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「渋谷サクラステージ」竣工で歩行者・自動車動線とバス停が変わった
2023年12月14日 08:20
渋谷駅直結の複合施設「Shibuya Sakura Stage(渋谷サクラステージ)」が11月30日に竣工した。これに伴って道路の一方通行の方向が変わったり、バス停が移動するなど周辺の交通環境に変化があった。ここでは現場の写真とともに状況をまとめた。
サクラステージは屈指のターミナル駅と繋がる大型再開発として、東急不動産が主体となって進めているプロジェクト。オフィス、住居、商業施設などからなり、2024年夏の全面開業を目指している。
資料の出典は、渋谷区による「渋谷駅桜丘口再開発(渋谷サクラステージ)開業に伴う交通環境説明会(第2回)」から。特記無き写真は12月10日撮影。
歩行者動線:高架の整備で線路と道路による分断を解消
再開発前の桜丘町地区は、国道246号やJR線により東西、南北方向とも分断されていた。さらに地形の高低差も大きいことから、駅と周辺を繋ぐ歩行者動線が弱かった。
まず、サクラステージには垂直方向の動線を確保する「アーバンコア」(エスカレーター)を設置。1~3階の移動をスムーズにすることで、例えば渋谷駅方面の歩行者デッキと桜丘地区の行き来がしやすくなる。地上からアーバンコアで歩行者デッキに上がれば、渋谷スクランブルスクエアや渋谷フクラスといった施設にも行ける。
さらに、JR山手線および埼京線の上に「北自由通路」と「南通路」の2つの歩行者用高架を整備。いずれもサクラステージの3階に接続されている。
北自由通路はアーバンコアから歩いてすぐの場所にあり、サクラステージから渋谷ストリーム(3階)に直結している。なお北自由通路は、2026年竣工予定の「渋谷駅南口橋上駅舎(仮称)」に接続される。
一方の南通路はJR新南口改札(2階)に直結したほか、同改札外を通ってホテルメッツ側(渋谷三丁目方面)に移動できるようになった。
また、サクラステージのすぐ脇を通る補助線街路第18号線上にも2つの歩行者デッキを新設した。西側のデッキを通るとサクラステージのSAKURAテラス(B先端棟)へ、東側のデッキを通るとサクラステージのBおよびC棟側に行ける。
補助線街路第18号線(以下、18号線)の横断歩道も変更されている。さくら坂と18号線の交差点では、従来さくら坂と平行に18号線上にあった横断歩道が廃止され、その少し西側に国道246号と平行になる形で移動された。
また、区道432号(中央通り)と18号線の交差点には信号機を新たに設け、横断歩道4本からなるハーフスクランブル形式の横断歩道を新設した。
そのほか、サクラステージ東側の18号線と区道439号線の交差点(18号線を恵比寿方面に進んだ場所)にも横断歩道を整備した。これらにより、18号線は地上レベルでも歩行者動線が確保される。
18号線上にはタクシーベイができ、6台分の乗降用エリアが確保される。場所はSAKURAテラス脇の1カ所で、向きは渋谷駅方面となる
自動車動線:一方通行の方向が逆に
サクラステージ竣工により18号線の交通量増加が見込まれることから、図の通り2本の道路で一方通行規制の変更が12月1日早朝に行なわれた。
区道342号線は上り方向の一方通行が下り方向に変わった。また、区道448号線は西向きだった一方通行が東向きに変更された。
これまで、区道432号線は代官山方向から来た場合、区道448号線に左折のみできたが、変更により直進しかできなくなった。
また18号線から区道432号線には入れなくなったため、右折直後に左に進み、補助441号線に入る必要がある。補助441号線は途中に急なカーブもある上り坂となっている。
区道432号線の一方通行規制が変更された両端には誘導員が配置されて案内をしていた。変更直後とあってか、いずれでも進入できない方向に行こうとしてしまい、誘導を受ける車両も見られた。
ハチ公バス:ルートとバス停の変更
渋谷区のコミュニティバス「ハチ公バス」の一部ルートが変更されるほか、1カ所のバス停が移動となった。12月1日から新しいルート、バス停で運用されている。
区道448号線の一方通行規制変更に伴う措置。「恵比寿・代官山循環夕やけこやけルート」が図の通りルート変更となる。代官山方面から区道448号線に入れなくなったため、大回りして従来のルートに合流する。
ルート変更に伴って、文化総合センター大和田前にあったバス停「文化総合センター大和田」(渋谷駅西口・渋谷区役所方面行き)が、渋谷インフォスタワー沿いに移設。東急トランセのバス停「渋谷インフォスタワー」と統合された。新しいバス停までは徒歩1~2分となる。
一方、同ルートの「恵比寿駅・代官山駅方面行き」のバス停は文化総合センター大和田前にあって変更は無い。