“ゴマキ”“ごっつぁん”“ごっちん”……情報量が多すぎるので、モーニング娘。関連について書くのは難しい時代なのだが、“後藤真希”の愛称が幾つもある点は、誰もが疑問とするだろう。加えて、EE JUMPのユウキファンなら、“ユウキ姉”と呼ぶかも知れないし、元CoCoの宮前真樹ファンなら“マキボー”と呼んでいそうだ。

　国民的な認知度があるのにも関わらず、こんな複数の愛称を持つ人も珍しい。同じ後藤でも、ジャイアンツの守備固め要員・後藤選手の場合、愛称があるかどうかも不明。原監督も、なんて呼んでいいのやら。まあ、彼の場合、それより来シーズンの１軍定着を心配すべきなのだが。
　ジャイアンツの後藤とは反対に、来年も活躍が保証されていそうな後藤と言えば、後藤理沙だ。彼女の場合、“ゴトリサ”という愛称が一応はあるもののそれはどうだろう。その昔、佐野量子のことを“サノリョウ”と“コ”を略して呼ぶ者がおり、大きな違和感を覚えていたが、それと同じで“ウ”ぐらい略すなと言いたいのだ。かといって“ゴリサ”と略せば、ガレッジセールのゴリのよう。しかも、ゴリの出身地である沖縄訛りで「オレの名前は、ゴリさー」と最後に“さ”を付けたら、まんまではないか。う～ん……。

　愛称の件は保留にしておくとして、女優としてもタレントとしても伸び盛りの後藤理沙が香港映画に出演するというので、さっそく試写に行ってきた。結論から言おう……出番が少ない！　正味５分！　これでは、“この娘”指数をはじき出しようがない。測定不能だ。
　彼女の役どころは、父の敵討ちする少女。父が殺された知らせを聞き、香港くんだりまで足を運ぶ。傷心するもついに犯人（澤田謙也）を発見、ついには拳銃を向けるというものだ。
　本作での後藤は、悲しみと憎しみの表情しか出していない。バラエティーなどでは、大きめの口を横に広げ、終始ニッコニコなわけだが、それとは正反対な姿がここで見られる。

　前にも触れた通り出番は５分。後藤の出演のみをモチベーションにして見に行ったら、あまりのコストパフォーマンスの悪さに、がっくりくるかとも思われるが、それは違う。男たちのあやうい友情を軸に、様々なアクションシーンが織り込まれ、決して損はさせないはずだ。

　彼女の映画キャリアってことを考えるならば、なぜにこう過酷な運命ばかり背負っている役ばかりなんだろうとも考えられる。もっと、ゆる～い、甘酸っぱ～い映画にも出て欲しいと思うのは筆者だけだろうか。
　前作『死びと恋わずらい』（00）では、田舎町の学園を舞台とし、後藤は生まれ故郷へＵターンした転校生として登場。初恋の人と再会したりして、いい感じで話は進むのだが、途中からドロドロのグッチャグチャな展開へ。まあ、同級生に三輪明日美がいた時点で、イヤな予感はしていたのだが……（ていうか、タイトルで気づけ！）。

　例えば、99年秋からオンエアされたライオン『BAN SELECT』のＣＭから派生した映画とか。このＣＭでは、後藤理沙、椎名法子、片瀬那奈が出演し、風呂あがりにはしゃぐ３人が、なんともいい雰囲気だった。片瀬が脚を出し、その脚に椎名が鼻を近づけ、最後に後藤が「オイ！」と突っ込む。先日、オーバーツッコミ症候群（勝手に命名）により倒れた、さまぁ～ず・三村のような強い口調ではなく、あくまでもソフトに、笑顔で突っ込んでいた。「オレも後藤理沙に突っ込まれたい！」と思った塾生も少なくないはずだ。

　これを映画にするとなると、風呂あがりのシーンは欠かせない。設定は温泉場へ卒業旅行にでかける仲良し３人組としよう。そこで、ライオンの着ぐるみをかぶった不思議な少年と出会い、それぞれの道を歩む前の貴重な思い出が始まる……。補足するが、この映画はライオンが必然的に協賛となる関係上、『ごきげんよう』のマスコットキャラの着ぐるみが登場する。おそらく、少年は心の病で他人に顔を見せられないのだろう……と、妄想もここまでくると「どっちが心の病？」と言われそうだが、等身大に近い後藤理沙に出会える映画を観たいのはホント。
　とりあえずは、後藤、椎名、片瀬の３人が競演するＣＭを復帰させるのが先決か。

お願い、ライオンさん！

（佐藤ろまん）

click!!↑ 【佐藤ろまん先生　Profile】 誕生： 1968年、うつくしま未来博、あるいは千葉麗子の出身地でお馴染みの福島県生まれ。 最終学歴： 秋元康作詞塾（通信教育／中退）。 　 薄氷を踏むがごとく、どうにかこうにか文筆業で生計をたてる。書いてる媒体＆ジャンルは、本当に雑多で、近いところでは『笑うシネマ～FUNNY CINEMA～』（エンター ブレイン）にて、笑えるアイドル映画について寄稿してます。ほかに、隔月誌『アックス』（青林工藝舎）にて「ろまん子・ザ・ムービー危機イッパツ！」を連載中。好きな映画はもちろん、『おニャン子・ザ・ムービー危機イッパツ！』（DVD化＆モー娘。でリメイク希望）。近影のモニターに映し出されているのは、その中で怪演する関根勤の雄姿です。好きなクレージーキャッツのメンバーは、石橋エータロー。好きなドラえもんの道具は、どくさいスイッチ。好きなＶリーグのチームは、東レアロー ズ。将来の夢は、バンテリンのＣＭに出演すること。映画館から出てきて、「映画にはバンテリンだねぇ」なんてセリフを言ってみたい！ □OFFICIAL SITE「デジタルベストガイ」 佐藤ろまん先生を 応援する為に佐藤ろまん先生自ら制作しているHP http://romang.hoops.livedoor.com/