いつモノコト
ゲームだけでなくオフィスにも。超軽量マウスの真打「Razer Viper Mini」
2020年4月21日 08:20
筆者も長年のゲーマーであり、ゲーミングマウスユーザーでもある。仕事でもゲーミングマウスを使うのは、いちいち使い分けるのが面倒なのもあるが、一般的なマウスに比べて耐久性が高く、作りがしっかりしているのが魅力だ。
ゲームプレイ中にはどうしても力むし、マウスのクリック回数もかなり多くなるので、耐久性は重要だ。一説には「ゲームに負けたゲーマーがブン投げても壊れない耐久性が求められるため」とも聞くが真相は定かではない(少なくとも筆者は投げたりしない)。
そんな筆者が最近お気に入りのマウスが、「Razer Viper Mini」という製品。軽く、小さく、安価で、必要十分な機能が揃っている。
前身の「Razer Viper」もいい製品だったが不満もあった
PCゲーマー界隈では、超軽量マウスが密かな人気だ。瞬発力と繊細さ、さらには持久力が求められるゲームプレイでは、軽いマウスが重宝されるのは容易に想像できる。「Razer Viper Mini」は本体が61gと極めて軽い。
筆者は以前、僚誌PC Watchにて、「Razer Viper Mini」の前身である「Razer Viper」のレビュー記事を執筆した。本体が69gと超軽量のマウスとして注目され、試用した感触も素晴らしいものだった。
ただ、個人的には不満もあった。まず左右対称デザインのため、右側面にもサイドボタンがあること。筆者は右利きなので右側面のボタンは使わない。ソフトでボタンの機能は無効化できるが、どうしても小指が当たって押してしまう感覚があり、すっきりしない。
また本体がやや大きめ。ゲーミングマウスはほとんどが海外製のため、欧米の男性の手の大きさに合わせてあり、日本人から見ると大きめのサイズになっていると言われる。「Razer Viper」は特別大きいわけではないのだが、筆者はかなり小さめのマウスが好みなので、若干合わない。
ただ、本体の軽さは素晴らしく、ゲームプレイだけでなく仕事で使っていても疲労感が少なく、段違いの快適さがあった。超軽量マウスはあらゆる場面で筆者に合っていると実感できた。
筆者の好みどおりにアレンジされた「Razer Viper Mini」
そこに遅れて登場したのが「Razer Viper Mini」だ。「Razer Viper」と比べると、本体の幅と奥行きが一回り小さくなり(高さだけは僅かに増えてしまったが)、右側面のサイドボタンがなくなった。重量はさらに8gも軽量化された。「Razer Viper」で感じた2つの不満点が解消され、筆者の好みに合った製品になった。
また価格も大幅に下がった。「Razer Viper」が税別8,980円だったのに対し、「Razer Viper Mini」は4,800円。ゲーミングマウスは一般的に高価で、「Razer Viper」が特別高いわけではない。むしろ「Razer Viper Mini」が安いと言うべきだ。
「Razer Viper」の特徴だった光学式スイッチによるボタンは「Razer Viper Mini」にも継承されている。従来型のスイッチとは全く異なる仕組みで、より高い耐久性と高速応答性をうたっている。実際の耐久性は長く使ってみないとわからないし、高速応答性も「一般的なスイッチに比べて最大3倍速い0.2ミリ秒」という体感しようのない違いでしかないが、クリック感は従来のマウスボタンと何ら変わらないので不満はない。
センサーの性能は、解像度が最大8,500dpiになるなどやや低下している。ただ筆者は普段2,000dpiで使用しており、スペック的には十分に余裕がある。問題を感じる人はまずいないだろう。
しなやかなケーブル「Razer Speedflex」も継承。マウス操作でケーブルが押されても反発がなく、引っ掛かりにくい。マウスが軽量なぶん、ケーブルの反発力も強く受けてしまうが、本機ではそういったネガティブな動きは一切感じていない。ただ本体が軽いだけでなく、実際の使用感まで考慮されているのがよくわかる。
日本人向け超軽量マウスの完成形
他社の軽量ゲーミングマウスの多くは、本体に穴を空けて軽量化しているものが多い。軽くはなるが、表面の手触りが変わるし、内部に埃が入り込みやすくなる点も気になる。その点、本機は表面に穴はなく、オーソドックスで安心感がある。それでいて外装の弱さや脆さが見える部分はなく、軽くても堅牢さを感じさせる。
軽くてコンパクトなので長時間使用しても極めて快適だ。形状もオーソドックスで人を選ばない(左利きの人は除くが)。ゲーミンググレードの高耐久性を持つ製品としては価格も安く、超軽量マウスとしての完成度は極めて高い。
なお本機にはゲーミングマウスならではのLEDライティングがあり、初期設定のままだと、ロゴ部分と底面手前部分がかなり明るく、虹色に輝いてくれる。筆者は実利優先のドライなゲーマーなので、この手の装飾を一切求めていないが、動作確認のためのインジケーター程度はあってもいい。専用ソフトでLEDの明るさを0~100%に調整できるので、明るい部屋でも確認できる5%に設定した。
欧米人に比べて手の小さな日本人に、本機は非常にマッチしている。細かいところでは、チルトホイール(ホイールの左右操作)がないのが気にはなる。とはいえ、機能的に不満があるとしたらここだけだ。
本音を言えば、本体はもっと小さく、薄くてもいいし、色も黒だけなのが惜しい。しかしそこは高望みが過ぎるというものだろう。ゲーム向けのみならずオフィスユースでも、本機を使えばマウス操作が格段に楽になる。Razerは、一般の方にはあまりなじみのないメーカーかもしれないが、ゲーマー向けには長年の実績がある。多くの人に使って欲しい製品だ。