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USB PD対応でモバイルモニターは超便利に! 「GeChic M152H」に注目の理由

USB PD対応のモバイルモニター「GeChic M152H」

パソコンなどで使えるモニターにはサイズや機能・性能の違いでいろいろな種類がありますが、ノートパソコンのように「持ち運び」に特化したタイプのものもあります。それが「モバイルモニター」と呼ばれるものです。

モバイルモニターの特徴は、なんといっても薄くて軽いこと。据え置き型のモニターに比べれば機能や性能は抑え気味になっていることが多いものの、持ち運びに特化したことによる機動力の高さや、場所を問わずに使える気軽さが魅力です。

そんなモバイルモニターのなかで面白そうな1台、GeChicの「M152H」という製品が登場しました。ポイントはUSB端子から電源供給できる「USB PD」に対応していること。これによってモバイルモニターの使い勝手がどう変わるのか、紹介していきたいと思います。

薄型・軽量 さらに実用性を高める独自の工夫も

GeChicというブランドになじみのない方もいるかもしれませんが、モバイルモニター界隈では比較的早くから製品を投入し、堅実な作りで人気を獲得してきた台湾メーカーです。筆者のあくまでも個人的な印象では、ものすごく尖った機能はないものの、実用性第一の設計と安定した動作で、趣味用途だけでなく仕事にも安心して使えるモバイルモニターを作り続けてきたメーカーと感じています。

以前から個人的に16型のモバイルモニター「M161H」(左)を活用

M152Hは、15型のフルHD(1,920×1,080ドット、60Hz)液晶ディスプレイを備えており、縦横サイズは358×238mm。A4よりひと回り大きく、B4よりわずかに小さい、というようなサイズ感になります。厚みは約7~21mmで、重量は768g。一般的な据え置き型モニターに比べると圧倒的に薄く、軽量です。

1,920×1,080ドットの液晶ディスプレイ
最薄部は約7mm。スピーカーやインターフェースがある部分はやや厚いものの、それでも十分な薄さ
背面側に差し込んで使うスタンドが付属
スタンドは無段階の角度調整が可能
持ち運び用に専用スリーブが付属

背面側には映像入力用のUSB Type-Cポートと通常サイズのHDMI端子、そしてモバイルモニター本体給電用のUSB Type-Cポートがあります。インターフェースとしては必要最小限ではありますが、たとえばノートパソコンの外部モニターとして使う場合、USB Type-Cで接続するとケーブル1本でモバイルモニターへの給電と映像出力(DisplayPort Alternate Mode)が可能になるため、接続の手間が少なく省スペースで使えるメリットがあります。

映像入力はUSB Type-CとHDMIの2系統

通常サイズのHDMIは、パソコンに限らずゲーム機やカメラなどで使える汎用的な端子です。モバイルモニターはコンパクトさを追求していることもあり、Mini HDMIやMicro HDMIといった小さな端子が採用されていることが多く、接続するにはそれにあわせた変換アダプターやケーブルが必要になることがあります。M152Hは、変換の手間がない通常サイズのHDMI端子がそのまま使えるのも気が利いています。

ところでM152Hのこれら映像入力端子ですが、すべて背面で上向きになっているのも特徴的な点です。これにより、接続したケーブルがモバイルモニターの後ろや横に極端に飛び出ることがなく、全体として少ない占有面積で使えるようになっています。このあたりも実用時の使い勝手をしっかり考えたGeChicならではの作りと言えるのではないでしょうか。

端子は背面側で上向きに。ケーブルやコネクタが飛び出たり、邪魔になったりしにくい

そしてもう1つ、今回特に注目したいところがUSB PDに対応していること。M152Hを付属ACアダプターなどから給電している状態で、映像入力用USB Type-Cにノートパソコンを接続した場合、モニター本体と一緒にノートパソコンの方にも給電されるようになっています。

