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「LINEスターバックスカード」開始。LINE上で決済まで完了、LINE Pay全店舗導入
2019年4月8日 11:42
スターバックス コーヒー ジャパンとLINEは、LINEアプリ上でスターバックスの会員プログラム利用や決済が行なえる「LINEスターバックスカード」を4月8日から開始した。また、店舗におけるLINE Payの導入やスタバのLINE公式アカウントの導入など、デジタルコミュニケーションにおいて連携する。
両社は2018年12月に、デジタル領域におけるイノベーションの加速化を目的とし、包括的な業務提携を締結。その第1弾が今回の取り組みで、「コミュニケーション」と「キャッシュレス」の2つの軸で協力していく。
LINE上でスターバックスカードを実現
1つめは、プリペイドカードの機能と、スタバのロイヤリティプログラム「Starbucks Rewards」を、LINEプラットフォーム上で「LINEスターバックスカード」として提供する。
国内では2002年からプリペイドカード「スターバックスカード」が提供され、キャッシュレス支払いを可能としていたが、今回の提携により、LINEアプリ上で、リワードプログラムとプリペイドカードの機能を持つ、「LINEスターバックスカード」が利用可能になる。
カードは、LINEキャラクターがデザインされたスペシャル仕様で、機能面ではLINE上から利用できるバーチャルカードとなる、通常のスターバックス カードと同様に店頭でキャッシュレス支払いが行なえる。加えて、スターバックスの提供するロイヤルティ プログラム「Starbucks Rewards(スターバックス リワード)」に参加できる。LINEスターバックスカードへの入金はLINE Payを利用する。
LINEスターバックスカードは、LINEウォレットの「マイカード」からタップのみで新規発行できる。カード発行時にStarbucks Rewardsのメンバー(準会員)となり、Starを集められる。集めたStarは、コーヒーやフード、コーヒー豆などに引き換えられるが、この引き換えはLINE上からは行なえず、My Starbucksへの会員登録が必要となる。そのためLINE上では“準会員”という扱いとなる。
LINEスターバックスカードは、LINEのマイカードで初のプリペイド機能採用となる。残高のチャージはLINE Payから行なえるほか、店頭で現金もしくはクレジットカードからのチャージも可能。
スターバックスでは、7,900万のMAU(月間アクティブユーザー)を持つLINEから、Rewardsプログラムや決済手段への簡単なアクセスを提供することで、顧客基盤の拡大を目指す。
現在のリワードプログラムの会員数は330万人だが、「ITリテラシーの高い人やスターバックスとの接触機会の多い人以外では、少しハードルが高いと感じられる方もいる。そうした方により簡単に、身近に使ってほしい」(スターバックス コーヒー ジャパン 水口 貴文CEO)とする。
LINE Pay全店舗対応へ
また、スターバックスのLINE公式アカウントも4月8日から開設。新商品や季節のおすすめ情報などをLINEで配信し、ユーザーに合わせたメニュー提案や限定商品、イベント招待などの1to1コミュニケーションを実現するという。
さらに、今後はお気に入りの一杯を探せる「カスタマイズ」機能や、メニューに迷った際におすすめ商品に出会える機能などを提供予定。
店舗へのLINE Pay端末導入も進める。現在は10店舗だが、全店舗での導入を予定。POSの更新にあわせて、順次対応を進め、2020年度夏過ぎの対応完了を見込んでいる。
両社共通の“価値観”。キャッシュレス比率を1/3からさらに拡大へ
スターバックス コーヒー ジャパンの水口 貴文CEOは、スターバックスカードやアプリなどのこれまでの展開を紹介しながら、「ぬくもりのあるデジタル体験」を目指してきたことを紹介。デリバリー(宅配)でもメッセージを加えたり、人のつながり、コミュニケーションを生むデジタル対応を目指してきたという。
LINEとの提携についても、「企業同士の価値観が合うことが重要。ぬくもりあるデジタルコミュニケーションという価値感が共通している」と語り、LINEの顧客基盤を使って、多くの利用者獲得を目指す。「現時点でもキャッシュレス比率は1/3を大きく超えているが、今回の取り組みで、これをどこまで伸ばしていけるかが鍵」と語った。
LINEの出澤 剛社長は、2015年からLINEの友だちにコーヒーをプレゼントできる「LINEギフト」などで協力してきたことを紹介。LINEトーク画面上でプレゼントできる「気軽さ」を、さらに進めた取り組みとして、「LINEスターバックスカード」を紹介し、「決済もコミュニケーション。最高のお客様体験をLINEで提供したい」と語った。
スターバックス コーヒー ジャパンの濱野 努 デジタル戦略本部長は、アプリの起動時にもコーヒーを注ぐようなアイコンを表示するなど、LINE×スタバならではの体験の工夫を施したことや、LINEアカウントを使った「バリスタと接しているような」コミュニケーションを目指す姿勢を強調。
また、今回の取り組みではLINEのプラットフォーム上で、決済やコミュニケーション機能などを提供するが、会員データはスターバックスが管理できる。そのため、ユーザー一人ひとりに適したコミュニケーションを実現できるという。