いつモノコト

林道バイクで財布スマホを谷に落としたけどガーミンのクソデカ音量に助けられた話

愛車の「Honda CRF250 Rally」。今年初めにDucatiから乗り換えました!

四国在住の筆者は、最近オフロードバイクで林道に行くのがマイブーム。この前の週末も、愛媛と高知の間あたりの林道で汗をかき、最後はUFOラインをゆったり走って景色を堪能してから、徳島県の三好市に宿泊しました。次の日はゆっくり朝食をとり、途中、近所の走り慣れた険道――県道なのに未舗装区間と洗い晒しが二カ所あります――を楽しんで家に帰るつもりでした。

高知県いの町にある「UFOライン」。今が最高の季節です!(冬季通行止め)

しかし、そこで事件が起こったのです。対向車がいないのをいいことに、荒れた路面をポンポン跳ねながら走っていたところ、なんか後方で「ボテッ」という音が……少し広いところでバイクを止めて確認したところ、iPhoneや財布の入ったポーチがベルトから脱落していました。

少し歩いて探したけれど、道の上はもちろん、路肩にも見当たりません。道の左側はガードレールもない崖で、下の方に沢があるようなのですが、もしかしたらそっちに落ちたのかも……。

途方に暮れていたところ、ふと腕に巻いてあるスマートウォッチ「Garmin Instinct 2 Dual Power」に「Find My Phone」という機能があるのを思い出しました。

「Garmin Instinct 2 Dual Power」の「Find My Phone」(電話を探す)機能

この機能は、ペアリングしたスマートフォンの位置を警告音・バイブレーションで特定できるようにするもの。時計の左上にある「Light」(Ctrl)ボタンを長押ししてコントロールメニューからアクセスできます。実行すると、ペアリングしたiPhoneから結構大きな音がします。Bluetoothの届く範囲であれば機能するようです(だいたい10mぐらい? 実際はもう少し大丈夫のようですね)。

家で試したときは「なんでこんなに音がデカいんだ? Apple Watchはそんなでもないのに!」と思ったのですが、このときばかりはこの大音量が役に立ちました。崖の下の方で音が鳴るのが聞こえたのです。

幸い、崖といっても絶壁というわけではなく、細い木もあれば、頑丈そうな根もところどころむき出しになっていました。それを伝っていけば降りられそう。下るにつれて音が谷中に反響し、時計の場所を掴みづらいけれど、確かにポーチがそこにあるとわかるのはとても心強いです。途中、音が切れたので再度鳴らそうとしても反応せず、焦ったりしましたが、しばらく待ってから試すと、ちゃんと鳴ります。おかげで、10分ほどでポーチを見つけ出すことができました。

10分ほどでポーチを発見!

オフロードブーツにプロテクター、ニーシン(膝脛)ガード、エルボーガードまでつけたフル装備で下まで降りてしまったので、身長の3倍ぐらいの高さを上るのには難儀しましたが……

落ち着こうと心がけたつもりでしたが、内心ではテンパっていたようですね。装備を外してから降りればよかった。

でも、なんにせよ失くさなくて済んだのは僥倖でした。あのクソデカ警告音はアウトドアでのトラブルを想定したものだったのか……と実感できる出来事です。さすがそこは登山家にも愛されるGarminなんだな、と感心しました。

ヘルメットとゴーグルを除くオフロード装備一式付けたまま下に降りたのは敗因。この坂を上るのは大変だった
愛用中の装備一式です。危ないことをする以上、安全を考えてのことだけど、崖を登るには重い……(ホテルで装備を外した時に撮影)

ちなみに、ポーチの内容物は以下の通り。

  • iPhone 15 Pro Max(1TB)
  • 財布(現金4万円、クレジットカード、免許証)
  • USBフラッシュライト、メモ帳などの小物

「Instinct 2 Dual Power」はつい最近、中古(4万円ほど)で衝動買いしたものでしたが、ポーチが見つからなければざっと30万円相当の被害。しかも、クレカや免許証の再発行の手間がかかります。この一件で十分元を取った気がします。

もともとこの時計を買ったのは、林道を探検するときのルートを記録して、あとから振り返るためでした。「Google マップ」のタイムライン機能ではトラッキングの制度が甘く、せっかくあちこち行ったのにちゃんと記録されていないことが多かったのです。

「Instinct 2 Dual Power」で記録したトラッキングデータは「Garmin Connect」アプリ経由で、フィットネスアクティビティの記録サービスとして有名な「Strava」へ自動でエクスポートできます。これを「IFTTT」で連携してやれば、自分の探検ルートをSNSで自動共有できるわけ。やりようによっては「Google カレンダー」に自動で探検を記録したり、「Google マップ」にプロットしたりもできるかもしれませんね。これがあればいろいろ活用できるというわけです。

この日のルートを「Strava」で。青い丸印が事件の発生ポイント

あと、スマートウォッチ内蔵の決済機能「Garmin Pay」でSuicaが使えるのも便利でした。最近は四国の田舎でも、SAを中心に電子マネー対応の自動販売機が増えています。そこで一服するとき、わざわざ財布を出さずに会計が済むのはとても快適。買うまではそこまで期待していなかったので、うれしい誤算でした。

この時計のもう一つの目玉であるソーラー発電機能「Dual Power」は、残念ながら薄暗い林道だとあまり恩恵を感じられません。しかし、それでも充電しなくても1カ月はバッテリーがもつのは、Apple Watchと比べて快適。バイク乗りにはおすすめできるスマートウォッチだと思いました。もう少し使い込んで、自分なりの使い方が確立できたら、それにあった上位モデルに乗り換えたいですね。

皆さんも、林道をバイクで走るときは装備のチェックを怠らないように。そしてGarminのスマートウォッチをつけるようにしましょう!

柳 英俊