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au経済圏に「証券」融合。クレカ積立+通信で5%還元の狙い
2022年3月3日 08:00
auカブコム証券は、3月28日からau PAYカード決済の投資信託の積立で、積立額の最大5%のPontaポイントを還元するサービスを開始する。
auカブコム証券の口座利用者は、au PAYカードを使って投信積立が可能になるほか、毎月積立された投資信託の約定金額に応じて1%のPontaポイントを還元する。さらに、au回線の契約者であれば買付された金額の最大4%のPontaポイント、対象のUQ mobile回線契約者は最大2%のPontaポイントを12カ月間還元する。1%のPontaポイント還元と組み合わせると最大5%の還元となる。
auカブコム証券、au契約+クレカ積立でPonta最大5%還元
例えば毎月5万円の積立をしている場合、5%であれば毎月2,500ポイント、年間で30,000ポイントが付与される。1%でも500ポイント、年間で6,000ポイントが付与され、貯まったポイントは投資に再活用できる。
楽天証券、SBI証券、マネックス証券など、カードからの自動引き落としによる投信積立でポイントが貯まるサービス(クレカ積立)はネット証券各社が強化してきている。1%のPonta付与も業界最高水準だが、加えてauとUQ mobileの「通信サービス」まで組み合わせて、さらに高いポイント付与を行なう点が特徴。
「KDDIとタッグを組むことで強いリワード(報酬)を打ち出せた」(auカブコム証券)と語るとおり、auカブコム証券とau PAYカード発行のauフィナンシャルサービス、KDDIの協力により実現する。こうした通信“バンドル”展開は「本邦初」としている。
auカブコム証券の石月貴史社長は、この取組を「au経済圏の中に『証券』を融合させるための第一歩」と位置づける。
「auカブコム証券の口座獲得の過半がau経済圏から。KDDIは通信からライフデザインサービスの融合を進めており、その一つが金融。クレカ積立や通信顧客の特典といった“単品”だけでなく、au経済圏の進化の過程、第一歩と考えてほしい」(石月社長)
ポイントは、顧客獲得にも強いフックとなる。今回の施策で多くのユーザー獲得を狙うが、その中でも「auのユーザーに『積立を始めてみよう』と思ってほしい」とし、auユーザーを中心に投資層を拡大していく方針。
なおクレカ積立においては、証券会社の収益よりもポイント発行のコストがかさみ、赤字になる可能性が高い。先行していた楽天証券は、クレカ積立による毎月のポイント付与を3月を持って終了すると発表しており、「継続性」に疑問は残る。
auカブコム証券では、「投信積立オンリーだと、確かに厳しくなることはある。ただし、新たに証券口座を開き、他の証券取引もしていただければその限りではない。お客様の期待に答えられるよう検討していきたい」と回答している。
なお、ポイント追加の対象となる通信サービスは、auとUQ mobile(5G契約)でPovoは対象ではない。この理由は、「au利用者に多く還元することを考えた。『Povoはゼロから始める』ということで無料でも契約できる。特典設計上の理由と理解してほしい(KDDI)」とした。