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災害時の備えも万全! 普段使いしやすいエコフローのポータブル電源

EcoFlowの「DELTA 3 Plus

8月8日、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発表されました。地震の多い日本ですが、「巨大地震注意」が政府から促されるのは初めてのこと。改めて、防災の備えをしておこうと考えた人も多かったはず。筆者もその一人で、息子が通う小学校の避難先や、自宅の備えなどを確認しているところです。

そうした過程で、興味を持っているのが「電源」です。被災することを想定すると、我が家の場合は、マンションが直ちに全壊することはないように思えます。水や食料の備蓄があれば、最低でも1日か2日は自宅で過ごせるケースが多いと推定。そんなふうに仮定した場合に、“一歩先“の対策として興味を持ったのが「電源」です。

災害時に停電になったとしても、独自に電源が確保できれば、より日常に近い生活を維持できるはず。近年は「ポータブル電源」が注目を集めており、普段の生活に取り入れている家庭も増えています。

また、災害対策においても「準備しない防災」とも呼ばれる「フェーズフリー」が、注目されるようになりました。フェーズフリーとは、災害時に役立つものを日常に取り入れるという考え方です。

普段からポータブル電源を使いこなすことが、非常時に役立つのかもしれません。今回、EcoFlow(エコフロー)の「DELTA 3 Plus」(価格:149,600円)を借りて、日常を便利にしつつ災害に備えるポータブル電源使いにチャレンジしました。

停電時にも電子レンジや冷蔵庫が使えて心強い!

DELTA 3 Plus」のバッテリー容量は1,024Whで、定格出力は1,500W(瞬間出力は3,000W)。最大出力は「X-Boost」という独自技術によって、消費電力が定格2,000W以下の電化製品に対して、電力供給が可能です。

DELTA 3 Plus」のバッテリー容量は1,024Wh

定格出力が1,500Wと言われても、ピンとこないかもしれません。家電製品の仕様表の「消費電力」と書かれている項目で、1,500W以下であれば、問題なく使えます。そして定格出力1,500Wの「DELTA 3 Plus」であれば、家庭で使う電化製品……いわゆる家電製品のうち、稼働“できない”家電製品を探す方が難しいです。

空調であれば、オイルヒーターや電気ストーブ、コタツや扇風機などは問題なく使えます。調理家電で言えば、ビルトインタイプのIHクッキングヒーターは使えませんが、冷蔵庫や炊飯器、電子レンジやホットプレートは使えますし、電気ポットも問題ありません。

非常時に使うかは別にして、ドライヤーや洗濯機なども使えます。

試しに電子レンジの温め機能を使ってみると、1,400W台まで出力が上がりました。ちなみに1,500W以上になったとしても、先述のとおり「X-Boost」機能を有効にしておけば、定格2,000W以下の電化製品であれば電力供給が可能……つまりは使えるということです。

同様に電気ポットは1,200〜1,390Wあたりで水を沸かせました。使用時間は2〜3分なので、これも何杯分も沸かせそうです。

なおエアコンについては、エアコンメーカーの推奨外である可能性もあるうえ、バッテリー容量を考えると長時間は使えないので、いつまで続くか分からない停電時の使用は、おすすめできません。

電子レンジを使うと1,400W台まで消費電力が上がったが、問題なく使えた。これなら災害時でも、レトルト食品などを温めて食べられる
ドライヤーの消費電力は1,170W前後。小さめのドライヤーだと780W前後だった

選ぶべきポータブル電源の条件を網羅

こうして家電製品を安心して使えるのは、「DELTA 3 Plus」のAC出力する電気が「純正弦波」だからです。正弦波とは、簡単に言えば質の高い電気のこと。家電製品では、この正弦波で給電されることを前提に作られています。そのため「DELTA 3 Plus」で、安心して家電製品に給電できるのです。

正弦波の電気を出力できるかのほかに、ポータブル電源の購入時に注目したいのが、BMS(バッテリーマネジメントシステム)の有無です。これはバッテリー内部の電圧調整や保護を自動で行なう機能。長時間使うポータブル電源には、安全に使えるBMSも必須と言えますが、もちろん「DELTA 3 Plus」は、同機能を搭載しています。

