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モバイル決済を使う理由は「財布の中身を減らせる」。博報堂調査

博報堂は、「モバイル決済サービス」をテーマに実施した、意識・利用実態についての調査結果を発表した。生活者の約2割がQRコード決済を中心にモバイル決済サービスを利用。利用理由は決済の簡略化と、現金を持ち歩かず、財布の中身を減らしたい“ミニマムウォレット化”を求めているという結果になった。

モバイル決済サービスの利用状況

調査期間は、スクリーニング調査が2月28日から3月4日、本調査が3月1日から2日。調査手法はインターネットパネルを利用した定量調査。調査対象者は20歳から69歳の男女。調査対象者数はスクリーニング調査が20,000サンプル、本調査が3,120サンプル。

1カ月以内にモバイル決済サービスを利用したと答えた生活者は20.0%にのぼり、サービス種別でみると、QRコード決済(9.0%)、キャリア決済(7.5%)、スマホ等に設定したクレジットカード(4.9%)の順で利用率が高くなっている。

エリア別のモバイル決済サービス全体の利用率は、首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)が21.8%、首都圏以外が19.3%で大きな差はない一方、「スマホ等に設定した交通系ICカード」の利用率は首都圏(8.1%)と首都圏以外(2.8%)で約5.3ポイントの差があり、利用されているサービスに違いがあることが判明した。

利用理由は、「支払いが簡単にできるから」(59.9%)、「レジでの決済が早く済むから」(55.9%)と、“決済の簡便化”に関する項目がTOP2。

「現金を持ち歩かなくてもよいから」(44.9%)、「小銭やポイントカードなど、財布の中身を減らせるから」(38.3%)、「よく利用する店舗で利用できるから」(30.9%)など、普段の買い物に現金を持ち歩かず、財布の中身も減らしたいという“ミニマムウォレット化”に関する項目も上位となった。

利用している理由

利用者の男女比は、やや男性比率が高く55.6%。年代別では、男性40代(14.3%)、男性30代(13.7%)、女性30代(11.6%)の順で構成比が高くなっている。

性年代別

世帯年収では、400万円から600万円未満の構成比が最も高く19.9%を占めるが、全体と比較すると600万円以上の比率が高い。

世帯年収別

利用頻度では、1日に1回以上利用する層が18.6%、平均すると週3.3回程度利用されている。エリア別に比較すると、首都圏の平均週4.5回程度に対し、首都圏以外では週2.8回程度。首都圏の方が利用頻度が高いことがわかった。

利用頻度

モバイル決済サービスを利用する際の決済額について、博報堂はPSM分析(商品・サービスの適正価格帯を算出する分析手法)を実施。安すぎず、高すぎない最も受け入れられやすい理想価格は1,413円、高すぎると感じずに利用できる上限価格は9,942円、安すぎて利用しづらい下限価格は111円という結果となった。

決済額についてのPSM分析