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電車に乗るだけでポイントが貯まる「JRE POINT」 Suicaユーザーは忘れず登録

電車やバスなどで必須とも言える交通系ICカード「Suica」。日本で生活する多くの人が使っている“インフラ”的なサービスですが、連携するポイントサービス「JRE POINT」は「知らない」、「使っていない」という人も多いようです。

基本的に「JR東日本エリア」向けのサービスなので、エリア外の人にはあまりメリットがないかもしれませんが、エリア内であれば“電車に乗るだけ”でポイントを貯められます。一度設定してしまえば、ある程度Suicaを使う人であれば、そこそこポイントが貯まっているので、忘れずに設定しておきたいところです。

8月29日には、JRE POINTがリニューアルし、第2パスワードの入力での「生体認証」に対応したほか、モバイルSuicaの複数登録に対応。スマートフォンを2台以上持っている場合でも種類に関係なく最大20件までSuicaを登録できるなど、機能も改善されています。リニューアル後は、動作が不安定な時期もありましたが、だいぶ安定してきたようです。この機会に、JRE POINTを貯める・使う方法をまとめました。

Suicaを使って電車や新幹線に乗るだけでポイントが貯まる

JRE POINTでポイントを貯めるには、ユーザー登録に加えて自分のSuica番号を登録しておく必要があります。登録できるSuicaの数は最大20件で、今回のリニューアルで、複数のスマートフォンで「モバイルSuica」を利用している場合も登録できるようになりました。

JRE POINTの貯め方はいくつかありますが、最も手軽に貯めやすいのがSuicaを利用した乗車。カードタイプのSuicaは200円で1ポイント(0.5%)ですが、スマートフォンのSuicaは50円で1ポイント(2%)と、4倍のポイントを貯めることができます。在来線だけでなくグリーン車や、予約不要で新幹線に乗れる「タッチでGo!新幹線」、スマートフォンのSuica定期券も同じ率でポイントを貯められます。

電車に乗るだけでポイントがもらえる

新幹線の乗車も、JR東日本の「えきねっと」に登録することでJRE POINTを貯めることができます。付与率は紙のチケットが一律0.5%、紙のチケットを発行しないチケットレスの場合は新幹線が2%、在来線特急列車が5%になります。

「オフピーク通勤」や「リピート」でもポイント付与

JRE POINTはちょっと変わった乗車のポイント付与サービスも提供しています。

その1つが「オフピークポイントサービス」。Suicaの通勤定期券を持っている人のみが対象となるサービスですが、平日の朝にいわゆる「オフピーク」と呼ばれる時間帯に入場すると、毎月4回目までは5ポイント、5回目以降は25ポイントを貯めることができます。

通勤ラッシュ前後の時間帯で電車に乗るとポイントがもらえる「オフピークポイントサービス」

対象となるオフピークの駅入場時間帯は駅によって異なりますが、山手線はおおよそ6時30分前後から7時30分前後、または9時前後から10時前後という2つの時間帯が対象となります。会社の出社ルール次第ではあるものの、オフピークに通勤できる人であれば、より多くのポイントを貯められます。

さらに変わったポイント付与サービスが「リピートポイントサービス」。これは1カ月のうち、同じ運賃で乗車した回数が10回に達するとその乗車1回分、11回目以降は乗車金額の10%を付与するという仕組みです。

同じ金額の乗車が10回以上で割り引かれる「リピートポイントサービス」

対象は金額が同じであれば区間は違ってもかまいません。新宿から渋谷、新宿から池袋はどちらも160円なので、この2つの区間に乗車しても同じ金額としてカウントされる、ということになります。

同じ区間を乗り降りする人はもちろん、特に乗り降りする駅が決まっていなくても、たまたま同じ金額が10回貯まると還元されるというボーナス的な付与も期待できるので、JR東日本の電車に乗る機会が多い人は登録して損のないサービスです。

Suicaの買い物や専用アプリのゲームでもポイントが貯まる

Suicaでの買い物でもJRE POINTを貯めることができます。JR東日本のコンビニエンスストア「NewDays」や、JR東日本の駅ビルなどJR東日本関連の店舗が対象にはなりますが、基本的には200円で1ポイント(0.5%)、JR東日本の自動販売機「acure」やスポーツクラブ「JEXER」は100円で1ポイント(1%)を貯めることができます。

Suica支払いでポイントが貯まる

買い物のたびにポイントカードを提示するのは面倒ですが、JRE POINTなら対象施設のみとはいえSuicaで買い物をするだけで自動でポイントが付与されるのはとても便利。JR東日本エリアであれば対象施設を利用する可能性も高いだけに、事前に登録しておくことをお勧めします。

