いつモノコト

電動ファンでメガネが曇らない「フィリップス ブリーズマスク」

「フィリップス ブリーズマスク」は、小型の排気用電動ファンを搭載してるのが特徴のマスクです。筆者は新型コロナ対策だけでなく、花粉症対策としてもマスクは手放せないので、この商品は発表当初から注目し、購入しました。Amazonでの購入価格は10,780円(税込)でした。

マスクを使っていて筆者が困るのは、息苦しいことと、自転車に乗るときにゴーグルが曇りやすい、という2点です。ブリーズマスクは排気用ファンを搭載することでこの2点について軽減を謳っていたので気にならないわけがありません。

使い捨てマスクとは異なる構造

ブリーズマスクは、大きく分けてマスクの外装部分、排気用電動ファン、フィルターの3つで構成されています。まず最初に気がつくのは外装部分が硬めで一般的なマスクとは質感が異なることでしょう。筆者が購入したカラーはグレーですが、ブラックもラインナップされています。

外装部分にフィルターを重ねて使用します
フィルターを外したところ

外装部分には排気用電動ファンが取り付けられていて、その上からN95準拠のフィルターをセットして使用します。固い外装に電動ファンを取り付けるのでファンはしっかり固定されています。洗濯をしたい時などには取り外すこともできます。

特徴的な排気用電動ファン
丸いところが電源兼風量変更用ボタン。電源が入ると白く光ります

電動ファンは充電式で、風量は3段階に切り替え可能。1回の充電で約2から3.5時間使用できます。充電時間は約3時間です。筆者はそれほど長時間使わないので1日2時間も使えれば十分ですがそれ以上使いたい場合には少し困るかもしれません。充電はUSBで行ないますが、本体から取り外すことなくそのまま充電ができるのは助かります。

ファンは取り外さずに充電できます
ファンを取り外したところ

マスクの外装部分の大きさは1種類しかありませんが、外装部分には耳掛け用の紐があり、この長さを調整することで装着感の調整が可能です。公式情報によるとマスクの縦方向のサイズは鼻の付け根からあごまで12cm以下の長さの人に適しているそうです。

また、フィルターは使い捨てになります。本体購入時に1枚付属しますが、交換用のフィルターは5枚入りで1,595円(税込)です。交換タイミングは個人差があるとは思いますが、日本では1枚あたり1週間程度使えるそうです。

フィルターは使い捨てです
鼻の部分はワイヤー入りで鼻の形状にフィットさせられます
この部分はファンにはめ込んで固定します

ゴーグルが曇らない

さて、実際に使った感想ですが、息苦しさについては、外装の堅さとその形状のおかげで、呼吸時に口や鼻にマスクがまとわりつきにくく、そもそも呼吸が楽です。その上、ファンによって強制的に外気を取り入れるので息苦しさはほとんど感じませんでした。

形状が丸みを帯びているのでマスク装着時に中のフィルターが唇に触れたりすることはほとんどありませんでした

筆者的に一番嬉しかったのは、ゴーグル装着時に息でゴーグルが曇らないこと。この一点につきます。筆者は自転車に乗るときに、埃や昆虫対策で自転車用サングラスなどではなく、ゴーグルを付けるのですが、これが花粉の時期は困りもので、マスクを付けると息をする度にゴーグルが曇り視界が遮られます。旨くゴーグルとマスクを「離した状態」で装着すれば曇りは軽減されるのですが、走行中にだんだんずれてまた曇る、というのを繰り返すのはストレスでした。

ブリーズマスクは電動ファンにより温かい息をファンの排気口から強制排気してくれるおかげで熱がこもりにくく、ゴーグルの曇りがほとんど気になりません。ファンの風量は一番弱い状態でもそこそこ効果があり、意外と許容範囲。強状態ならほぼ曇る心配がなく、熱がこもった息が鼻の上のあたりから漏れる感じがしません。これは本当にスバラシイ。この一点だけをとっても他のデメリットはどうでもよくなりました。ただ、ファンの効果も確かにありますが、鼻の部分についているスポンジによって熱気が隙間から逃げにくくなってもいるようです。いずれにしろ効果があることは確かです。

ゴーグルを装着していても息で曇りません
鼻の部分にはスポンジが付いています

欠点は少し重いこと

使ってみてデメリットも感じました。まず、電動ファンが付いていることから重量があるということです。公式情報によると重量はファン、フィルターなどを含んで約60gです。使い捨てマスクなどは大抵数グラム程度の重量ですので、かなり重いほうと言えます。マスクの先端部分に「おもり」が付いているような状態なので、マスクが常に引っ張られているような感じが若干あります。耳掛け部分に別売のシリコンのアタッチメントを付けるなど、工夫すれば装着感は上がりそうです。

また、ファンの速度は強・中・弱の3段階ありますが、中以上はけっこう音がうるさいです。特に強となると、すれ違う人が振り返るレベルで音が鳴ります。

最後に重要な注意点が1つあります。それは、本製品は「屋外用」ということです。屋内での使用は推奨されていません。理由はやはり、排気をまき散らしてしまうことだと思われます。とはいえ、排気自体はフィルターを経由して排気されるのでウイルスなどをまき散らすような構造とは思えませんが、念のため、ということかもしれません。

こうしたデメリットを踏まえても、筆者としては買ってよかったアイテムでした。ゴーグルが曇る問題が解消されたのは本当にありがたいです。屋外でしか使えないといっても、花粉は主に屋外で活動している時に気になるものなので、来年の花粉の時期は快適に過ごすことができそうです。次期モデルでは電動ファンの軽量化や長時間駆動化、できればファンの音が小さくなることを期待したいと思います。

清宮信志