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モバイルキャッシュレス'21年度2千万人に。QRは楽天をPayPay、LINEが追う
2019年1月7日 13:40
ICT総研は1月7日、モバイルキャッシュレス決済の市場動向に関する調査結果をまとめた。スマホを利用したキャッシュレス決済の市場規模の予測では、2018年度末(2019年3月末)時点の「スマホアプリの電子マネー利用者」は前年の893万人から1,157万人に増加、2021年度末(2022年3月末)には1,953万人に達する見込みとしている。
ICT総研が2018年12月に実施したアンケート調査では、4,062人の回答者のうち1千円から3千円の小額決済の決済手段は、71.6%が現金と回答。クレジットカードと回答したのは43.6%、スマホアプリの電子マネーは9.2%、スマホのQRコード決済は4.1%。
1万円から3万円の比較的高額な買い物をする場合は、現金は44.7%に下がり、クレジットカードが68.3%に上昇。スマホアプリの電子マネーは4.0%、スマホのQRコード決済は2.6%に留まる。
ICT総研は、高額決済の場合、クレジットカードを利用する人が増え、モバイルキャッシュレス決済を利用する人が減少する傾向から、従来型のサービスであるクレジットカードの信頼性が高く、新しいサービスであるスマホのキャッシュレス決済は今のところ敬遠されていると推測している。
年齢別で見ると、小額決済時にスマホアプリの電子マネー利用率が高いのは40代で14.3%、QRコード決済の利用率が高いのは20代で7.3%。
スマホアプリの電子マネー利用者(543人)に対する、買い物をする時によく利用する電子マネーの質問では、最もよく利用されていたのはSuicaで238人。2番目は楽天Edyで233人、次いでnanacoが177人、WAONが145人、iDが119人。さらにau WALLETが76人、PASMOが74人。
SuicaはJRの定期券やカード型、モバイルアプリ上でも多く利用されており、楽天Edyやnanaco、WAONは、カード型電子マネーの利用者がスマホアプリ上でも利用しているという。
買い物の際によく利用するスマホのQRコード決済サービスに関する質問では、楽天ペイの利用者数が最も多く130人。次いでPayPayの利用者数が102人、LINE Payの利用者数が97人、d払いが69人、Origami PayとYahoo!スマホ決済がいずれも46人。
paymo(35人)、pring(29人)、PAY ID(27人)、atone(24人)、pixiv PAY(23人)も一定数の利用者を獲得。
1位の楽天ペイは、楽天Edyでも利用者数が多く、Felica型の決済、QRコード決済の双方で高いシェアを獲得。2位は100億円キャンペーンで話題となったPayPay。早くからサービスを開始したLINE Payは、SNS市場で圧倒的シェアを誇るLINEアプリとの連携で登録者数が最も多く、その影響で利用者数も上位につけている。
スマホアプリの電子マネーを利用している人の満足率は「満足 40%」、「どちらかと言えば満足 51%」を合わせて91%。スマホのQRコード決済サービスの満足率は「満足 35%」、「どちらかと言えば満足 48%」を合わせて83%となった。
ICT総研は、電子マネーの方が満足率は高く、理由は操作性の簡便さ、信頼性の高さ、利用できる店舗の多さなどに起因し、QRコード決済サービスの満足率がやや低いのは、利用できる店舗がまだ少ないことや、利用時の操作性、サービス開始後の期間がまだ短く信頼性への不安があると推測している。
また、スマホアプリの電子マネーの満足度をサービス別に見ると、最も満足度が高かったのはQUIC Payで82.5ポイント、2位はSuicaで81.4ポイント。QRコードの満足度で最も高かったのはLINE Payで80.5ポイント、2位は楽天ペイで76.0ポイント。