ニュース
au“スマホ年金”参入。「auのiDeCo」はポイントが貯まり運営管理手数料無料
2018年10月24日 13:58
KDDIとKDDIアセットマネジメントは10月24日から個人向け確定拠出年金サービス「auのiDeCo」を開始する。“スマホ年金”として提案し、20~30歳代の若年層を中心に資産形成を支援していくという。
スマホで年金を目指す「auのiDeco」
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、毎月決まった掛金を投資信託や定期預金などで積み立てて、60歳以降で年金や一時金として受け取れる私的年金制度。積立期間中の掛金全額が所得控除、運用期間中の運用収益(利息・売買益)が非課税になり、受取時も一定額まで非課税となるなど、3つのタイミングで税制優遇を受けられる。
KDDI/auがこのiDeCoに参入。「スマートフォンで気軽に無理なく未来に向けてお金を育てるおトクな年金サービス」として提案する。
auのiDeCoでは、スマホアプリ上で申し込みから運用状況の確認・運用商品の見直しまで、年金管理に必要な機能をワンストップに集約。運用スタイルの調整ができる。また、アプリ上で年収等を入力し、税金金額を試算するシミュレーション機能も用意している。
多くのiDeCoサービスでは、運営管理手数料がかかるが、auのiDeCoは永年0円。投資初心者でも気軽に利用できるという。
商品は三菱UFJ銀行の1年定期預金のほか、ファンド・オブ・ファンズ形式で4商品を用意。auスマート・ベーシック(安定)、auスマート・ベーシック(安定成長)、auスマート・プライム(成長)、auスマート・プライム(高成長)で、申し込み手数料はいずれも無料(ノーロード)。信託報酬は0.2376%~0.8856%(税込)。
また、保有している投資信託の残高に応じて、WALLETポイント、もしくはWow! スーパーポイントを還元。auユーザーは月間保有残高が100万円の場合、年間で1,000ポイントのWALLETポイントが永続的に付与される(還元率最大0.1%)。
「auのiDeCo」は、auの回線契約が無くても契約可能。au契約者以外の場合は、付与されるポイントがauの通販サイト「Wowma!」で使える「Wow! スーパーポイント」となり、還元率が0.05%となる。100万円の月間保有高の場合、年間で500ポイントの還元。
利用にはau IDもしくはWow! IDが必要。氏名や住所は自動入力され、スムーズに書類の請求が可能となる。
なお、「スマホ年金」をアピールするauのiDeCoだが、口座開設時や掛金の変更時などには書類請求と提出が必要となる。これは書類でのやりとりを限定にiDeCoが制度設計されているため。ただし、「将来的にはスマホで全部やりたい。そうできるよう動いていく」(KDDI 金融・コマース本部 副本部長の臼井 朋貴氏)とし、関連機関との調整を続けていくという。
また、現在は制度の制限として、銀行振替となるが、将来的にはキャリア決済での対応も目指しており、そうした働きかけも行なっていくという。
わかりやすさにこだわるiDeCoサービス
KDDI 金融・コマース本部 副本部長の臼井 朋貴氏は、au IDに紐づいた金融やショッピング、電気、スマートホームなどの体験を「auライフデザイン」として紹介。金融事業については、2008年に開設して300万口座を超えた「じぶん銀行」、2,310万枚以上発行の「au WALLET」、「auの損害保険」などのサービスを展開してきた。そして、少子高齢化と、日本人の金融試算において預金・現金資産が多く、資産運用がなされていない状況を開設。公的年金への不安を解消するためにも個人による年金としてiDeCoへ着目したことを説明。通信とライフデザインの融合を目指していく方針を示した。
auのiDeCoを運営するKDDIアセットマネジメントは、iDeCoの3つの税制優遇により、節税効果の高い私的年金として利用できることを強調。25歳会社員女性が60歳まで毎月23,000円積み立てた場合は、約186万円の節税効果があるなど説明した。
一方で、iDeCoを活用している人は、対象総人口の約1.5%とせっかくの制度が活用されておらず、そのうち20~30代が約24%に留まっている。iDeCoの節税効果を活かすためには、「早くはじめる」ことが重要であり、20~30代の積極的な利用に向けてauのiDeCoを開発したという。
一方、調査を行なうと、iDeCoや投資について、手続きがめんどくさそう、投資は不安といった声が集まる。こうした課題を解決すべく、シンプルにわかりやすいサービスのため、スマホアプリ化やポイント対応、運営管理手数料ゼロ円の3つの特徴をauのiDeCoに盛り込んだ。
また、制度が難しいという声もあるため、auのiDeCoの専用サポートも新設。資産運用の相談などにも応じるという。