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東京の子育て支援「018サポート」を申請した 予想外? にスムーズに完了

東京都が実施している、子供を対象に月額5,000円を支給する子供・子育て支援「018サポート」に申請しました。手続きのわかりづらさに批判の声もありますが、案外すんなり申請できたので、なぜスムーズに完了できたのかを考察するとともに、実際どんな手順で進めたかをお伝えします。

018サポートとは、東京都が都内に在住する18歳以下の子供に対して1人あたり月額5,000円、最大6万円(1年分)を支給するという子供・子育て支援です。「2023年度中に都内に住所を有する又は有していた人」が対象で、同年度内に都内に転入もしくは出生した場合も対象となります。

都内に在住している月数に応じての支給で、私の子供は'23年12月生まれ。なので対象となるのは'24年1月から3月までの3カ月ということなります。

解説動画の指示を無視してA4のガイドに従った

「すんなり完了」はできた印象ですが、「簡単に完了」ではないので、そこは誤解なきようお願いします。“3ステップで簡単申請”なんてことは一切なく、何度となく「次へ進む」をタップしましたし、さまざまな確認・質問項目に回答する場面もありました。それでも「すんなり完了」と感じられたのはなぜか。そこには3つの前提があるものと考えています。

1つ目は、先人たちの「難しい」「わかりづらい」という声を聞いていたため、申請時には「これから大変なことに臨む」と気を引き締め、警戒心をもって慎重に事を運んだからです。つまり、気持ちの問題です。

すぐに終わるだろうとたかをくくって申請に臨んでいたら、まだ終わらない・まだ終わらない・いつまで続くんだー! となっていたと思います。それくらい長丁場です。心の乱れは注意力低下・確認ミス・入力ミスに繋がり、負のスパイラルに突入します。

相手は難敵であるという意識をもって手続きをしたことで心が折れることもなく、終わってみれば思っていたほど大変ではなかったという印象となったわけです。

2つ目は、先人たちがわかりづらさに不満の声をあげ、都がその声に応えて各所改善してくれたことです。改善した主なポイントについては、公式サイトでも紹介されています。

途中で諦めてしまった人も、もし挫折した部分が改善されているようであれば、再度挑戦しても良いのではないでしょうか。これら以外にも、表記や表示などの細かい改善も行なわれているようです。結果として現段階では、手続き上の「わかりづらさ」は感じませんでした。

新しいサービスは、本格運用を開始してから出てくる課題も多々あります。その課題を放置することなく対応して改善する姿勢は評価して良いと思います。

ちなみに改善ポイントの2つ目にあげられている生年月日入力について、とあるベビー用品店のアプリの生年月日入力もカレンダー形式でした。ユーザー数の多い育児関連サービスを参考にしてみたら思いのほか一般的ではなかった、という経緯があるのかもしれません。

3つ目は、動画も含めてWebサイト上の情報はほとんど参考にせず、A4・1枚の「018サポート・ガイド」(以下、A4ガイド)を参考にして手続きしたことです。A4ガイドは、私は出生手続きで区役所に行った際に紙で受け取りましたが、東京都福祉局のWebサイトからPDFをダウンロードすることもできます。

東京都福祉局 018サポート

018サポート・ガイド

解説動画で全体の流れは確認できるかもしれません。でも、「全体編(マイナンバーカードでの本人確認編)」の動画の時間は7分47秒。1回閲覧しただけで全ての内容を記憶することは、私にはできませんでした。

その点、A4ガイドはA4サイズの表裏という限られたスペースの中に、おそらくは数多ある情報の中から重要なものを厳選して記載していると想像できますし、全体の流れをざっくりと把握できるレイアウトになっています。各ステップの詳細情報も、「これさえおさえておけばOK」という内容になっている気がします。

詳しくは後述しますが、Webサイト上や動画で「事前準備として必要」とされている一部作業も、A4ガイドに書かれていないからという理由で事前には行ないませんでした。この判断も、間違っていなかったと思います。

かかった時間は約40分。やるべきことは多いです

ここからは、実際にどのような流れで申請を行なったかを紹介します。私はスマホで申請を行ないました。OSはiOS 17です。

これ以降の画像点数はかなりの数に及びます。それだけで、相当の心の準備が必要ということは理解していただけると思います。

A4ガイドに記載された最初のステップは「必要な書類の準備」です。私は、マイナンバーカード、住民票の写し、銀行のキャッシュカードの3点を用意しました。これが準備できたら、もう「『018サポート』のホームページにアクセス」してOKとのことです。

A4ガイドにあるQRコードを読み込むと表示されるトップページで「新規申請」をタップします。「新規申請について」のページに書かれた内容を読んでいくと、「TRUSTDOCK」アプリのダウンロードと、対象者区分の確認をせよとの指示が書かれていました。

が、これは無視しました。だってA4ガイドにそんなこと書いてないんだもの。それどころか、A4ガイドではアプリイントールは次のステップに書かれています。A4ガイドに従うと決めた以上は揺らぎません。

どこかで行き詰って振り出しに戻る覚悟もしつつ、「~まずはここから!~必要書類・申請方法を確認」をスルーして下にスクロール。「新規申請」をタップします。

トップ画面(左)から「新規申請について」(2枚目)に進むと、そこにアプリインストールや対象者区分を促す文言(3枚目赤枠部分)。でもスルーしてスクロールし、「新規申請」に進んだ
A4ガイドの説明では、アプリイントールはユーザー登録の後に登場する

