いつモノコト

乗るだけで体脂肪率などの計測を日常化する「スマートバスマット」

スマートバスマット第2弾「スマートバスマット 体組成計モデル」。本体価格は19,800円

スマート家電好きの筆者が最近購入して気に入っているのが、issinの「スマートバスマット 体組成計モデル」。上に乗るだけで体重はもちろん、体脂肪や体水分率、推定骨量などさまざまなデータが測定できる体組成計の機能を備えたバスマットです。価格は19,800円。体組成計の機能が無い体重計モデル(16,980円)も発売されていますが、体組成計モデルはより多くのデータを取得できる上位機種となります。

「バスマット」といっても、体組成計の上にバスマットを敷いてその上に乗るという仕組みなので、使用感は一般的な体組成計とほぼ変わりません。最大の違いはバスマットを敷いているのでお風呂上がりの濡れた体で直接乗れること、そして体重など計測したデータが画面に一切出ない、というところにあります。

バスマットの下に体組成計
本体上部に充電端子
付属のアダプタで充電する

筆者は今までもBluetoothやWi-Fi対応の体組成計を使ってきましたが、以前は風呂上がりにバスマットの上で体を拭いてから体組成計に乗って測定する、という2ステップが必要でした。

一方、スマートバスマットならお風呂上がりに乗って体を拭いている間に測定できるという1ステップで済みます。厳密には体を拭いている間は体が動いているので測定はできないのですが、体をあらかた拭いた上で数秒ピタッと止まれば測定できるので、わざわざ体組成計に乗って計測するという手間が省けました。

また、バスマットと体組成計を一緒にすることで設置面積を抑えられるのもメリットでした。

我が家の脱衣所はさほど広くなく、そこにバスマットと体組成計を置くと脱衣所のかなりの面積を占めてしまいます。これまでは体組成計を洗濯機の横に立てかけておき、必要に応じて取り出して計測する、という使い方をしていたのですが、体組成計を取り出すのがおっくうになってしまい、そのうち計測しなくなる……というのが常でした。

その点スマートバスマットはバスマットとして置きっぱなしにできるので片付けるという手間がかかりません。お風呂から上がったらバスマットに乗るだけで「身体データを計測する」という作業が当たり前の行動となり、結果としてほぼ毎日計測するようになりました。

体重を意識しないことで計測を習慣化

もう1つの特徴である、「本体に測定データが表示されない」ということも、計測の習慣化という意味では思わぬメリットでした。購入前は「体重が見られたほうが便利ではないか」とは思っていたのですが、実際に使って見ると毎回体重を確認しないからこそいちいち体重を確認する手間が省け、「風呂から上がるだけ」という一連の行動の中に計測を取り込むことができています。

測定結果はスマートバスマット本体には表示されないものの、スマートフォンには自動で計測結果が転送されるため、好きなときにデータを確認できます。その計測結果も通知では専用アイコンが表示されるだけで体重などの数字は表示されず、詳細はアプリで見る仕組み。また、アプリでも体重の数値を非表示にして、増減の推移をグラフで見るという設定も可能です。今までの製品に比べて毎回の数字を目にしなくなったぶん、何も気にせずバスマットに乗って記録しておき、気になったときだけ確認するというスタイルになったことでより気軽に測定できるようになりました。

アプリの通知。体重などは一切表示されない
アプリの画面。体重も非表示にできる

食生活も写真で分析 家族でのデータ共有も充実

スマートバスマットでは身体データの計測だけでなく食生活も分析できます。といってもこれはスマートバスマット本体の機能ではなく、ユーザー向けに提供されているパーソナルヘルスケアAI「ウェリーくん」の機能で、食事の写真を送ると写真を解析してカロリーなどのデータを計算してくれます。

最初は面白半分でやってみたのですがこれがとても精度が高く、たいていの食事写真は正しく認識してくれます。町中華で定食を頼むと漬け物やデザートなど細かなサイドメニューがつくことが多いのですが、こういうメニューもウェリーくんはしっかり認識してくれました。同様のサービスを提供している「あすけん」と比べてみても、画像の認識精度についてはウェリーくんのほうが高そうです。

ウェリーくんの画像認識結果
同じ写真を「あすけん」で計測

ウェリーくんはほかにも、急激な体重の変化やBMIの変化を通知する機能も搭載しているだけでなく、3歳から11歳までの子供向け「チャイルドモード」、0歳から2歳までの「ベビーモード」、妊娠中の女性のための「マタニティモード」など、さまざまな人向けのモードに加え、ペットのデータを測定できる「ペットモード」も搭載。家族での共有モードも家族ごと個別にデータを管理できるほか、子供のデータは両親それぞれがチェックできるなど、家族で使うための機能も充実しています。

妊婦や子供向けなど様々なモードを用意
家族や子供のデータを共有できる

筆者はこれまでもさまざまなスマホ連携の体組成計を使ってきましたが、いずれも日常の習慣の中に取り込むことができず、脱衣所の隅でほこりを被っていました。スマートバスマットは風呂上がりに必ず使うバスマットに組み込むことで、体組成計をまったく意識することなくいつの間にかデータを記録できるため、いつもと変わらぬ行動をしているだけでデータを記録できているという点がまさにスマートでした。

「体組成計はあるけど、計るのが億劫になってしまって続かない」、という人にお勧めの製品です。

甲斐祐樹

インプレス記者から現在はフリーライターに。Watch時代にネットワーク関連を担当していたこともあり、動画配信サービスやスマートスピーカーなどが興味分野。個人ブログは「カイ士伝