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普段使いできるアンカーのポータブル電源で手軽に災害対策

Anker 535 Portable Power Station

日頃からできる災害への備えとして「ポータブル電源」と呼ばれる分野の製品を導入してみました。「Anker 535 Portable Power Station」で、Amazon.co.jpでは64,900円です。

最近はバッテリーの性能や制御も進化していて、日々使いながら、いざという時の備えにもなるという製品が増えています。普通の家電製品を駆動できる出力に対応しつつ、劣化を抑える仕組みが両立されています。今回導入したアンカーの「Anker 535 Portable Power Station」は容量は512Whで、ACコンセントを4つ備え、最大500Wの出力が可能になっています。

512Whという容量は、ラインナップの中では中位のすこし下というぐらいで、特別に大容量というわけではありませんが、停電時に重要な家電製品を時間を決めて動かすといった用途では、ひとまず役目を果たせそうな容量だと思います。

例えば、衛星でインターネットにつながるスターリンクのアンテナとシステムを「Anker 535 Portable Power Station」のコンセントにつなげて使ったところ、平均して50W前後の電力消費で、9時間弱稼働させることができました。

すこしユニークなのは前面を照らすLEDライトが搭載されている点でしょうか。アウトドアや停電時には役に立ちそうです。また、ディスプレイに表示される情報は多めで、現在の電力消費やあと何時間使えるかが表示されます。

前面を照らすLEDライトを搭載。電球色なのでキャンプなどでも雰囲気が出そうです
家庭のコンセントにつながっていない単独の状態では、内蔵バッテリーから給電し、あと何時間使えるのかが表示されます。写真では残量100%、7Wの電力消費で、73.6時間使えると表示されています

普段から“大きなACアダプター”などとして使いながら、停電した際には満充電のポータブル電源として使い始められるという、食品備蓄の「ローリングストック」に近い考えは、製品の設計にも取り入れられています。本製品には「パススルー充電」という機能が搭載されており、家庭の壁のコンセントにつないだ状態では、内蔵バッテリーを介さずに機器に給電する仕組みになっています(最大出力は変わりません)。家庭のコンセントにつないだ状態ではバッテリーの使用を抑え、充放電を繰り返さないので、劣化を抑えられるという形です。

やや気になった部分は、本製品のコンセントを使うと内部の基板を冷やすファンが低い音で回転し、音が耳につきやすいという点でしょうか。大きな音ではありませんが、回転数が不規則に変化するため、つい気になってしまう感じです。なお、USBポートだけを使う場合、ファンの音は聞こえません。

私はこのポータブル電源をダイニングに設置して、テーブルに置いてあるタブレット端末の充電用としてUSBポートを使っています。掃除機のバッテリーを充電するといった、短時間の用途では本製品のコンセントを使うこともあります。

普段の生活の中に溶け込んでしまうと“大きなUSB用ACアダプター”でしかないのですが、いざというときに512Whの容量で500Wまでの家電製品を動かせる性能は、大きな安心感につながっています。

太田 亮三