「ひと粒で二度おいしい」といったコピーに弱い。
　要は貧乏性で欲張りなのである。 うどんが食べたくてうどん屋へ入ったのに、実際注文するのは五目ご飯にミニうどんがつくセットだったり、ファミコンにディスクシステムが最初から付いたツインファミコンを買ったりと。お得感を味わいたいのだと思う。もちろん「二兎追うものは～」なんて格言通り、ひとつも得をしない場合も多々ある。ラジオ付き栓抜きなどを買っては、「便利っちゃ便利だけど、日常生活では、どっちもなあ……」と後悔したりで。

　そんな理由で、複数のストーリーが組み込まれるオムニバス映画にも目がない。森 田芳光総監督の『バカヤロー！』（88～）シリーズに始まり、アニメでは大友克洋総監督の『MEMORIES』（95）、最近ではタモさんが久々の映画出演を果たした『世にも奇妙な物語　映画の特別編』（01）。リアルタイムでは観ていないが、石井輝男監督 の『明治・大正・昭和　猟奇女犯罪史』（69）も、ホンモノの阿部定（阿部サダヲじゃないよ！）が出演したりして、お得感を堪能した。

　『マネーざんす』は、フジの深夜番組『つんくタウン』から誕生した映画で、６監督による６作品が盛り込まれた作品である。

　藤井秀剛監督による『監金』では、野村佑香が天使役で出演。大金を目の前にした男に、ネコババを指示する悪魔が登場。それを阻止すべく天使の野村が現れる。終いには悪魔と天使がケンカを始め、すっちゃかめっちゃかになるのだが、カメラ目線で、文字通り天使の囁きをする野村の“この娘”指数は高い。

“チャイドル”なんて言葉の代表格として取りざたされた野村もすでに17歳……え？

　まだ17歳なの？「あどけなさにも無理が出てきた」なんてことを書こうとしたのだが、17歳なら年相応であろう。先日、『ジャングルブック』（この番組、人選いいですよ！）で、オーストラリアに出向き野生のコアラを抱っこしていた。丸顔の野村はコアラの親子のようで、微笑ましかった。今後とも、女優として成長していくのだろうが、経験値とは無関係に丸顔でいて欲しい。

　他の５作品で“この娘”はいないかと探したが、皆無に近かった。勝村政信監督の 『GO!GO! 宇宙ドクターズ』に高橋由美子が出演しているが、終始全身白タイツなので、ちょっとオススメできない。

　６作品全部が終了し、つんくの顔写真をバックにエンドロールが流れ、「“この娘 ”は野村佑香だけか。それにしてもつんくの顔は見飽きてるよ……」と、帰り支度を始めると、思わぬ落とし穴があった。飯田かずな（フォトグラファー）監督『マスクマン』の出演者に川島令美の名を発見！『マスクマン』は、全体的に“おしゃれさん”な作風だったので、自分と肌に合わなかったせいか、彼女を認識できなかった。おそらくボウリングする女性だと思うのだが……これは自己批判だ！（『光の雨』より）

　川島はグラビアなどで活躍中の川村ひかるらと“サウスポー”なる３人組ユニットで活動していた時期があった。２人は現在でも同じ事務所なのだが、今考えるとなんて贅沢なユニットであろう。ＣＤ『ファイト!!ファイト!!ファイト!!／教えて監督』をリリース後、活動は休止し、ご存知の通り川村のみがメジャーシーンへと歩み出す。あとを追うように、川島もグラビアを皮切りにドラマやバラエティにも進出、昨年は香港映画『東京攻略』にも出演！（ごめん、観てません！）

　アクションが得意な彼女なので、近い将来、川村ひかるとともに女囚もののアクシ ョン映画（お色気アリ）なんて観たいものだ。タイトルは『女囚サウスポー／教えて 看守！』でどうだ!!

　で、『マネーざんす』全体のお得感と言えば、なかなかだったが、客の入りは公開２日目にして、ボクの観た回では10名ほどだった。お金をテーマにした映画なのだが、制作費は回収できるのか、ちょっと心配ざんす。

click!!↑ 【佐藤ろまん先生　Profile】 誕生： 1968年、うつくしま未来博、あるいは千葉麗子の出身地でお馴染みの福島県生まれ。 最終学歴： 秋元康作詞塾（通信教育／中退）。 　 薄氷を踏むがごとく、どうにかこうにか文筆業で生計をたてる。書いてる媒体＆ジャンルは、本当に雑多で、近いところでは『笑うシネマ～FUNNY CINEMA～』（エンター ブレイン）にて、笑えるアイドル映画について寄稿してます。ほかに、隔月誌『アックス』（青林工藝舎）にて「ろまん子・ザ・ムービー危機イッパツ！」を連載中。好きな映画はもちろん、『おニャン子・ザ・ムービー危機イッパツ！』（DVD化＆モー娘。でリメイク希望）。近影のモニターに映し出されているのは、その中で怪演する関根勤の雄姿です。好きなクレージーキャッツのメンバーは、石橋エータロー。好きなドラえもんの道具は、どくさいスイッチ。好きなＶリーグのチームは、東レアロー ズ。将来の夢は、バンテリンのＣＭに出演すること。映画館から出てきて、「映画にはバンテリンだねぇ」なんてセリフを言ってみたい！ □OFFICIAL SITE「デジタルベストガイ」 佐藤ろまん先生を 応援する為に佐藤ろまん先生自ら制作しているHP http://romang.hoops.livedoor.com/