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LINE Pay、「WeChatPay」対応でインバウンド強化。Japan Taxiも

コミュニケーションアプリの「LINE」は、Fintech領域を重点強化している。27日に「LINE Fintech Conferense」を開催し、LINE Payにおける中国のWeChatPay対応などの新戦略を発表したほか、銀行業への参入も明らかにした。

WeChatPayに対応したLINE Payはインバウンド強化

同社が力を入れている決済サービス「LINE Pay」は、LINE Payカードや、QR/バーコードによる支払いと、QUICPayによる非接触決済での支払いの3方式に対応。21日からQUICPay対応(Androidのみ)に対応したことで、全国のスマートフォン決済箇所100万箇所を達成した。

今回新たに明らかにしたのは、「WeChatPay」対応。2019年早期の対応を予定しており、LINE Pay対応店舗で、WeChatPayでの決済が可能になる。

WeChat(微信)は、中国で10億人を超えるユーザーを持つTehcent(テンセント)によるコミュニケーションサービスで、その決済サービスが「WeChatPay」。LINE Payとの連携により、訪日中国人観光客がLINE Pay対応店舗でWeChatPayを使ってQRコード決済できるようになる。結果、LINE Pay加盟店舗等のインバウンド対応を強化できるとする。当初はLINE Pay据置端末と、プリントQRのみの対応となる予定。

WeChatPayの海外事業開発を統括するLie Freedomバイスプレジデント

なお、日本から中国に出かけた場合は、LINE PayからのWeChatPay決済はできない。これは、LINE Payだけでなく、LINE自体も中国内でサービス展開していないため、とのこと。

また、インバウンド対応強化のために「LINE Pay Global Alliance」構想を発表。同アライアンスに参加する各国/地域の決済サービスユーザーが訪日した際に、日本国内のLINEPay加盟店や対応箇所において、アプリダウンロードやサービス登録の必要なく、スマホ決済を可能にするもの。

その最初となるのが、2019年早期にスタートするWeChatPay。ついで、2019年内に韓国NAVERとも提携し、「Naver Pay」に対応する。また、台湾やタイ、インドネシアのLINE Payネットワークとも連携し、それぞれのサービスのユーザーが、日本でも普段と変わらずにLINE Payでの支払いを行なえるようにする。

WeChatPayの利用者は非公開だが、NaverPayは2,400万人、日本、台湾、タイ、インドネシアのLINE Payユーザーは4,000万人。

Japan TaxiもLINE Pay

また、タクシー配車サービスの「Japan Taxi」とも12月10日から連携し、LINE Pay払いが可能となる。

Japan Taxiの広告タブレット・決済機付きタブレットを搭載した全国のタクシーでLINE Payのスマホ払いに対応。現在東京都内では、日本交通と帝都自動車交通の5,500台で導入され、北海道や東京、埼玉、神奈川、京都、大阪府などのタクシーにも配置されており、2020年までに5万台が対応予定という。

このタブレットでの支払いにLINE Payが選択可能になり、LINEアプリの「ウォレット」タブから「コード支払い」を選んで、支払いが行なえる。

12月10日から12月31日まで、Japan Taxi利用者向けのキャンペーンも実施。LINE Payコード支払いで最大500円まで還元するもので、利用金額が2,500円未満の場合、20%分をLINE Payで還元、2,500円以上の場合、500円相当をLINE Payで還元する。キャッシュバックは一人1回まで。

また、12月1日から28日まで「LINE Payで割り勘キャンペーン」も開催予定。詳細は追って発表予定としている。

LINE Payで割り勘キャンペーンを提供

なお、ソフトバンクやヤフーが展開する「PayPay」は、20%還元の大規模キャンペーンを12月4日から実施予定。LINE Payに特別な対抗策は用意していないが、「3年間の蓄積があり、先行している。一方で世間では、QRはまだ“先にあるもの”としてあまり馴染んでいない。PayPayのキャンペンーンにより、キャッシュレスの認知は広まり、業界全体としては進むのではないか」(LINE Pay 長福久弘 COO)とした。