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凸版印刷と長谷寺が日本最大級の掛軸をデジタルアーカイブ
2019年3月13日 12:15
凸版印刷と総本山長谷寺(奈良県桜井市)は、長谷寺が所蔵する1,646.6cm×622.6cm(縦×横)、重さ125.5kgで日本最大級の掛軸「長谷寺大観音大画軸」のデジタルアーカイブを実施した。
長谷寺大観音大画軸は、1495年(明応4年)に罹災したご本尊を復興再建するため設計図として作られたと伝えられている。1538年(天文7年)に造立された、現在の長谷寺本尊「十一面観世音菩薩立像」(像高1,018cm)とほぼ同じ大きさに描かれているという。
大型のスキャナを用いて大画軸のデジタルアーカイブを実施。その大きさから、従来の手法ではデータの取得が困難なため、大画軸にあわせてスキャナを設計。
取得したデータを用いて、大観音を原寸大で鑑賞できる映像コンテンツを制作。これにより、従来では難しかった長谷寺以外での大画軸の出開帳(寺社がもつ神仏を自らの寺社以外で拝観できること)が可能になった。
映像コンテンツは、3月13日に長谷寺と真言宗豊山派宗務所(東京都文京区)など4カ所で開催される「大観音大画軸」出開帳にて活用される。
凸版印刷では、これまでに国宝「鑑真和上坐像」(唐招提寺所蔵)、国宝「檜図屛風」(東京国立博物館所蔵)など、国内外の貴重な文化財のデジタルアーカイブに取り組んでいる。また、国宝「洛中洛外図屛風」(東京国立博物館所蔵)や重要文化財「東征伝絵巻」(唐招提寺所蔵)などの高品位複製やVR作品の製作など、デジタルアーカイブデータの活用を図る。