ミニレビュー

シャオミの1万円ペット給餌器を使ってみた 少食猫も安心

犬や猫に自動給餌できる「Xiaomi スマート給餌器 2」

シャオミがペット用給餌器「Xiaomi スマート給餌器 2」を8月に発売しました。犬や猫への給餌が自動ででき、食べた餌の量も計測できます。食事した時刻や量はアプリで確認、ネット経由で給餌することも可能です。食事の管理を正確に行なうことで、ペットの健康管理に役立ちます。

我が家には10才の猫がいます。最近、家族が家を空ける時間が長くなり、決まった時間に食事をあげられない日が増えてきました。帰りが遅い日は餌を多めに入れておくのですが、きちんと食べているのか、餌は足りているのかなど、つい心配してしまいます。また、家族の誰かが餌をあげたと思い込んでしまい、餌をあげる時間が遅くなってしまうこともありました。

写真を撮られてムッとしている我が家の猫「ツナ」(10才オス)です

そもそも、うちの猫はとても小食です。そして0才の頃から便秘気味なので、ドライフードはロイヤルカナンの「猫用消化器サポート 可溶性繊維」をあげています。猫用かつおぶしをトッピングして食欲を増すようにしたり、ウェットフードをかけて水分量を増やしたりしていますが、ずっと体重は3kg台のまま。もうこの年になれば、あまり食に興味がないタイプなのだと思っていますが、それでもずっと気がかりです。

そこで、スマート給餌器という製品があると知ったときには、かなり興味を惹かれました。その時は価格面で手が出ないと断念しましたが、スマート給餌器 2は11,800円と手に入れやすい価格で販売しています。同じような悩みを持つ猫飼いさんも多いと思うので、さっそく試用してみました。

ロイヤルカナンの「猫用消化器サポート 可溶性繊維」をいつもあげています

洗える本体で清潔に利用できる

スマート給餌器 2は、ドライフードを入れておくと、決まった時間に設定した分量を給餌するデバイスです。ドライフードの直径は最大12mmまで対応しており、成猫1匹の約30日分にあたる約2.5kg(5L)まで入れておけます。湿気を防ぐため、シリコン製の蓋とフードディスペンサーで密閉、蓋部分に乾燥剤もセットできます。

ステンレススチール製給餌ボウルは油脂が貯まりにくく、給餌したドライフードにウェットフードを足すなどの使い方も可能。取り外して洗うことができるため、清潔に保てます。ちなみに、ドライフードを入れるフードタンクも取り外して洗浄できます。

本体のLEDディスプレイには、ボウルに残されたフードの残量がリアルタイムに表示されるほか、アラートやリマインダーも表示されます。

本体、給餌ボウル、乾燥カートリッジ、電源コードが付属します
本体の大きさの目安として、2Lのペットボトルを横に置いて見ました。本体サイズは、370×220×324mmです
電源は、電源コード以外に乾電池(単三電池4本)も利用できます。これは、停電時やインターネットが遮断されても給餌するためのバッテリーです
蓋には乾燥剤をセット、蓋とフードディスペンサーはしっかり密閉されます
フードディスペンサーにドライフードを入れました。最初少なく入れたところ、アプリにもっと入れるように言われました。これぐらいがちょうどいいようです
蓋をしめて電源を入れ、ディスプレイに「0g」と表示されたら準備完了です

「Mi Home」アプリで給餌をコントロール

操作はスマホアプリからもできます。Xiaomiのスマートホームアプリ「Mi Home」を利用します。スマート給餌器以外にも、ホームカメラやロボット掃除機、スマートライトなどをまとめて制御できるアプリです。このアプリに「デバイスの追加」でXiaomi スマート給餌器 2を追加し、設定を行ないます。