また、ポータブル電源を防災目的で備えたいという場合に、特に重要なのが、ポータブル電源本体の充電時間や充電方法の多彩さです。例えば、台風の向きが急変して自宅周辺を直撃しそうだといった状況では、素早く本体を充電したいものです。そうした時に「DELTA 3 Plus」は、ACコンセントからであれば56分でフル充電が可能です。ACコンセント以外にも、ソーラーパネルから、またはクルマのシガーソケットからも充電できます。

さらに、ACコンセントで充電しつつ同時にソーラーパネルとつなげて充電できる「マルチ充電」にも対応。AC/ソーラーパネル/シガーソケット、それぞれに適したケーブルが付属するので、別途に用意する必要もありません。

多彩な充電方法に対応するため、背面にはAC/ソーラーパネル/シガーソケット用の入力端子を備えています

そのほか、バッテリーを何回充電できるかを示す「サイクル寿命」が多いほど、長く使い続けられます。「DELTA 3 Plus」は、リチウム鉄リン酸という種類の高性能な電池を採用しているため、サイクル寿命も長く、4,000回の充放電を繰り返しても、元の容量の80%が維持されます。毎日充電をしても、10年以上、使えるということです。

保証期間の長さもポイントとなります。EcoFlowの場合は、Webでのユーザー登録をすることで、保証期間が5年間に延長されます。

こうした、買うべきポータブル電源の基本条件を「DELTA 3 Plus」は網羅しています。そのほか容量や出力端子の種類や数が十分かについては、試していきたいと思います。

冬の寒さも難なくしのげそう

これから来る冬であれば、停電時に真っ先に使いたいのが、暖房家電だと思います。明かりは、懐中電灯を用意しておいたり、スマートフォンでも代用できますが、寒さをしのぐのは難しいです。

一般的なオイルヒーターだと300〜1,500Wで、ファンヒーターや電気ストーブ、コタツなどの消費電力は同等かそれ以下です。

筆者は都内に住んでいますが、昨シーズンは暖冬だったこともあり、エアコンをほとんど使わず、就寝までをコタツだけで冬を越しました。そこで我が家のメインの暖房器具と言えるコタツを実際に試してみました。

結果、コタツを強モード(温度設定をマックス)にしても、出力は463Wまでしか上がりませんでした。これなら停電時でも、コタツに入りながらパソコンを使って仕事を継続できそうです。

またコタツに加えて電気ヒーターを同時に使ってみました。この場合は、定格出力の1,500Wを超えてしまい、マズイかなとも思いましたが、特に問題なく使い続けられました。

コタツと電気ヒーターを同時に使うと、1,500Wを超えてしまった

また冬の就寝時に愛用している電気毛布では、温度設定を最大にしても、出力が60〜65W。この電気毛布を使えば真冬でも暑過ぎるくらいになります。防災を考えてポータブル電源を買うなら、家族分の電気毛布を一緒に買い揃えようと思いました。それにしても、こうした電気製品が停電時でも余裕をもって使えると分かると、本当に心強いです。

ちなみに就寝時に、まだ電気毛布を使うのには暑すぎるため、扇風機を「DELTA 3 Plus」につなげて使ってみました。その時にわかったのが、「本体の音が気にならない」ということ。気になる気にならない以前に、ほとんど無音でした。これはパソコンなどを接続した時にも同様でした。

使う前には、耳障りなノイズが聞こえてくるんじゃないかと思っていたので、この静音性の高さには驚きましたし、嬉しい誤算でした。

仕事用のデバイスは余裕で給電可能

もちろんパソコンやスマートフォン、それにテレビなどにも充電・給電できます。これらのデジタルデバイスは、調理家電や暖房家電とは異なり、出力自体は大したことがありません。我が家の50V型のテレビでも75W前後しかなく、同時にMacBook Airに給電しても100W前後です。

ポータブル電源を仕事用と考えると、むしろ何台のデバイスを同時に接続できるかの方が重要です。その点「DELTA 3 Plus」は、USB Type-CとType-Aポートを各2ポート備えているほか、ACコンセントが6口も用意されています。USBのACアダプターを使えば、全10台のデジタルデバイスを同時に充電・給電できるということです。

筆者の場合、仕事に必須のデバイスは、ノートパソコンとスマートフォンくらいで、まれに。外付けキーボードを使うだけ。あとは2台のスマートフォンと、時々はワイヤレスイヤフォンやデジタルカメラにも給電できて、デスク横の扇風機が稼働できれば万全です。

