リメイクばやりのハリウッドにあっても、あまりにビッグネームな作品はオリジナルを越えられるかどうか定かではなく、企画はあがったとしてもオリジナルに敵うはずがないと判断され、結局は手を出されない・・・と思っていた。例えば、斬新なアイデアと衝撃的なラストが有名な『猿の惑星』がそうだ。ところが21世紀にこれが再びスクリーンに登場してしまうのだ。しかも監督は、独自の造形美ワールドを持つティム・バートン。
SFマニアを筆頭に、ファンの期待がいやがおうにも高まる本作。正しくはリメイクではない。宇宙船が不時着した惑星では、猿が人間を支配していた・・・、という基本設定だけを生かしたリ・イマジネーション=再創造であるという。初めてオリジナル作品を観たときは、“猿”の存在ばかりに目を奪われるが、実は圧制に立ち向かうという物語の奥の深さも魅力だった。若い映画ファンの中にはオリジナルの第1作を未見の方も多いかもしれないが特に心配することはないはずだ。本作では、ハサミの手を持つ異端の存在を描いた『シザー・ハンズ』で少女との悲恋を見せたバートンが、どれだけ猿と人との愛憎を見せてくれるかを中心に、大きな期待をもって観たい作品だからだ。
猿に化けたティム・ロス、ヘレナ・ボナム・カーター
アカデミー賞も受賞しているハリウッドの特殊メイクの大御所、リック・ベイカーが今回の“猿”メイクを担当している。着ぐるみだった旧作ではできなかった、猿の感情豊かな表情の実現を可能にしている。そんな猿に扮しているのは、ナイーブなマスクのティム・ロスや、これまでどうしても“コスプレ女優”の肩書きがついてまわったヘレナ・ボナム・カーターら実力派の面々。フレッシュな人間側キャストと、巧みな演技派の猿側キャストの豪華な競演も見物だ。
あらゆる猿人類が出ているというポイントと、ティム・バートンというひとクセある監督が、不朽の名作をどう料理しているかが見所ではないでしょうか。ラストに関してはさまざまなウワサがとんでますが、脚本はラストシーンに出演するキャストのみに渡されているので、本当のところはわからないはずです。
(20世紀フォックス:山田さん)
2001年 アメリカ
7月28日(土)より日劇プラザ・ニュー東宝シネマ1ほか東宝洋画系にて公開
監督:ティム・バートン
脚本:ウィリアム・ブロイルスJr.
出演:マーク・ウォルバーグ、ヘレナ・ボナム・カーター、ティム・ロスほか
配給:20世紀フォックス
(C) 2001 TWENTIETH CENTURY FOX
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