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ECプラットフォーム「Shopify」が日本展開強化。顧客とつながるECへ

ネットショップ開設をサポートするクラウドベースプラットフォーム「Shopify」は、日本展開1周年にあたり事業戦略を説明した。国内での事業拡大や「あと払い」機能の追加などの施策を紹介した。

Shopify Japanカントリーマネージャーのマーク・ワング氏

Shopifyは、ネットショップの開設や運営のためのプラットフォーム。個人規模からフォーチュン500企業などの大企業まで、幅広く対応でき、Shopifyおよび関連アプリを組み合わせることで、プロモーションから注文管理、配送まで含めたネットショップ構築が行なえる。

アプリ追加による機能拡張や、購入状況分析やマーケティング支援などを一括して行なえる点が特徴。2006年にカナダで創業し、175カ国、82万以上の店舗で採用され、累計の流通額は1,000億ドルを超えている。

Shopify Japanカントリーマネージャーのマーク・ワング氏は、「最速で売上10億ドルを超えたSaaS企業」と、その急成長を紹介。注力するマーケットを、日本、フランス、ドイツとし、日本での事業拡大を推進していく。日本市場の導入店舗数や売上規模は非公開だが、2017年比で店舗数は300%に、'18年における店舗流通額の成長率は100%を超えたという。

なお、Shopifyを積極的に導入している日本の業界は「アパレル-ファッション」とのこと。

2018年には要望が多かったというキャリア決済や、Shopify Payments(クレジットカード)決済の導入に対応。さらに、Instagram上での商品購入や、Instagram ストーリーズからの購入も可能になった。

2018年の施策
Instagramでの商品購入に対応

さらに、iOSのSafari限定となるがARショッピング機能も導入した。対応の店舗は限られるが、AR対応の製品を選んで、Safari上でARの3Dモデルの製品が表示できる機能。例えば、自転車を買いたいときにディテールを確認したり、部屋のサイズに対して、家具が設置可能かどうかを確認する、といった活用を想定している。

ARショッピング。自転車を選び、iPadのカメラで周囲の情報を取得すると……
その場に、原寸大の自転車が現れる。利用者が自宅での家具設置可否などを判断でき、購入での返品減などが見込めるという

また現在強化しているのがマーケティングキャンペーン。ShopfiyはAI投資にも積極的で、販売データなどをもとに今後の販促策を提案する。「ギフトセットのオンライン注文が15%増加している。ホワイトデーのキャンペーンとしてGoogleショッピングの広告で3,000円支払ってはいかがでしょう?」とネット運営者に、これから打つべきキャンペーンなどを教えてくれるという。

決済については、「あと払い」の早期の対応を予定。また、アプリやサービスの日本語化も進め、新規パートナーや構築ストアを増やしていく。

Shopify導入企業とのトークセッションも行なわれた。155cm以下の小柄女性向けの洋服ブランド「COHINA」やファッションメディア「RiLi」の両者が、Shopifyの特徴と指摘したのは、アプリ追加による機能の充実や、Instagram連携によるSNSからの誘導と購入が図れること、グローバルプラットフォームならではの「越境EC」への可能性。

また、コミュニケーションを通じた商品づくりや運営のため、“顧客とつながる”ことが必須という。「サイトの買い物上でもブランドの世界観を伝える」ためには、Amazonや楽天へなどのマーケットプレイス出店でなく、Shopifyを通じた自社ECが必要とした。