付属品のケーブルとACアダプター
ACアダプター接続時は、Type-Cケーブル1本で映像出力とノートパソコンへの給電が可能

モニターからノートパソコンへのUSB PD給電は、据え置き型モニターでは今やそれほど珍しい機能ではありません。ただ、たとえば外出先から戻ったときにノートパソコンへType-Cケーブル1本差し込むだけで、モニターへの映像出力とともにノートパソコンの充電もできるという使い勝手の良さは、一度体験すると元に戻れないほど便利なもの。それがモバイルモニターでも可能になった、というのがM152Hの注目ポイントなのです。

他にはヘッドフォン端子があり、前面の両サイドにはステレオスピーカーが埋め込まれています。後ほど紹介しますが、右側面に用意されているUSB Type-AポートもM152Hの使い勝手を広げる装備の1つ。側面には電源ボタンやモバイルモニター本体の設定変更をするためのボタンが設けられ、目立たないながらも操作しやすい位置にあるのが好印象です。

映像出力と端子の並びにヘッドフォン端子
前面にステレオスピーカー
右側面に電源ボタンとUSB Type-Aポート
左側面に設定変更用のボタン
画質はくっきりとしたビジネス向けな雰囲気。好みに応じて明るさや色調のカスタマイズも可能

ノートパソコンの映像出力+給電 周辺機器も一緒に使える

では、M152Hがどんな用途に使えるのか、具体的な利用シーンをいくつか紹介していきましょう。

オーソドックスな使い方は、ノートパソコンとの組み合わせです。DisplayPort Alternate Modeに対応したUSB Type-Cポートをもつノートパソコンであれば、Type-Cケーブルを1本つなぐことで、パソコン本体のモニターと合わせて2画面のマルチモニター環境が簡単にできあがります。

ノートパソコンと接続。ケーブル1本でマルチモニター環境に

薄くコンパクトなサイズとともに、最小限のケーブル接続と、M152Hならではのケーブルが飛び出しにくい構造のおかげで、楽に持ち運びや移動ができ、狭いスペースにも余裕で設置できます。ノートパソコン側から給電するのでモニター用の電源を確保する必要はありません。

長時間作業したいときはやはり別途電源があった方が安心ですが、M152Hの給電にはモバイルバッテリーも使えます。1人あたりのワークスペースがそれほど広くないフリーアドレスのオフィスやコワーキングスペース、あるいはカフェであっても、マルチモニターをフル活用できるはずです。

ケーブルやコネクタがモニターの陰に隠れるためデスクが広々
長時間作業するために電源を確保したとしてもスペースには余裕が

自分のデスクのあるオフィスや自宅で仕事をしているけれど、据え置き型のモニターを置けるほどのスペースがない……なんて人もいるかもしれません。そんなときでも省スペースという利点をもつモバイルモニターのM152Hなら使える可能性があります。

しかも、持ち帰ったノートパソコンにType-Cケーブルを1本つなぐだけで瞬時にマルチモニター化し、同時にノートパソコンにも給電してくれる一石二鳥の使い勝手も実現します。これまで据え置きのモニターでしかできなかったようなスマートなワークスタイルが、モバイルモニターでも可能になるわけです。

自席に戻ったらケーブルをノートパソコンに差し込むだけでリッチなマルチモニター環境に

そしてさらに、Type-Cケーブルで接続しているときには追加の便利機能が使えるようになります。それが右側面にあるUSB Type-Aポートです。M152Hは実はUSBハブ機能も内蔵していて、Type-C接続時はType-Aポートにパソコンの周辺機器などを接続して使えます。

USB Type-Aポートにはパソコンの周辺機器などが接続可能

たとえば有線のマウスやキーボードなどを接続しておけば、ノートパソコンとケーブル1本接続しただけで、マルチモニター化して給電しつつ、外付けのマウス・キーボードも使用可能に。お気に入りのマウスやキーボードなら仕事の効率も高まります。ただし、Type-Aポートは1つしかないので複数の周辺機器を接続したいときは外付けのUSBハブと組み合わせると良さそうです。

外付けのキーボードやマウスをセットで使うときもType-Cケーブルを1本つなぐだけ
USBハブを使えば複数の周辺機器が使用可能

スマホやゲーム機、カメラともつながる

M152Hはスマホとも接続できます。ノートパソコンのときと同様、対応スマホであればType-C接続でスマホ画面をモバイルモニターに映し出せるうえ、M152Hに給電しているときならスマホのUSB PDによる急速充電も可能。もちろん、USB Type-CになったiPhone 15シリーズとの接続も容易です。

