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市街地でも雪や豪雨時にトレッキングシューズが活躍。防水性能で足を守る
2022年1月27日 08:20
一般的にはハイキングや山登りなどのアウトドアで使用されるトレッキングシューズですが、防水性能に優れているため雪や豪雨の時は街中でも大いに活躍してくれます。最近では機能性の高さからビジネスシーンでもトレッキングシューズを使う人が増えていて、メーカーもビジネスを意識したモデルを数多く発売。シーンやスタイルを選ばずに防水機能を備えたシューズをはくことができると、トレッキングシューズの人気はかなり高まっています。そこで今回は、トレッキングシューズの品揃えが充実しているエルブレス新宿店の神部直哉さんにおすすめのモデルを案内してもらいました。
「トレッキングシューズも、今はかなり多様化しています。各メーカーがユーザーからのフィードバックを踏まえ、防水機能を向上させてシューズ内が蒸れないもの、柔軟性がありしなやかなシューズなど、機能が進化したことで用途に合わせて選択の幅が広がっているのが最近の特徴です。また、アウトドアシューズといえば昔はカラフルなものが多かったのですが、今はファッションとしてシンプルな単色のモデルも増えているので、雨や雪の日には街中でもトレッキングシューズを活用していただければと思います」
防水機能付きのスニーカーやビジネスシューズとの違いは?
スニーカーやビジネスシューズにも防水機能付きのモデルがありますが、トレッキングシューズとはどのような違いがあるのでしょうか。
「ビジネスシューズやスニーカーは市街地を歩くことを前提につくられているため、用途が絞られます。一方、トレッキングシューズは防水機能に加えて靴底に防滑機能が付いていたり、タフな仕様だったりと+αの機能が盛り込まれているのでアウトドアからライフスタイルまでカバーできます。つまり、防水機能付きのスニーカーやビジネスシューズよりも幅広いシーンで使えるということです」
トレッキングシューズとスニーカーやビジネスシューズはソールにも違いがあり、さらにトレッキングシューズの中でも様々なタイプがあります。
「アウトドア・トレッキングシューズでは、アウトソールが肝心です。中でも『ヴィブラムソール』は要チェックです! 様々なシチュエーション・用途に合わせてパターン(型)・硬さを変えており、全天候対応に対応できるアウトソールです」
ビジネスシーンでは革靴が定番ですが、最近ではビジネスで使えるトレッキングシューズを探して店を訪れる方も多いそうです。
「コロナ禍でリモートワークが増えたことで『革靴での出勤がツラくなった』という方が多くいらっしゃいます。ただし正装はしたい、ということで見た目が革靴に近い黒一色のシューズが売れるようになりました。ここ数年でトレッキングシューズも黒一色のモデルが増えてきたので、トレッキングシューズにシフトする方も増えています」
街でもビジネスでもアウトドアでも使うことができ、天候も地形も選ばないオールマイティな一足となるトレッキングシューズ。今までは、仕事には革靴、街ではスニーカー、山ではトレッキングシューズという固定観念がありましたが、その垣根がなくなりアウトドアシューズ一足でいろいろな場所に出かけられるようになってきたわけです。
防水・防滑に特化したモデルなら大雨も凍結も怖くない!
