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普段使いできるアウトドア系ダウン。定番から最新機能性モデルまで
2021年11月30日 08:15
いよいよ冬本番。寒さが本格的になってくる時期ですね。そんな時に頼りになるのがダウンジャケット。アウトドアメーカーからも普段使いができるアウターが数多くラインアップされていて、登山やキャンプなどアウトドアシーンを想定した防寒技術を搭載するなど、タウンユースでも快適に使える工夫が盛りだくさんです。そこで今回は、アウトドア用品を豊富に取り揃えるエルブレス御茶ノ水店の西永良平さんに、普段使いできるおすすめのダウンジャケットを聞いてきました。
「一般的なアパレルメーカーのダウンジャケットと比べると、アウトドアメーカーのものは動きやすく、防寒性に優れているものが多いのが特徴です。裁断や縫製の工夫により腕を上げても裾がつり上がらないようになっていますし、ダウンが偏らない工夫が施されているため薄い部分から外気の冷えが衣服の内側に伝わることもありません。また、アウトドアメーカーならではの素材を生かした軽さ、耐久性、快適性など、ダウンウエアにプラスされる付加価値がたくさんあるのです」(西永さん)
店内を見回してみると、機能性はもちろんのこと、デザインもいわゆる“段々”になっているものだけではなく様々なタイプがあるようです。
高品質でこだわりのダウンが最近のトレンドに
「ここ数年はダウンの品質がかなり向上していて、高品質ダウンがトレンドになっています。ダウンの品質はFP(フィルパワー)の数値で表記されるのですが、高級羽毛布団はだいたい500~600FPなのに対し、アウトドアダウンジャケットはあらゆる環境下で使うことを想定するためほとんどが600~800FPの高級ダウンを使っています。なかには900、1,000といった最高度のダウンを使っているものもあるんですよ」
高品質なダウンを使っているアイテムの中でも、西永さんのおすすめはPOLEWARDSの新作「DOWN PARKA Reprint」(75,900円)。日本山岳遠征隊が世界の山に挑戦する際に採用されたモデルの復刻板です。
「POLEWARDSは専用工場で羽毛を精製しています。しかも5つの分離技術を駆使して10もの工程で汚れや不純物を取り除くというこだわりよう。こうすることでFPの数値が同じでも軽く、へこみづらい高品質なダウンに仕上げることができます。また、チリや未熟なダウン、羽毛がない部分などが残ってしまうと表生地をキズつけてしまうもの。この商品のようにダウンの質が良いと値は張りますが、表生地をキズつけず、ダウンがへたることがないので長く使うことができるわけです。このほか、動かしやすい肩まわりの裁断、胸ポケット、フラップ付きのハンドウォーマーポケットなど、ボリューム感も含めて日常使いしやすいと思います」
最近は、表地に防水を施したもの、寒さの要因となる雨や風を防ぐことで価値を持たせているアイテムも豊富です。
「ゴアテックスを使ったザ・ノース・フェイスの『Mountain Down Jacket』(68,200円)は表地に70デニールという防水アウター並の糸を使っているので、防水だけでなく丈夫さも魅力です。ダブルフラップ仕様のフロントはスナップボタンを使ったクラシカルなデザインで、汚れやホコリを徹底的に除去したクリーンなダウンを使用しています」
透湿性をアップして快適な着心地を追求
防水に加えてキーワードになっているのが、衣服内のムレを抑える「透湿性能」。今季は機能性だけでなく快適さを追求したモデルも増えているそうです。
「ミレーの『TYPHON 50000』(63,800円)は軽量で温かい750FPのグースダウンを使っているだけでなく、優れた防水透湿・ストレッチ性を備えているのが魅力です。表地には耐水圧20,000mmもの撥水性があり、さらに最高度の透湿性を誇る生地『DRYEDGE TYPHON 50000』も使用。ストレッチ性が高いため動きやすく、マット調の落ち着いた色味や控えめなブランドロゴも好印象です」
そしてもうひとつ。今季の新製品の中でもエルブレスのバイヤーさんが推しているというダウンジャケットも紹介してもらいました。
