、コード決済の楽天ペイ、共通ポイントの楽天ポイントと、幅広い決済手段で国内トップクラスの会員数を抱えている。新たな決済手法として顔認証やモバイルオーダーも追加して、キャッシュレスをさらに推進していく。