乗車や買い物以外でも、JR東日本の駅ビルといった施設でポイントがもらえる「チェックイン」や、後述するアプリ内のゲームでは、期間限定でしか使えないという条件はあるものの、JRE POINTを貯めることができます。

チェックイン機能

このほか、買い物時にJR系列の店舗でJRE POINTアプリのバーコードを提示したり、JR東日本グループのクレジットカード「ビューカード」で買い物してもJRE POINTは貯められます。電車の乗車やSuicaでの買い物に比べると他のポイントやクレジットカードとの棲み分けを考える必要もありますが、JRE POINTの利用頻度が上がってきた人は改めて検討するのもいいでしょう。

バーコードの提示でポイントがもらえる

Suicaに「チャージ」や特急席のアップグレード

貯まったポイントはJR系列のお店やECサイトで1ポイント1円として使えるほか、Suicaに1ポイント1円でチャージすることもできます。また、JRE POINTはポイントで支払った分もポイントとして還元されるため、「この買い物をポイントで支払うとポイントがもらえないな」という心配も不要です。

貯まったポイントはSuicaチャージできる

新幹線や特急の座席グレードアップにもJRE POINTは利用できます。通常のグリーン車料金よりも割安になっており、距離によって500円から3,000円近くトクになることも。最近筆者は出張などで体力を温存したい時など、JRE POINTで積極的にグリーン車を利用するようになりました。

座席アップグレードの一例。グリーン車は本来5870円のところが、3,500ポイントでアップグレードできる

リニューアルで複数スマホに対応。生体認証も導入

8月29日にはJRE POINTのWebサイトとアプリのリニューアルが実施され、デザインが一新されたほか、細かな使い勝手の改善が行なわれました。

リニューアルした新アプリ

リニューアル以前からのユーザーとして地味に嬉しい改善は生体認証の導入でしょう。これまで第2パスワードの入力が必要だった場面で、指紋認証や顔認証を使えば第2パスワードの入力が不要になりました。

第2パスワードの代わりに生体認証の利用が可能に

以前まではバーコードを表示するだけでも第2パスワードの入力が必要になるため、店頭でバーコードを見せようとして時間がかかるということがありましたが、リニューアル以降、筆者の確認している範囲ではバーコード表示で第2パスワードが求められることはなくなったようです。そのため、生体認証非対応のスマートフォンでもバーコードの使い勝手は向上していると思われます。

また、複数のスマートフォンでモバイルSuicaを利用している場合、これまでは1台しかJRE POINTに登録できませんでしたが、リニューアル後は種類に関係なく最大20件までSuicaを登録できるようになりました。この登録にはApple WatchのSuicaも含まれます。

複数のスマートフォンでSuicaを利用している場合も登録が可能に

一方で、これまでのバーコードは貯めるのも使うのも共通のバーコートでしたが、リニューアルの直前からバーコードの仕様が変わり、ポイントを使うには別途手続きが必要になりました。いざというときにポイントを使えない、ということがないよう、早めに手続きしておきましょう。

ポイントを使うためには別途手続きが必要に

このほか、以前まで提供されていた「鉄道すごろく」が終了となり、代わりに「コレクション」という新しいミニゲームが始まりました。1日1回遊べるスロットゲームや、Suicaでの買い物金額に応じてコインが貯まり、新幹線や在来線、JR東日本の車両をモチーフにしたキャラクター「とれたんず」などをアイテムとして集めることで期間限定のJREポイントを集めることができます。

新しく始まった「コレクション」

余計なことを考えずにポイントを貯められるのが魅力

最近ではさまざまな決済サービスでポイント還元が行なわれており、お店や時期によってポイントが倍になる場合もあります。うまく活用すればたくさんのポイントが得られる一方、どのキャンペーンを選べば一番得をするのか考えるのも大変です。

その点、JRE POINTはJR東日本の電車に乗る人であれば、余計なことを考えずにポイントを貯めることができるのが、面倒くさがりの筆者が気に入っているところです。オフピーク通勤や、定期券を持っていなくてもこまめに電車に乗る人であればさらにポイントをもらえたりと、面白いサービスもいくつか提供されています。

Suicaを使っている人しかメリットのないポイントサービスではありますが、逆に言えばSuicaを使う人ならメリットしかないとも言えるJRE POINT。SuicaユーザーはぜひJRE POINTを登録して、お手軽にポイントを貯めてみてください。