「コロンビア『ロックフォールダウンジャケット』(33,000円)の裏地には、この秋冬から新たに登場した最新の熱反射保温機能、オムニヒートインフィニティを採用しています。650FPのダウンに、体の熱を遠赤外線で反射させて体に戻す裏地を加えることで、着てすぐに暖かさを実感。表地はコロンビア独自の撥水機能オムニシールドを使っているので急な雨も安心ですし、汚れにも強い。ポケットの裏地が起毛になっていたり、スタンドカラーを採用したりと、細かな寒さ対策もバッチリです」
不動の人気を誇る定番アイテムはこちら
寒さ対策では定番となっているのがザ・ノース・フェイスの『Belayer Parka』(60,500円)。少し大きめのフォルムなので、中に着込むこともできます。
「ゴアテックスインフィニウムというゴアテックスと同様のフィルムを張り合わせることで超撥水を実現したモデルです。表地がステッチレスになっているので雨風の侵入を防げるだけでなく、ステッチ部分にダウンを入れることができるので保温性もアップ。ファスナーの裏側にもダウンを入れていて、すきま風もシャットアウトできます」
日本発のNANGAも定番としては外せないメーカー。NANGAは羽毛の寝袋を展開しているメーカーで、そこで培った技術を応用した軽くて温かいダウンジャケットは幅広い世代に好評とのことです。
「NANGAの『AURORA DOWN JACKET』(44,000円)は独自の防水透湿素材、オーロラテックスを採用したダウンです。スッキリとしたシルエットで、過剰すぎない中綿のボリューム感、さらに動きやすさや快適性も備えているので、日常使いには最適です」
お手頃価格の中では、ダウンを日常使いでファッションに取り入れるきっかけとなったザ・ノース・フェイスの『Nuptse Jacket』(35,200円)も人気です。
「1990年代に登場して以来、仕様や素材はそのままにサイズ感を時代に合わせてアジャストしているロングセラーモデルです。毎年トレンドを取り入れた迷彩柄のデザインが登場するので、ファッショナブルに遊び心を取り入れたい方はこちらもおすすめです」
薄手ならプラスアウターを前提に購入するのもあり
「やっぱりダウンはモコモコするのが気になる」という方もいるのではないかと思い、気軽に羽織ることができる薄手のダウンでもおすすめがないか聞いてみました。
「ダウンとポリエステル綿のハイブリッドになりますが、ザ・ノース・フェイスの『Thunder Hoodie』(34,100円)はすっきりとしたシルエットで人気です。薄手のジャケットはコンパクトにたたむことができて携帯性に優れているところも利点。この商品は内ポケットが収納袋になっているので、旅などに持っていくにも便利ですし収納袋をなくす心配もありません」
薄手のジャケットはインナーダウンとして使えるのも便利なところ。寒さが増してきたら3in1仕様のアウターをプラスして表情を変えることもできる、と西永さん。
「対応していない商品同士でも組み合わせは自由ですから、好みのアウターを選んで自分らしさを出すのも楽しいと思います。もちろん3in1対応のアイテムを組み合わせれば、インナージャケットとアウターがきれいに一体化。ザ・ノース・フェイスの新システム、ジップインマグネシステム対応のモデルなら、ダウンジャケットとコートを襟元のマグネットと袖口のスライダーで驚くほど簡単に連結できますよ」
寒さが本格化する前にお気に入りの1枚を手に入れよう
今回伺ったエルブレス 御茶ノ水店は、取り扱いブランドも多く、たくさんのダウンウエアを展開しています。
「アウトドアダウンはニーズがばらけているので、売れ筋の中心も3万円台から8万円台と非常に幅広くなっています。当店ではブランド毎にフェアを開催することも多いので、いいタイミングで訪れれば欲しいものがお得にご購入できるかもしれません。いろいろな商品を見比べて、着比べて選ぶこともできますから、ぜひお店まで足を運んで、寒くなるのが待ち遠しくなるような最高の1枚を選んでください」
今年の冬は平年より寒くなるという予報も出ていますから、機能性・快適性に優れたお気に入りのアウトドアダウンジャケットを購入して、寒さに備えてはいかがでしょう。
なお、価格は11月15日の取材時点の税込価格です。