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小田急、向ケ丘遊園跡地に温浴施設やアウトドア系施設などを展開

小田急電鉄は、神奈川県川崎市多摩区の向ヶ丘遊園跡地利用に関する開発計画を決定した。開発区域面積は162,700m2で、工期は2021年から2023年を予定し、2023年度の竣工を目指す。

向ヶ丘遊園は、1927年の小田急線開通と同時に開園。多摩丘陵の緑豊かな自然を生かした「花と緑の遊園地」として、75年間にわたり営業したが、2002年3月末に閉園した。その跡地を活用するプロジェクトで、昔から引き継がれる自然環境を活かして、「人が集い楽しむ場」としての機能を再整備することで、生田緑地の一部に「憩い」や「賑わい」を創出。地域全体の価値向上を図る。

始動する跡地利用計画では、「人と自然が回復しあう丘」を開発コンセプトに、跡地全体を「商業施設エリア」、「温浴施設エリア」、「自然体験エリア」の3つのゾーンに分け、身近なレジャーや特別な空間・体験を創出。新たなまちの中核としての再生に臨む。

商業施設エリアには買い物や飲食可能な空間を確保。自然との親和性や雰囲気も考慮し、現状の住宅地に不足する「ちょっとした非日常感」のある施設展開を図ることで、暮らしの豊かさや地域への愛着につながる新たな価値を提供する。

温浴施設エリアでは、伝統的な温泉旅館を連想させる日本家屋様式の特徴ある温浴施設を展開予定。都心周辺部では希少な貸切個室風呂や着衣サウナなどを用意する。

自然体験エリアには、これまでになかったアウトドア系施設やグリーンショップなどの機能を導入。グランピングやキャンプなどの宿泊機能を計画するほか、他エリアとも連携したイベントなどを実施し、憩いと楽しさの両立を図る。

また、小田急電鉄は「自然、文化・芸術、教育」といった、すでに地域に存在する資産をつなぐ「ハブ機能」を果たすとともに、計画地および生田緑地への来訪や滞在時間の拡大を目指す。

今後は2023年度の竣工を目指し、計画の具体化を推進するとともに、近日中に川崎市の条例に基づく環境影響評価手続きに着手するという。