トピック
炭酸+氷で割るビール サントリー「ビアボール」を飲んだ
2022年9月6日 10:00
サントリービールから、日本初の炭酸水でつくるビール「ビアボール」が、業務用は10月4日、家庭用は11月15日に発売されます。家庭用小瓶の価格は334mlで698円です。これを先行して飲めるお店があるということで、飲んできました。
ビアボールは、氷を入れたグラスに炭酸水、ビアボールの順に入れて飲むタイプのビールです。炭酸水で割ることを製品上で訴求する日本初のビールとのことで、そんなビールは聞いたことがありません。焼酎に入れて飲むビアテイスト清涼飲料水「ホッピー」は好んで飲みますが、ビアボールの場合は“原液”側にアルコールが含まれていて、かつ品目は「ビール」とされていますので、全くの別物と考えていいでしょう。
ビアボールはビールの代わりとして飲むお酒?
ビアボールを先行して飲める場所は、全国のプロント約30店舗を始めとした飲食チェーンから個人の飲食店まで、1,000店舗以上あります。今回お伺いしたのは、ムスブ田町内のムスブガーデンで、9月30日までの期間限定で出店している「ビアパーク田町」。店長を務める稲井裕一さんにお話を聞くこともできました。
ビアボールはアルコール度数16%で、氷と炭酸水で作って自分好みの濃さで楽しめるのが特徴です。ビアパーク田町では瓶での提供はなく、「ノーマる?」「濃くする?」「ほろよう?」の3つの濃さで提供しています。アルコール度数の目安は、ノーマる?が4%、濃くする?が8%、ほろよう?が2%とのこと。今回は初めてということでノーマる?を選んでみました。なお、ビアパーク田町では3つの濃さから選べますが、提供方法は店舗により異なります。
“自由なビール”ですから、感想も自由に述べさせていただきますと、“1杯目のビールの代わりとしては物足りないけれども、2杯目以降にいいかも”です。
ビールを飲む人にもいろいろあって、ひたすらビールを飲み続ける人と、2杯目以降はビール以外のものを飲む人がいると思います。さらに後者には、ビールとは違う味を楽しみたい人と、ビールの味は好きなんだけどビール特有の炭酸でお腹が一杯になるのを嫌って切り替える人がいるのではないでしょうか。私は普段、1杯目はビール、2杯目以降はサワー系などに切り替えますが、後者の理由からです。
ビアボールは、味わいや鼻に抜ける香りは確かにビール。しかし炭酸が、どうしてもビール特有の炭酸とは異なります。1杯目の生ビールで感じたい、喉が喜ぶ感覚はビールと比べると小さいんです。2杯目以降は、炭酸感よりもビールの味わいを楽しみたいので、ビアボールがぴったりはまるというわけです。
といってもこれは私個人の感想。ほかのお客さんはどのような飲まれ方をしているか、稲井さんに聞いてみました。
「SNSを通じてビアボールとビアパーク田町のことを知ったという方が多く足を運んでくださっているので、1杯目からビアボールを頼まれる方も多いですね」
最初からビアボール目当てで来ている方が多いということですね。田町という場所、しかも多くの企業があるムスブ田町の敷地内ということで、ビジネスパーソンが多いのかと思っていましたが、性別も年齢層も問わず、幅広いお客さんが来ているとのこと。田町で働いている方、周辺に住んでいる家族連れから、わざわざ他の駅から田町まで足を運ぶ方も多いそうです。
1杯目にビアボールを飲んで、どういった感想を持たれる方が多いんでしょう。
「若い方からは『ビールよりも飲みやすい』というお声をいただきます。『ビールを飲めるようになりたい』と、ビアボールのほろよう?を選ばれる方もいらっしゃいましたね」
ビール離れが進んでいると言われていますが、飲めるようになりたいというニーズもしっかりあるんですね。こういった層を取り込むことができれば、ビアボール開発の狙いでもある「新たなカテゴリー創出によるビール市場活性化」につながるかもしれません。
若い方たちだけではなく、私のようなお酒好きのおじさんにも利用されているんですよね。そういった方はどのような飲み方をするんでしょう
「同じように1杯目からビアボールという方もいれば、1杯目はビール、2杯目からをビアボールとハイボールで悩むという方もいますので、普通にお酒を楽しむ場として利用されている印象です。普段、ウイスキーのソーダ割をダブルで嗜まれている方が、1杯目からビアボールの濃くする?を選ぶケースもありました。ラインアップにはありませんが、ロックを求める声もいただいています」
“自由なビール”という謳い文句通り、人それぞれ好みに合わせて自由に楽しまれているようです。ビアボールを推している店でビアボールを飲まない自由だってもちろんあります。美味しく、楽しく飲めればいいんです。
炭酸以外で割ることで、濃さだけではなく味も自由に選べる
ビアパーク田町では、そんなビアボールの自由さを活かしたメニューも用意しています。その1つが2杯分のビアボール“原液”と、「バイス」などの割材1本をセットにした「シェアする?」です。割材には味が付いていますので、ビールとはまた違った風味を楽しめそうです。割材にはバイスのほか、「青りんご」「ライム」「スンチー杏仁檸檬」「グレープフルーツ」があります。
「ほかにも、『TAMACHI ビアボール』という名称で、ビアボールを使ったカクテルも用意しています。『芝浦カモメレモン』『大門テラマチスタウト』『三田アオハルコーラ』の3種類で、芝浦カモメレモンが一番人気です」
人気といわれると飲まないわけにはまいりません。ということで、2杯目に芝浦カモメレモンをいただくことにします。
「レモンシロップを使っていて、飲みやすさと清涼感が特徴になります」
レモンシロップ? 甘さが強いレモンサワーは苦手なんですけど……と思いつつ飲んでみると、それほど甘みの主張は強くありません。最初にレモンの爽やかさを感じ、後を追いかけるようにビールならではのさっぱり感が香りとともに感じられます。これは美味しく、かつ面白い。唐揚げやフライドチキンに合いそう、と思いましたが、唐揚げに合うといわれるビールとレモンサワーの両方の要素が入っているわけですから、当たり前ですね。
ビールを使ったカクテルも様々なものがありますが、ビアボールでもビールのうまみを活かした、ビアカクテルとは一味違ったカクテルが作れそうです。お店ごとにオリジナルのカクテルが開発されていったら楽しいですね。炭酸のないビール由来のカクテルが作れる所もメリットかもしれません。
ビアボール発表時のリリースでは「自由な濃さでビールを楽しめる」ことを訴求していましたが、その自由度は発売前から「好きな味わいで楽しめる」ところまで拡大しています。私は早くも、何で割ってみようか悩み始めていて、11月15日の家庭用小瓶発売を楽しみにしています。
ビアボールのホームページから「ビアボールが飲める店」をマップでチェックできますので、気になる方はぜひ近所のお店を探して、試してみてください。