私はすでに、Xiaomi スマートカメラ C500を使用していたので、このアカウントにスマート給餌器 2を追加しました。

はじめにペットの情報を登録。しかし、我が家の猫は雑種なので、選択肢に含まれていませんでした。仮として違う種類の猫で登録したため、自動でペットに適切な餌の量をコントロールしてくれる「スマート給餌モード」を十分に活かしきれないかもしれません。とはいえ、ペットに合わせて自分で調整できるので問題はありませんでした。そのあたりは後述します。

アプリにスマート給餌器 2を追加し、ペットを追加します
ペットの名前や生年月日などを入力していきます。「ブリード」にMIXがないため、困ってしまいました。やむなく、違う猫種を入れています
ペットの情報を登録すると、「自動給餌スケジュール」の登録に進みます。「推奨される給餌スケジュール」でとりあえず登録しました

テストの意味で、手動でリモート給餌をしてみました。本体のボタンやアプリから給餌をすると、音に気づき、様子を見にきた猫。あたりを見回し、ドライフードがあることに気づき、そのまま食べ始めました。怖がりなので近づかないかもしれないと思っていたので、まずは第一関門突破です。

アプリからリモート給餌してみました。給餌ボウルの餌の量が計測されています
Xiaomi スマートカメラ C500には、様子を見ている猫の様子が捉えられています
警戒しているため腰が引けていますが、食べています。たまたまですが我が家の空気清浄機もXiaomi製。デザインがマッチしています
給餌ボウルの残量が7gに変わりました。5g食べたことがわかります
アプリには給餌した時間と食べた量が記録されていきます

数日試したところ、推奨される給餌スケジュールがうちの猫には多いことがわかりました。そこで、給餌する量を減らし、給餌のタイミングも以前通りの1日2回に変更。また、時折かつおぶしやウェットフードもかけています。

ウェットフードをかけたところです。ここは、人の手で行ないます
数日後はリラックスして食べるようになりました

食事量の見える化で健康管理ができる

こうして試行錯誤しつつ、2週間ほど運用してみました。最初の頃は、猫が給餌されるときの音にいちいち驚き、餌が出たかを確認したついでに食べることもありましたが、数日で慣れたようです。

元々うちの猫は、食べる時間もバラバラで、残すことも珍しくないタイプ。夜に残した餌を早朝に食べている様子もあったので、アプリのフィードログを見たところ、朝3~5時にも食べていることが確認できました。不規則なのでボウルの餌が少なくなるタイミングも読めませんが、餌が少なくなってることがわかれば外出先からでも給餌できて便利です。

食事のペースがまったくつかめない我が家の猫ですが、元気に食べていることがわかります
食事の統計を確認することで体調管理もできます。レビューのためにこの週はドライフードのみを計測している(ウェットフードは別のお皿で食べさせた)ので、少なめです
ボウルに餌が残っているときなど、給餌スケジュールはいつでも調整できま
時間設定だけでなく、他のデバイスの動きを条件として給餌することもできます
我が家には不要ですが、「チャイルドロック」をかけると本体の給餌ボタンを押しても餌が出なくなります
給餌ボウルを外して、しっかり洗えるのも嬉しいポイントです

スマート給餌器 2の導入により、猫が食事をいつどれぐらい取っているのかを明確にすることができました。また、自分が外出しているときでも、ちゃんと餌を食べているのか、餌は足りているのかなどを確認できて安心でした。

我が家の猫のように食が細いタイプだけでなく、食べ過ぎるペットの食事管理にも向いていると思います。乾燥剤の入ったフードタンクにドライフードを入れておけるので、常に清潔な状態で適量の餌を出せることも健康管理に役立ちそうです。

鈴木 朋子

ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザー 身近なITサービスやスマホの使い方に関連する記事を多く手がける。SNSを中心に、10代が生み出すデジタルカルチャーに詳しい。子どもの安全なIT活用をサポートする「スマホ安全アドバイザー」としても活動中。著作は『親が知らない子どものスマホ』(日経BP)、『親子で学ぶ スマホとネットを安心に使う本』(技術評論社)など多数。