いつモノコト

部屋の壁をお安くイメージチェンジ。自分でやれば1.2万円

いよいよ目前となったゴールデンウイーク。今年は改元の年とあって、なんと驚きの10連休です。国内外問わず、旅行するにはうってつけで、すでに予約済みで本当に楽しみ! と、いう人はいいけれど、ハイシーズンで旅費は数倍、激混みだし、とっくに諦めている方も多いはず。

そんな10連休をもてあましそうならDIYはいかがでしょう? 今回はお手軽で経済的な既存壁紙への水性ペンキ塗りをオススメします。

と、いうことで、まずは仕上がりの写真からスタート。こちらの写真、もとはと言えば10年以上は経つ、落書きや染みで汚れきった子ども部屋の壁でした。白の普通のビニールクロスです。それを天井はスノーグリーン、壁は青磁色の落ち着いた感じに再生しております。

ホームセンターなら色のサンプルを確認できる

手順がどうこうの前に、費用はと言えば、四畳半の壁4面(ドア、窓あり)に1.6リットルの水性ペンキ2缶、色違いにする天井に1缶の計3缶でペンキ代が9,330円(1缶/3,110円・ユニディ価格)に、ペンキを塗るローラーや刷毛、マスキングテープなどなどで2,000円から3,000円ぐらい。12,000円ぐらいで四畳半のイメージチェンジが可能です。

用意したペンキは1.6リットル缶を合計3缶

ペンキはAmazonや楽天などネットでも購入できますが、近所のホームセンター・ユニディでアトムペイントの「フリーコート」をセレクトして購入。水性ペンキは各社から出ていますが、ホームセンターに行くと木片に塗ったサンプルが置いてあるので、より好みや理想とする色味がわかりやすい。

では、さっそく壁塗りの説明です。実際にペンキを塗る前に塗っては困る部分のマスキングです。意外と面倒臭いです。スイッチやコンセントのパネルを外してマスキング、巾木やドア、窓枠部分を念入りにマスキング。今回は壁と天井の色を分けるので、後から塗る壁の天井と接する角もマスキングです。

ちなみに床も新聞紙やダンボール、処分してしまっても構わないレジャーシートなどで養生します。

きれいにマスキングしないと、ペンキがはみ出して残念なことに。と言ってもプロではないので多少のはみ出しなどはやむなし、という心構えも大事

なお、壁紙にマスキングテープを貼っても、壁紙表面の凹凸にペンキが入り込んで塗り分けが美しく決まらない、とのことでホームセンターのスタッフさんから「ジョイントコーク」なるものを勧められました。木工用ボンドのような質感で、乾くとゴムみたいになります。これをマスキングテープに沿って指でなじませると、壁紙とマスキングテープのスキマを埋めてくれてきれいに真っ直ぐに塗り分けられる、ということですね。

「ジョイントコーク」の一手間

「ジョイントコーク」の一手間を加えることで、よりキレイに塗り分けられることは確かですが、素人には「そこまでこだわらなくてもよかったかな」という印象も。どうせならきっちりやりたい人にはオススメです。ちなみにほかの壁紙の細かい剥がれ部分やネジ穴埋めなどにも重宝するので、意外とペンキ塗り後も役に立ちます。

刷毛で部分的に塗った後、ローラーでゴロゴロ

ここまでやって、いよいよペンキ塗り開始です。専用のバケツにペンキを流し込み、ローラーで何度も何度もローリングです。ペンキをムラなく混ぜ合わせることが必須とのことで、ペンキ缶も開ける前に振ったり揺すったり逆さにしたりします。

ちなみにバケツの中に立てかけている格子状の網部分にローラーをゴロゴロします。

ペンキ塗り用のバケツはホームセンターでバケツ単体でも、ローラーとセットでも販売している。ローラーとセットで1,000円もしない程度のお値段

よくローラーにペンキを馴染ませたら天井をローラーで一息に、とはまだ行きません。その前に刷毛でマスキングした部分を塗っていきます。この処理も地味に一苦労。マスキングテープを貼る先ほどの工程と、その部分をチマチマ塗っていくのをいかに乗り越えるかが大切です。ペンキ塗りにワクワクしている間に素早く処理したいところですね。

踏み台に乗って天井の際を塗り進めると、塗りすぎたり垂れてきたりするので幅広のマスキングテープの方がよい。今回は幅広のテープを購入しておらず……

マスキング部分の処理が終わったらようやくローラーでぐんぐん塗っていきます。まずはタテ方向に、といった塗り方マニュアルもあるようですが、わりと適当に白い面をどんどん潰していく感じで塗ります。塗りムラがある場合は、のちほど塗り直すので、ここではとにかく塗り進めていくのが大切。

ローラーを複数用意しておくと、家族で一気に塗り進められるので作業もはかどる

天井を塗ったら次はペンキ(色)を変えて壁。やることは同じですが、壁塗りは踏み台の必要な天井と異なり、子どもでもOK。落書きしてもどうせ塗りつぶすのでOK。遊び気分で手伝ってもらいます。

子どもには手の届く範囲を。親が一息ついている間もペンキ塗りは続行する

そうこうしていると、どうにか全体が塗り終わります。だいたい6時間でしょうか。塗りムラもやむなし、とはいえ、なるべく均一に塗ろうとがんばると、それなりの時間がかかります。

そして、がんばっても、やはり塗りムラがあるのが、既存壁紙へのペンキ塗りの手間のかかるところ。壁紙の種類にもよりますが、表面の凹凸が大きい場合はペンキがそのくぼみ部分に入りづらいのですね。

壁紙表面の凹凸にペンキが入っていない部分は、壁紙の白が出てしまう

ちなみにペンキ缶には一度塗りでもOKとしつつ「二度塗りするとさらにきれいになります」と書いてあります。とはいえ、さらにもう一度全面を塗るのは倍の時間がかかるし、ペンキの量(つまり費用)も倍になります。

なので、ムラが気になるところを重点的に塗り重ねます。塗り重ねた直後はその部分の色が明るく見えますが、乾くと一度目に塗った部分と同化してまったくわからなくなるので大丈夫。

ムラ部分の二度塗りは気になるところを納得するまで塗りつぶすイメージ。ペンキが余るぐらいなら二度塗りで使い切った方がいい

ということで完成したのが冒頭の仕上がり写真となります。せっかくなので、もう少し寄りの写真をもう一度。我ながら、素人が初めてトライした割にはキレイな仕上がりな気がします。

ずいぶんシブい感じに塗り込んだ我が家の子ども部屋だが、もっとポップな色合いの方が楽しそう。ちなみにペンキは驚くほどの色数あり

10連休にさまざまな場所へお出かけするのもいいけれど、そのうちの1日、2日をペンキ塗りに充ててみても思い出になるはず。家族みんなでDIY、そんな休日も楽しいですよ!

なお、マンションなどの集合住宅では、管理組合等の承諾が必要な場合もあるので、事前に確認しましょう。

森田範彦