そんな便利なトレッキングシューズの中でもおすすめのモデルを神部さんに選んでもらいました。
「まずは防滑、防寒といった機能性を備えたシューズを紹介します。KEENの『フッドゼラ ウォータープルーフ』(16,500円)はよくあるブーツスタイルですが、丈の長さが絶妙で非常にはきやすいモデルです。基本的にブーツスタイルのものはフィット感を調整ができないものが多いのですが、これはアッパーやかかとの部分にベルトが付いているので靴下の厚みやシチュエーションに合わせてカスタマイズができます」
「防寒機能を排除して防水をメインにしたコロンビアの『サップランド アークミッドオムニテック』(17,600円)は市街地でも気軽にはけるシンプルなデザインが特徴です。コロンビア独自の防水透湿機能オムニテックが雨や雪の侵入を防ぎ、シューズ内のムレを最小限に抑えるためはき心地は快適。黒一色はビジネスシーンでも日常でもはけるので、防水性を重視するならこのモデルがイチ押しです」
多彩なシーンで使えるアウトドア機能を重視したモデル
続いて紹介してもらったのは、防水透湿性のあるゴアテックスを採用したアウトドア機能が光る2つのモデル。どちらもトレッキングシューズとしてはスッキリとしたデザインで、一足持っていれば多彩なシーンで使えます。
「1つ目はスカルパの『モヒートハイクGTX』(23,100円)。少しクラシカルなスタイルで、レザーのアッパーにヴィブラムソールと、トレッキングに特化したモデルです。ソール部分はゴム自体がやわらかく、足首まわりもやわらかいので、トレッキングシューズ初心者でもはきやすい点が特徴。アウトドア系なので山もいけるし、ミッドカットのため防水フィルムも広範囲に入っていて豪雨や大雪でも安心です」
「サロモンの『SPEEDCROSS 5 GORE-TEX』(19,800円)は、山を走るトレイルランニングのカテゴリーから生まれた防水フィルム搭載のシューズです。ネガティブになりがちな雨や雪をポジティブに変換できるほどのポテンシャルを持っていて、『この靴なら電車やバスを待たずに雨でも雪でも歩いて帰ろう』と思わせるほど。雪や雨で寒い時は手先がかじかんで靴紐を結ぶのも大変ですが、これはクイックレースで瞬時に調節が可能。脱着もスムーズにできます」
カジュアルにはくならザ・ノース・フェイスを選ぶべし
カジュアルに使えるデザインのトレッキングシューズも紹介してもらいました。
「ザ・ノース・フェイスのシリーズはタウンユースまで見越したモデルが揃っています。ここで紹介する2型はどちらも透湿性に優れたゴアテックスメンブレンを直接アッパーに接着した、GORE-TEX インビジブルフィットを採用。そのため防水フィルム特有の硬さがなく、しなやかで街でもはきやすくなっています」
まず始めに紹介してくれたのは、ニット形状のアイテム。
「ニット形状でスニーカーのような『ベロシティ ニット GORE-TEX インビジブルフィット』(19,800円)は防水機能に優れているのに軽量でフィット感も抜群。シンプルなデザインは服装を選ばないので、多くの人におすすめできるモデルです」
「『スクランブラー GORE-TEX インビジブルフィット』(23,650円)は"はくシチュエーションを選ばない"をコンセプトにしたシューズで、日常から山まで幅広いシーンで使うことができますよ」
お客様からは「余分なものを外したワントーンのモデルを」というニーズが多く聞かれるため、ザ・ノース・フェイスのシンプルなモデルをすすめることも多いという神部さん。
「ザ・ノース・フェイスに限らず、各メーカーともに機能がどんどん進化していて、それに伴いシューズ自体もグレードアップしています。防水機能を持ちながらも柔軟性を追求していたり、通気性に特化していたり、防寒・防水の機能をバランス良く入れ込んでいたり。お客様から見れば選択肢が大きく広がっているので、より自分の好みやライフスタイルに合った一足を見つけることができると思いますよ」
こまめに洗うことが防水機能を長く保つ秘訣
防水の機能を落とさずに長く使うためにはある程度のメンテナンスが必要です。まず大事なのは洗って汚れを落とすこと。
「接客時に『靴を洗っていますか?』と聞くと8割は洗っていないと答えます。それだけ洗わなくてもいいと思っている人が多いんです。過酷な環境ではき続けたことで通気性を損ない防水機能が落ちてしまったと勘違いする人も多いようですが、実際は表面の汚れなどにより撥水機能が落ちてしまっているだけで、防水シートが劣化しているわけではないことが多い。洗って防水スプレーをすれば復活しますし、定期的に洗えば靴も傷みづらくなります」
防水だから水を吸わせない方がいい、だから洗わないと思い込んでいる人は筆者も含めて少なくないはず。
「どうしても経年劣化はありますが、洗ってメンテナンスすることで寿命を延ばすことができます。ナイロン、レザー、合成皮革など素材によりケアの仕方は寿命も異なりますので正しくメンテナンスをしてもらえればと思います。月に一度など、自分の中で定期的なメンテナンスの時期を決めるといいですよ」
トレッキングシューズは年々進化しつつも、ニーズに合わせてタウンユースでカジュアルに使えるモデルが増えています。雨や雪仕様の靴を持っていない、持っているけどデザインが気に入らない、機能性に満足していない、という方はぜひトレッキングシューズの購入を検討してはいかがでしょう。荒天以外でもアウトドアや日常使いなど用途は広いので、一足持っていると靴のバリエーションが増えて楽しくなりそうです。