いつモノコト
2千円台で入手できる「家庭用ナースコール」? ELPAのワイヤレスチャイム
2022年9月13日 08:40
夜中に急に具合が悪くなり、誰に助けを求めることもできないまま、命を落としてしまうのではないか…… 健康な人であっても、こうした心配を一度くらいはしたことがあるのではないでしょうか。
特に最近では、コロナの陽性患者となって隔離が必要となった場合に、家族に異常を伝えたくても起き上がることすらできないケースはじゅうぶんに考えられます。スマホで家族を呼び出すにしても、着信に気がついてくれるかは分かりません。
今回紹介するのは、こうした場合に便利な、部屋と部屋をつなぐエルパ(ELPA)のワイヤレスチャイムです。病院の「ナースコール」同等のシステムが家庭内で使える製品、といえばわかりやすいかもしれません。実売価格も2千円台とお求めやすくなっています。
本製品は、コンセントに差し込んで使うスピーカー内蔵の受信機と、利用者が押すボタン送信機の2つで構成されています。仕組みは単純で、ボタン送信機を押し込むと、受信機のスピーカーから「ピンポン」というチャイム音が流れるという仕組みです。ぺアリング済ですので、パッケージを開けたらすぐに使えます。
もし、コロナ禍で隔離を余儀なくされている家族がいるのであれば、当人に送信機を持たせ、他の家族が集うリビングに受信機をセットしておきます。両面テープやネジで壁面に固定することも可能なほか、枕元に置いておいてもよいでしょう。
これが手の届く範囲にあれば、助けが必要な時にボタンひとつで家族を呼べるほか、部屋から出てトイレなどに行く場合に、事前にチャイム音で予告することで、家族に共有スペースから一時退避してもらうという目的にも使えます。
さて本製品がユニークなのは、この送信機が電池なしで駆動することです。ボタンを押し込む力によって内部のコイルが発電し、電波を飛ばす構造になっているため、原理的にバッテリー切れが発生しません。これならば鳴らそうとした時に電池が切れていて使えないという悲劇も防げます。
報知音は、一般的な「ピンポン」という音が2種類のほか、「ウーウー」というサイレン、コンビニ入店音、さらには「お部屋に来てください」といったメッセージ4種類も用意されています。後者はあまりチャイムらしくないことから、さながら専用端末のような感覚で利用できます。
使ってみてネックだと感じたのは、一旦コンセントから抜くと報知音が初期設定の「ピンポン」に戻ってしまうこと。そのため、頻繁に本体(受信機)を別の部屋に移動させるような使い方には向きません。なお音量は5段階で調整でき、最大音量は85dBとかなり大きいため、よほどのことがない限り、聞き逃すことはないでしょう。
ちなみに今回紹介しているのは受信機1台、送信機1台がセットになった製品ですが、送信機は最大4つまで増やせます。またIP67対応の本格的な防水防塵仕様を備えた送信機も用意されていますので、浴室やトイレへの設置も可能です。高齢者のヒートショック対策としても有用でしょう。
通信可能距離(見通し)は約90mと長く、また試した限りでは木造住宅の1階と2階との間でも問題なく鳴らすことができました。家庭内で高齢者に持たせる自宅向けナースコールとでも呼ぶべき本製品、今回紹介した使い方以外にも、食事の準備ができたことを2階にいる家族に伝える用途などでも重宝するはずです。
同時に使える報知音は1種類だけなので、緊急度や目的に応じて報知音の種類を変えるといった使い方はできませんが、価格も2千円台半ばと安価ですので、まずは試しに買ってみて、自らの自宅環境ではどんな用途に使えるか試してみてはいかがでしょうか。