ニュース
au WALLETを「どセンター」に金融強化。auじぶん銀行などauブランドで展開
2019年2月12日 15:19
KDDIは、決済・金融事業の強化を目的に、中間金融持株会社「auフィナンシャルホールディングス」を設立。スマホ・セントリックな決済、金融体験を総合的に提供する「スマートマネー構想」を展開する。決済・ウォレットサービスの「au WALLET」を核に、スマホを使った預金、決済、投資、ローンなどあらゆる金融サービスを提供していく。
auカブコム証券やauじぶん銀行など銀行・証券をau化
2019年4月1日付(予定)で、KDDIの子会社のじぶん銀行と、KDDIフィナンシャルサービス、ウェブマネー、KDDIアセットマネジメントおよびKDDI Reinsurance Corporationの5社を、「auフィナンシャルホールディングス」の傘下に移管する。
そのため、三菱UFJ銀行との折半出資のじぶん銀行に対し、4月1日付けで250億円規模の第三者割当増資をKDDIが引受。KDDIの持株比率を63.78%まで高め、連結子会社化し、社名もauじぶん銀行とする。
また、auフィナンシャルホールディングス傘下の5社、KDDIグループのau損害保険(au損保)、カブドットコム証券の社名を、2019年度中にauブランドを冠した名称に統一する。
新社名は以下の通り(カッコ内は旧社名)。
・auじぶん銀行(じぶん銀行)
・auフィナンシャルサービス(KDDIフィナンシャルサービス)
・au PAY(ウェブマネー)
・auアセットマネジメント(KDDIアセットマネジメント)
・au Reinsurance Corporation(KDDI Reinsurance Corporation)
・auカブコム証券(カブドットコム証券)
カブドットコム証券への公開株式買い付け(TOB)も実施し、取得総額は最大914億円を予定。KDDIの議決権比率を49%まで高め、持分法提供関連会社とする予定。
au WALLETで通信+金融の体験価値を
2,000万以上のユーザーを抱える「au WALLET」と、au WALLET残高/WALLET ポイント残高は1,000億円以上、au経済圏流通総額は2.5兆円という状況を活かし、「スマートフォンを預金、決済、投資、ローン、保険といったあらゆるサービスの入り口とし、お客さまにスマホ・セントリックな決済、金融体験を総合的に提供する」(KDDI高橋誠社長)とスマートマネー構想を解説する。
具体的には、「au WALLETをどセンターにする。このアプリケーションが金融、コマース、その他ライフデザインにつながっていく」と語り、「少なくとも1,000億以上」の残高を持つ、au WALLETを核に様々な金融サービスに広げていく戦略を説明した。
KDDI/auの通信事業とスマートマネーとの関連については、「通信の会社から、スマートマネーやライフデザインの会社になるわけではない、通信、スマホを持つ会社だからスマホセントリックなライフデザインを実現できる。この体験価値が重要」とKDDIのポジションを強調した。
具体的には、グループ内のじぶん銀行とWALLETを連携して、ポイントを銀行へ払い出したり、個人間の送金にもすでに対応しており、「これは銀行をもつauならでは」と説明。さらに、auのiDeCO(確定拠出年金)のほか、4月からはポイント連携した資産運用、'19年度内には「おつり投資」なども予定。少額ローンも'19年度内にスタート予定で、「スマホを使うことで返済率も高い」と説明。「金融で利益をあげるだけでなく、通信と連携することでできるだけお客様と長くつながっていきたい」と語った。
なお、au WALLETのアクティブユーザー数については、「数百万」と説明。au PAYの加盟店獲得や楽天との協力については、「au WALLETのプリペイドだけでは、これから先の中小規模店の開拓が難しい。QRの導入により、中小店鋪の強化を図り、WALLETを引っ張って、金融に拡大していく」とした。
au契約者以外でもau IDや金融などを利用可能に
また、2019年夏にau IDや金融サービスなどをキャリアフリー化(オープン化)することも発表。au契約者だけに限定されていたサービスを、au契約者以外にも拡大。詳細は、後日発表予定だが、高橋社長は、「決済やポイントを広げるという話を、加盟店様と話すと、『auだけなの?』と言われてしまう。実はじぶん銀行はau以外も多く、今回の金融強化をきっかけに、auIDや決済、ポイントなどのサービスを広げるきっかけにする」と語った。
また、4月から「au PAY」と食べログの連携をスタート。食べログ掲載店舗でau PAYを使う際に、ポイント還元を実施するなど、相互連携を強化し、au PAYの加盟店開拓にも協力して取り組む。「早期の100万店をレジ数ではなく、店鋪数で達成する」とした。
他社との比較におけるauの強みとしては、(1)銀行、(2)ポイントが貯まる仕組み、(3)通信の顧客基盤の3点をあげて説明。通信のユーザー口座がアクティブで、かつ自動でポイントが貯まり、銀行と紐付いているのはauだけと強調した。