デスク周りのデジタル機器は、ノートパソコンとスマートフォンが基本

デスク周りだけだと消費電力は50W前後。ただし、妻も現在は在宅勤務なので、2人分を合わせると100W前後になります。停電時であれば、ほかにWi-Fiルーターにも給電する必要もありますが、それでもポータブル電源を仕事だけに使うのなら、数日間は耐えられそうです。

合計10台の家電とデジタル機器をつなげてみた

これだけだと「DELTA 3 Plus」のポテンシャルを伝えきれないため、ポータブル電源をリビングに持っていき、パソコンなどのほかにテレビなどの家電製品を同機につなげてみました。テレビ1台とパソコン1台、スマートフォン3台のほか扇風機とヒーターにもなる送風機、コタツ、ドライヤー、それに息子の学習用タブレットの計10台です。

USB端子やACコンセントを全て埋めるのには、骨が折れました。逆に言えば「DELTA 3 Plus」の端子は、十分な数が配置されていると言えるでしょう。

USB Type-CとType-Aポートが各2ポート、さらにACコンセントが6口も配置されている
実際に様々なデバイスを同時に充電・給電してみた。さすがに暖房機器を2つ同時に使うのはキツそうだ
パソコンやスマートフォンなどの電子機器のみであれば、問題なく同時に充電・給電できる

テレビやパソコン、スマートフォンなどのデジタル機器は、何台も接続して同時に使用できます。ただしコタツやヒーター、ドライヤーなど熱くなる系の家電製品は、1台だけでも消費電力が多く、複数台を同時に使うのは避けた方がよさそうです。どうしても暖房機器を2つ同時に使いたい場合には、電気毛布であれば2〜3枚を使っても大丈夫です。

真冬の停電時の想定としては、コタツで温まりながらパソコンで作業をし、同時にスマートフォンを何台か充電することができると分かりました。

ちなみに容量1,024Whで、どのくらい家電製品を充電したり動かせるのかを少し具体的に示すと、スマートフォンであれば、89回も充電できます。夫婦2台のスマートフォンを毎日1回充電しても、ひと月以上も充電できる計算になります。また液晶テレビでは約4時間、扇風機では9.5時間、冷蔵庫では3.5〜7時間、Wi-Fiルーターでは約29時間ほど使えます。実際に筆者がパソコンで作業しつつ、テレビをつけっぱなしにしておくと、約5時間経ったところでテレビがオフになりました。

テレビとパソコンと扇風機を同時使用しても100Wを超えません

特に様々な機器を接続する際に使いたいのが、EcoFlowの専用アプリです。アプリでは、ある機器を使い始めたら一気に出力が高まったなど、入出力の推移がリアルタイムで把握できます。また、AC出力を一括でオフまたはオンにすることも可能。

また大雨や台風の予報が出ると、蓄電状況を知らせてくれる「台風警報モード」も搭載しています。そのため、より早く、災害に備えることができます。

専用アプリでは入出力の状況をリアルタイムで把握できるほか、大雨や台風などに備えるよう知らせてくれる機能を搭載する

バッテリー容量を簡単に増量できる

実際に自宅に設置して使ってみると、筆者の家庭のように家族が3人の場合には、「DELTA 3 Plus」で十分すぎると感じました。ただし、より大家族で様々な機器を使いたいという人や、バッテリー容量に不安を感じる人もいるはずです。「DELTA 3 Plus」であれば、その容量を増量するのも簡単。

増量するのには、もう一台の「DELTA 3 Plus」は必要なく、別売の「DELTA 3専用エクストラバッテリー(1kWh)」を購入すれば良いだけです。このエクストラバッテリーを増設するだけで、容量は約2倍になります。価格は259,600円なので、「DELTA 3 Plus」を2台購入するよりもリーズナブルです。

DELTA 3 Plus」に「DELTA 3専用エクストラバッテリー(1kWh)」を重ねたところ

増設方法は簡単で、エクストラバッテリーに付属するケーブルで、「DELTA 3 Plus」とつなぐだけ。両機の縦横サイズは同じなので、重ねることも可能。重ねてしまえば設置面積は、変わりません。