最初の作業は、メールアドレスとパスワードの登録です。これを行なうと登録したメールアドレスに確認コードが届き、コード入力画面で登録すると、マイページに進みます。

メールアドレス登録画面(左)と登録完了後のマイページ(右)

マイページの「初回申請はこちらから」をタップすると、「はじめに」と「利用規約」の2つの読み物ページを経て、「誓約・同意事項」へと進みます。誓約・同意事項は最初の難所でしょうか。気を引き締めて、しっかり内容を読みながらチェックを入れていきます。チェック項目は11個ありました。その次に対象者(子供)の年齢確認があります。

続いて「本人確認方法の選択」となります。下にスクロールしていき、「マイナンバーカードによる申請」を選んで次へ進みます。

すると出ました。最初にスルーしていたTRUSTDOCKアプリのインストールです。でも大丈夫、この画面からApp Storeへアクセスできます。A4ガイドに書かれている内容は正しかったというわけです。

本人確認方法の選択画面(左)をスクロールして「マイナンバーカードによる申請」を選択(中)すると、アプリインストールを促す説明とApp Store等へのリンクが表示される(右)

アプリをインストールして開き、「本人確認を始める」とタップすると、アプリの説明、居住国の選択、利用規約、プライバシーポリシーを経由し、東京018サポートが公的身分証の提出を求めているとのページに到達します。

さらに進んで、署名用パスワードの入力、マイナンバーカードのスキャンをして、この作業は完了です。ここで提出した個人情報は「マイナンバーカードのICチップ内に記録された氏名・住所・生年月日・性別」とのことです。その後、自動で申請ページに戻り、認証が完了した旨が表示されます。

アプリのインストールから本人確認完了まで
完了すると自動で申請ページに戻る

次に「申請者情報の登録」へと進みます。申請者とは今回の場合は作業をしている私、つまり親の情報です。マイナンバーカードの情報から自動で氏名、住所、生年月日は登録されています。それ以外の氏名(フリガナ)や郵便番号、電話番号などの基本情報を入力していきます。

名前は自動で登録されているが、氏名(フリガナ)は手動で入力する

入力を進めながらスクロールしていくと、申請者の口座情報の登録欄もあります。給付金の振込先が申請者名義の口座(今回は私の口座)の場合はここで入力します。子供の名義の口座への振込を希望する場合はここでの入力は不要で、後ほど子供の口座情報を登録します。

よく見ると、'23年9月に公開した弊誌の記事の「赤字で」という要望が反映されていますね。

口座名義の部分は半角カナでの入力を求められ、スマホで半角カナってどうやって出すんだっけ? とたじろぎましたが、全角カナで入力したら半角カナに自動で変換されました。

口座情報入力が完了したら、振込口座確認書類のアップロードです。「ファイルアップロード」をタップすると、「写真ライブラリ」「写真を撮る」「ファイルを選択」が表示されます。

私は事前に写真を撮っていなかったので、「写真を撮る」を選択。カメラが起動するのでキャッシュカードの写真を撮り、完了すると自動でアップロードされます。

次は「対象者(子供)情報の登録」です。すると来ました「対象者区分」の入力です。画像は入力した後ですが、このページを開いた時には空欄になっています。

事前準備していない、最初のページに戻らないといけないのか……。問題ありませんでした。記入欄の上にある「対象者区分はこちらで確認してください」をタップすると、対象者区分確認ページが、新規タブで表示されます。

「必要書類・申請方法確認」のページが表示され、「必要書類・申請方法(対象区分)を確認」へと進みます。すると質問が6つ続きます。ここは間違いのないように慎重に。

回答が完了すると、対象者区分が表示されます。私は「A27-2」でした。「対象者区分をコピーする」の部分をタップして、対象者(子供)情報の登録ページのタブに戻り、ペーストして完了です。

これにてスルーしていた事前準備の2つとも、申請途中の手続きでクリアできました。事前に用意しようが途中でやろうが大して違いはないかもしれませんが、いつ必要になるのかわからないまま作業をするより、必要になったタイミングで必要な作業をする方が、私の性には合っています。

ちなみに、改善ポイントに挙げられていた生年月日登録は、現在はこのような感じです。

子供情報の登録が完了したら、家族関係確認書類のアップロードです。住民票の写しを選択し、口座情報登録時のキャッシュカードの時と同じように、「写真を撮る」からアップロードしました。

この後、「振込口座情報の登録」に進み、受取口座を「申請者の名義」と「対象者(子供)の名義」から選択するわけですが、「申請者の名義」の場合はすでに登録しているので何も登録せずに進むことになります。「対象者(子供)の名義」の場合は、この段階で登録や振込口座確認書類アップロードを行なうのでしょう。

あとは登録内容の確認へと進み、申請完了となります。マイページでは「申請中」となります。スクショの時計を確認すると、018サポートのページにアクセスしたのが「18:04」、申請完了ページが「18:41」です。各ページのスクショを撮りながらの進行でしたが、30~40分というのが申請にかかる時間の目安になるのではないでしょうか。

この手間と時間を、長いと感じるか、こんなものだろうと感じるかは人それぞれだと思います(簡単・短いと感じる人は少数だと思いますが)。思い返せば、コロナ給付金の際には誤給付や不正受給が多数発生しました。都としては、あの時と同じことにならないよう慎重になっているのかもしれません。

申請の期限と支給時期は、3月15日までに申請した場合は4月に支給、3月16日以降については「改めてお知らせします」となっています。せっかく支援していただけるのですから、対象者は面倒くさがることなく、早めに申請してみてはいかがでしょうか。そして私個人としては、書類の不備など何事もなく審査完了となることを祈るのみです。

加藤綾