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なぜコンビニで「お湯」が売られるのか

コンビニでペットボトルの“お湯”が売られはじめているのをご存知でしょうか。アサヒ飲料がホット専用商品として「アサヒ おいしい水 天然水 白湯」として展開しており、2022年11月から全国のセブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンで販売されています。

なぜ“お湯”を売るようになったのか、どういった需要があるのか、各社に聞いてみました。ちなみに白湯は「水を一度沸騰させたお湯」のことを指します。アサヒ飲料の製品は、白湯の適温とされる約50~60℃に温めた状態で販売されています。容量は340ml。

白湯をいち早く販売したのはセブン-イレブン。「寒い時期に外出先で温かい水(白湯)が飲みたい」「薬を飲むときに温かい水があると嬉しい」という要望があり、2022年2月に東京都内と神奈川県内の一部店舗でテスト販売を始めました。

このテスト販売には多くの反響があり、全国展開を望む声が多かったことから11月より全国販売をスタート。セブン-イレブン広報によると、購入者は女性や高齢者が多いそうです。具体的な用途を聞くと「水分補給」と回答がありました。

テスト販売時は、タニガワプラントの「谷川岳の天然水」ホットを取り扱っていました(2022年2月撮影)

ファミリーマートは11月から白湯の取り扱いを始めていますが、販売理由を聞くと「妊婦さんなど女性を中心に、ノンカフェインで味もない体に優しい温かい水の品揃えが欲しいとの声が冬場に一定数あったため」と回答がありました。

ローソンも11月から同製品を販売しており、「当社ではお茶や紅茶などを温かい飲料として展開していますが、白湯も昔から馴染みがある飲み物で需要があると思い取り扱うようになりました」(ローソン 広報部)とのこと。

各社ともに「アサヒ おいしい水 天然水 白湯」を販売

また、製造元のアサヒ飲料によると、白湯の飲用経験率は年々増加しており、2009年の11.8%から2022年には61.0%と約5倍に。白湯は女性が飲用する印象が多いようですが、男性の飲用経験率も2022年には54.4%と半数以上を占めています。

アサヒ飲料の調査によると、白湯が飲まれる時間帯は朝が多いようです。女性は「冬場の冷えや寒さ対策」を中心に「体に良さそう」、男性は「朝からカフェインを取りすぎないように、意識して白湯を飲んでいる」といった飲用理由が挙がっています。

筆者も外出先でサプリや薬を飲むとき、これまでは常温の水を買っていましたが冬場にコンビニで白湯を見かけるようになってからは、どうせなら温かいものが良いと思い白湯を買うようになりました。

各社ともに製品は全国展開していますが、全ての店舗で取り扱っている訳ではありません。今後、より多くの店舗で販売されることを期待したいと思います。