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新幹線で鮮魚輸送。佐渡の朝獲れ甘エビを夕方には品川で販売
2019年6月12日 08:00
JR東日本スタートアップと水産物の卸・小売を手掛けるフーディソンは、新幹線物流を活用した鮮魚輸送の実証実験を開始。初日に実証実験に関する報道公開を実施した。販売されるのは佐渡の甘エビと、三陸沿岸の塩水加工した生ウニ。6月11日、13日、14日、18日、20日、21日の6回実施する。
販売は、品川駅構内の鮮魚店「sakana bacca エキュート品川店」。「ネットでエキナカ」特設ページで予約することで、sakana bacca エキュート品川店の店頭で受け取れる。予約は受取可能日の前日のみ可能。店頭注文もできるとしている。
朝に産地を出発した海産物はその日の16時頃、店舗に到着予定。価格は、甘エビが200gの袋入り1,600円(税込)、生ウニが160gの瓶入り3,600円(税込)。
鮮魚を小売で新幹線で輸送するのは今回が初めて。甘エビは新潟県佐渡市で獲れたものを佐渡汽船、上越新幹線で東京まで輸送。生ウニは岩手県宮古市で獲れたものを岩手県北バス、東北新幹線で輸送する。生ウニは現地で塩水加工している。ともに東京駅から品川駅まではトラックを使用。
フーディソン 代表取締役 山本徹氏は「鮮魚で一番重要なのは鮮度。特に甘エビは鮮度劣化があるので、一般に小売で流通しているものは一度冷凍をしてから解凍しているものが多い。品川・東京にいながら産地で味わうような味を楽しめる」と説明。
JR東日本スタートアップ 代表取締役社長 柴田裕氏は、エキナカで売れるという優位性を強調した上で、「佐渡の方には厳しい目で、佐渡と同じ鮮度を実現できているかを見てほしい」と話した。
積み込む場所は、新幹線の車内販売業務用スペース。新幹線の車内販売が縮小されているが、これとスペース利用は関連していないという。上越・東北新幹線の終点である東京ではなく、品川で販売している理由は、販売を行なうsakana baccaが品川にあるため。
現在の課題は、荷物を積み込むための時間の短さにあり、運べる量には上限があるという。一定のニーズがあることがわかれば、より多くの鮮魚を運べるよう検討するとした。
実証実験は、JR東日本リテールネット、ジェイアール東日本物流の協力を得て実施。JR東日本グループは、実証実験を踏まえ、鉄道会社ならではの新たな流通サービスを実現していくとしている。