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「オンライン会議で暗い顔」を解消。ライティングだけで好印象に
2020年7月28日 08:30
新型コロナウイルス感染症の流行が続く中、在宅ワークで欠かせないのがオンライン会議でしょう。今回の騒動をきっかけにオンライン会議を使い始めた人も多いと思いますが、そのカメラ映りに関してはなかなか思うように綺麗にならないという戸惑いも聞こえます。そこで、どのようにすればオンライン会議で映りの良い自分の姿を送ることができるのかを主に照明の観点から探ってみました。
今回は利用者が多いであろうオンライン会議システム「Zoom」を用いています。カメラについては外付けのカメラは使用せず、ノートPC内蔵のカメラを使用。顔のみが映った画像はすべてZoomの画面です。
※記事中の「右」「左」という表記は、PCに向かっている人から見ての方向です。
窓を背景にする「逆光」は避けたい
照明の話の前に、オンライン会議のカメラ映りに関するNGポイントを1つ。それは窓を背にした「逆光」状態にしてしまうことです。
今回試したオンライン会議システムもそうでしたが、画面の明るさは自動的に調整されるため、背景に窓があると映像が明るすぎるとシステムが判断し、自動的に明るさを落とす仕組みになっています。そのため人物が極端に暗くなった映像になってしまうわけです。
スペースなどの関係で窓を背にせざるを得ない場合は、カーテンなどで光量を調節すると良いでしょう。同じ理由で、明るい光源も背景に入らない方が顔は明るく映ります。自宅のレイアウトなどによりどうしても調整ができない場合は、照明を使うことで解決を図りましょう。
小さなデスクライト1つでも効果あり
そして人物を照らす照明ですが、高価な撮影用ライトでなくても何かしらのライトを使った方が映りが改善されることが多いです。手始めに、よくあるクリップ式のデスクライト(LEDタイプ)を使ってみました。
まず、今回の環境では右側だけに窓があるため、ライトがない状態では顔の左側が陰になってしまっていました。
そこで、左側からクリップ式ライトを顔に向かって照らします。すると顔の左側の陰が和らぎ、ずっと見栄えが良くなりました。まずこれを試してみることをオススメします。
ライトの色にも気をつける
照明には様々な色のタイプがあり、大きくは太陽光に近い「昼白色」系や赤っぽい「電球色」系などがあります。ノートPCのカメラは色味もある程度自動調節しますが、今回試したところでは電球色のライトで照らすとやはり映像でも顔が赤っぽくなってしまい、見栄えの点ではマイナスでした。
そういうわけで、できるだけ昼白色系の「見た目に白っぽい光」のライトを使うのが自然な色に映るポイントといえそうです。
格安の撮影用LEDライトを試す
続いてはライトの位置について検証した。今回の記事を作るに当たり、高さを変えられるライトを探していたところ、Amazonで面白いモノを発見。
NEEWERというメーカーの撮影用卓上LEDライト(記事末のリンク参照)なんですが、スタンドなどが付属する2灯セットで4,249円と格安だったので、購入することにしました。
このライトのポイントは三脚とポールが付いていて、高さを最大1mほどの間で調整できます。後ほど検証しますが、顔の高さに合わせられるというのが重要です。さらに三脚部分はいわゆるミニ三脚なので、デスクに置くには好都合です。電源もUSB式なので使い勝手が良いですね。光の色はほぼ昼白色です。
下から照らすのはNG
まず高さですが、顔よりも低い位置から照らすと「お化けライト」になってしまって大変映りが悪くなるで避けたいところです。
お化けライトにならないようにするには、顔とほぼ同じ高さから照らすと良いようです。顔より高い位置からも照らしてみましたが、今回はさほど違いはありませんでした。
続いてはライトを置く位置ですが、窓や部屋の照明で顔に陰ができる方から照らすと良いです。先に書いたとおり今回は右側に窓があるので、左側の斜め前から照射しました。NEEWERのライトは先ほどのクリップライトよりも光量が大きいため、顔の陰をかなり綺麗に消すことができ、顔の輪郭をはっきり映せています。
正面から照らすとメガネに反射しやすい
メガネをかけている人の場合、メガネにライトが反射するのは避けたいですね。特に反射が起こりやすいのは正面にライトを置いた場合で、メガネの両レンズにくっきりとライトの形が出てしまい、見た目は今ひとつとなります。
対応策としては、自分の斜め前から照らすことで反射をなくすことができます。それでもメガネによっては映る場合もあるかも知れませんが、ライト位置の微調整で回避できます。
2灯での「サンドイッチ」がベストか
つづいては2灯を使って、中央から左右各30度ほどとなる斜め前から人物を挟むように照らしました。Zoomの画面を見ればわかるとおり、顔にほとんど陰がなくとても自然に映ります。
1灯の時と比べると、ほうれい線が目立たなくなっているのも大きな効果です。それもあって、被写体の人物も多少若く見えるように感じました。今風に言えば「盛れている」ということでしょう。今回試した中ではベストのセッティングといえます。
実は、このように2灯で被写体をサンドイッチする手法はプロカメラマンがスタジオなどで撮影する際の定番ライティングの1つです。それを再現している格好なので、見栄えがするのも当然なんですね。
一歩進んだオンライン会議を
新型コロナが終息しようとも、オンライン会議の比重が今後も高まっていくのは間違いなさそうです。そうなるとオンラインでの会議のほかにも、プレゼンや営業といった面で自らの映像栄えを良くすることは、考え方によっては新しいビジネススキルといえるのかもしれません。
今回紹介したように、少ない予算(手持ちのライトがあればそれを活用すれば良い)や簡単な工夫でビデオチャットの映りはグッと良くなります。「画面映りがあまり……」なんて思っている人は、ぜひこうしたライティングを試してみましょう。