M152HはiPhone 15シリーズの外部モニターにもなる

スマホとは比較にならないほど大きな15型のモバイルモニターなので、動画コンテンツを視聴するのにはもってこいでしょう。たいていはモノラルのスマホ内蔵スピーカーに比べれば、M152Hの内蔵ステレオスピーカーは高出力で音の広がりもあり、臨場感ある迫力のサウンドが楽しめます。

スマホ側で再生した動画コンテンツを大画面、高音質で鑑賞

HDMI端子を使えばゲーム機とも接続できます。PlayStation 4/5のような据え置き型ゲーム機でも使えますが、モバイルモニターの機動力の高さを活かすという意味では、やはりNintendo Switchとの相性が抜群です。Nintendo Switchとは、直接Type-C接続する方法と、ドックを介してHDMI接続する方法の2通りが選べます。どちらの場合もプレーするときはコントローラーを本体から取り外して操作することだけ注意してください。

Nintendo Switchとの組み合わせはバッチリ

筆者が確認した限りでは、Type-C接続でもモバイルモニター側にACアダプターで給電しておく必要がありました。が、この場合はモバイルモニターに映像出力されるとともにNintendo Switch本体に給電されるので、バッテリー残量を気にすることなく遊べます(コントローラーの電池残量には注意しておかなければなりません)。

大画面で、しかもバッテリー残量を気にせずプレー可能

M152HとNintendo Switchのセットなら、出張先や旅行先に持って行くのも難しくないサイズ・重量感。ひと息つきたいときにさっとバッグから取り出して、昼でも夜中でも気兼ねなくゲームを楽しめそうです。なお、M152HのType-Aポートにキーボードを接続して、Minecraftなどをプレーしやすくする、といったワザも使えたりします。

年末年始の帰省時に、M152HとNintendo Switchを持って行って、皆でワイワイ遊ぶ、といった使い方もできそうです。

ちなみに筆者は、カメラ撮影するときの映像確認にもモバイルモニターを使用しています。カメラのHDMI出力端子(Micro HDMIなので変換アダプターが必要)から接続する形で、被写体を大画面で確認できるのでピント合わせが楽になるうえ、撮影した写真のプレビュー表示では細部の写りまでチェックできます。ちょっとした撮影スタジオ気分が味わえちゃうのもいいところ、かもしれません。

自宅仕事部屋の簡易スタジオで物撮り。ピント合わせや撮影写真の確認に重宝する
カメラ側はMicro HDMIのため変換アダプターが必要。端子部があまり頑丈とは言えないのもネックではあるけれど……

モバイルモニター1台で仕事も趣味もアップグレード

単にコンパクトで持ち運びやすいだけ、と思われがちなモバイルモニター。でも、USB Type-C接続に対応し、しかも同時にUSB PDによるノートパソコンやスマートフォン、ゲーム機などのデバイスへの給電も可能なM152Hは、これまで以上にそのコンパクトさを活かせるようになっています。

ケーブル接続が少なく済むのもそうですが、背面のインターフェースが上向きになっていてケーブルが邪魔になりにくいこと、デバイス側を充電するための電源確保の必要がない(ACアダプターなどを持ち運ばなくて済む)こと、といった点はその大きな要因です。

とりわけNintendo Switchについては、従来のモバイルモニターだとドックも一緒に使うのが基本だったところ、M152HではSwitch本体とType-Cケーブルのみで大画面出力+充電が可能というこれまでにないメリットにつながっています。

On-Lap M152Hの市場想定価格は39,800円。ノートパソコンを使った仕事用途ではいつでもどこでも簡単にマルチモニター環境にアップグレードでき、スマホの動画鑑賞やゲームといったエンタメ用途ではシンプルな接続方法で映像の美しさや迫力を思う存分堪能できます。M152Hが日々の生活を一段と楽しく、快適にするのに役立ってくれることは間違いありません。