付属のケーブルで両機をつなげるだけで、設定などは不要で使い始められる
DELTA 3専用エクストラバッテリー(1kWh)

シルバーメインの外装でインテリアに溶け込みやすい

災害時に役立つものを日常に取り入れるというフェーズフリーという観点からポータブル電源を考えると、本体の大きさやデザインの良さは重要です。いくら災害時に安心とはいえ、ドドーン! と自宅の一角を専有するような大きさでは困るし、インテリアに合わないデザインのものは置いておきたくありません。

DELTA 3 Plus」は、シルバー寄りのガンメタリックの本体は、その形もあいまって先進的なデザインと言えます。モノトーンで統一したインテリアであれば、しっくりと溶け込むでしょうし、高級感のある雰囲気なのでウッドトーンのインテリアでも違和感はありません。

シルバー寄りのガンメタリックの本体カラー
モノトーンで統一したインテリアであれば、しっくりと溶け込む

また本体サイズは約202×397.6×283.6mm(幅×奥行き×高さ)のため、どこにでも設置しやすいです。比較的にスペースに余裕があるリビングはもちろんですが、電子レンジや炊飯器、冷蔵庫の隣に置きやすいと感じました。

重量は約12.5kgと、軽いとは言えないけれど、小学4年生の息子でも持ち上げられました。これはデザインに組み込まれている、両手でガッシリと持てる、ハンドルが本体の両端に配置されているからでもあります。

そのため、大人であれば、いざ使いたいと思った時に容易に場所を移動できます。

冷蔵庫の隣に置いてみた
本体の両端に頑丈なハンドルがある
ハンドルがあるため、小学4年生の息子でも「重いよぉ」と言いつつ、普通に持ち運べた

アウトドアでも家電が使えて快適!

比較的にコンパクトなのと、持ち運べる重量、さらに本体の防塵防水等級はIP20なので、アウトドアでも活躍します。クーラーボックスやIHクッキングヒーターも使えるので、肉や魚料理も安全かつ気軽に調理できますし、電気毛布などを使えば秋冬のキャンプも快適です。

また付属の車載充電ケーブルで、クルマのシガーソケットからの充電にも対応。より快適な車中泊が楽しめるはずです。

キャンプやクルマでも活躍

またキャンプで使う家電製品が多く、バッテリー容量に不安があるのなら、別売の「220W片面ソーラーパネルGen2」を使うという方法もあります。「DELTA 3 Plus」と「220W片面ソーラーパネルGen2」のセット価格は218,900円。

快晴であれば、最大で220Wの電気を生み出せるので、日中はソーラーパネルを目いっぱいに広げて本体を充電しておけば、夜を不安なく過ごせるでしょう。

もちろん停電時にもソーラーパネルがあれば、キャンプや災害時にも電気のある暮らしを、より長期間にわたって送れます。

アクティブに「備える」ための「DELTA 3 Plus」

DELTA 3 Plus」を購入したら、自宅の仕事スペースやリビングのテレビやオーディオ機器周辺で普段使いしたいものです。もったいないからと言って物置にしまっておくと、いざという時に充電されていなかった……効果的な使い方が分からないなどといったことに、なりかねないからです。

普段からアクティブに使ってこそ、バッテリー容量が十分なのか、またはエクストラバッテリーで増量すべきかなども分かります。また、常に満充電に近い状態にしておけるため、いつ訪れるか分からない“いざという時”の、本当の備えになるというものです。

「安心」という点では、EcoFlow独自の「エコリサイクルサービス」があります。近年、モバイルバッテリーやポータブル電源の回収や廃棄が自治体等の負担になっているほか、ユーザーにとっても金銭的な負担が発生することもあります。EcoFlowのポータブル電源の場合、不要になった場合も「エコリサイクルサービス」を使うことで、無料で回収してくれます(送料はユーザー負担)。廃棄方法がわからない場合でも、安心して廃棄する方法が用意されている。これもEchFlowポータブル電源を選ぶ理由になるでしょう。

DELTA 3 Plus」は、出力1,500Wや出力端子類の多さ、デザインの先進性など、普段使いがしやすいポータブル電源です。そんな「DELTA 3 Plus」は、生活を便利にしながら、万が一に備えられる最有力候補に挙げられるべき一台と言えるでしょう。